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lost luggages ねぶくろ 書簡
--sleeping bag・g-ism/ist--

16-01-2004 / Friday

_ 冬空。『最後の一葉』みたいに、目の前の木に葉っぱがぶら下がって、揺れている。小説と違うのは、その葉っぱがもう枯れ葉色だということ。青々とした葉っぱに隠されていたカラスの巣もすっかりと見える。そういえばこのごろカラスは家にいないことがおおいようだけど、この巣は子育て用の巣なのだろうか。毎年のように雛が生まれてはなぜか巣から落ちて死んでしまうことが多いので、この家のカラスは少し攻撃的である。また春になると卵を孵すのかな。ここにいるのもあと一年。次はどんなところで何をしているかわからないけど、太く短く過ごせたらいいなと思う。


16-01-2013 / Wednesday

_ 住んでいるときにはわからなかったけれど、やはり旧本拠地であるA地点は、よいところだった。この数年の圧倒的な近代化(正確には首都の模倣的な発展だと思うのだけど)の洗礼を受けているところは、他の地方都市とまったく同じである。しかしその一方で、独自の機を伺うセンスの良さというのも確かにあって、こういうのはX地点にはないよなーと思うことも多かった。おもしろさが半減したかなと思うところもあったけれど、やはりA地点の人々のオープンさとノリの良さと率直さは一歩抜きん出ている。もっと昔、まだ余裕があったころに、家の一軒でも買っておけばよかったのだろうなあ。今はわたしなどには到底、手は届かない。それに住むとなればまたあれこれと欠点に見えてくるところもあるだろうし、ここはわたしにとっての逃避先として大事に残しておいたほうがよいのだろう。

X地点に戻ってきてから帰国の準備に追われている。朝、保育園に行くのをいやがる子どもを宥めるため、地元の市場に寄るようにしている。色とりどりの野菜や果物、大きなまな板の上でばんばんとぶった切られる肉類や魚類を見ながら、子どもはどうも食欲が沸くようで、いつもスナックやでシュウマイをふたつ買って、それを食べながら保育園に行くようになった。こういう習慣はほんとうはよくないなあと思うのだけど、日本に帰ったらまた日本の風土に適応することはわかっているので、温かく見守っているつもり。もちろん夕方、保育園に迎えに行くと、楽しかった!といって、目をきらきらさせて、学芸会のために練習している踊りや歌を披露してくれる。残念ながら、学芸会の前に帰国するので、今年も出席できないのではあるが。。

いずれにしても、子どもがこの一か月、ほんとうに元気でいてくれたことと、楽しく過ごしてくれたことだけでもありがたいことだった。


16-01-2018 / Tuesday

_ あと10日ほどで当地を去る。お正月は子どもとふたりで地方を旅行した。とても楽しかった。山に登ったり、川を渡ったり、船旅で風に吹かれたり。子どもは船の上で8歳になった!光陰矢のごとし、少年老い易く学成り難し。

首都に戻ってからは、わたしも子どももそれぞれ日常生活へ戻った。荷物の発送とかもろもろで、今、アパートの部屋はしっちゃかめっちゃか。とはいえ、一年弱の生活であったから、残すべきものよりも、捨てるものが多く、来たときよりも少ない荷物で帰ることができそう。子どもの本だけは、新しい任地へ別送する予定で、あとはお土産とかそういうもろもろのみだ。

昨日の夜は、先輩某氏と某国時代に知り合った院生とで食事。院生さんとは、一昨日の夕方、わたしと子どもが早めの夕食代わりに食べていたパンケーキ屋の前でばったり偶然、出会った。わたしたちはお店(ガレットとパンケーキの店)のウィンドウの前のテーブルに、横に並んで食べていた。すると、知人の院生さんそっくりの青年が、ここに入ろうかなどうしようかな、といった風情で、表に出ているメニューを覗きこんでいる。ああ!あれは!と、フォークを持ったまま、わたしはそとへ飛び出した。果たしてやはり、知己の院生さんだった。えええー!どうしてこんなところに!という驚きは双方にあったとは思うのだけど、なんとなく想定の範囲内のような落ち着きを保ちつつ、テーブルに招いて、しばし談笑。某国へ行くついでに観光に来た・・・なぬ!ついでどころが、まったく方向が違うじゃないの!などと高らかに笑いつつ、時間を過ごした。結局、わたしと子どもはそのとき食べていた早めの夕食を、おそいおやつであると決め、院生さんにローカルフーズの名店を案内し、一緒に夕食を食べた。欧米人ばかりの当地では、カフェに入ったりするのも勇気がいった様子で、おいしそうになんでもきれいに食べてくれた。帰り際にまた次の夜も一緒に夕食を食べるという約束をして、今度は先輩某氏を院生さんに紹介。ふしぎな旅の空の二日間だった。次にここへ来るときはわたしも旅人である。子どもは早くも夏休みには必ず当地へ来たいと宣言した。またこれたらいいな。


16-01-2021 / Saturday

_ 今週はずっとオンライン授業。食料の買い出し以外には、ほとんど外出もしなかった。なのに、その隙にやってきた不在荷物を受け取りに、一度だけ郵便局へ行ったら、なんと建物の外にまで不在受け取り票を手にした人が並んでいた。密、である。結局、荷物は自宅へ再配達してもらうことにして、そのままとんぼ返りをしたのであった。

今日は温かい一日になるという話だったけれど、結局、ずっと家にいた。家で映画を見たり、テレビを見たり。そういえば、長らく迷った末にSpotifyを契約した。音楽を聞きまくっている。懐メロばかりではあるけれど。。

_ いつの頃から読み始めたのかもう覚えていないけれど、海外在住の方のブログで更新されるのを楽しみにしているものがある。クリスマス前に義理のお母さんが持病が悪化したために入院されて、手術を受けるはずだったのが病院都合で延期になったりしているうちに、コロナに感染してしまわれた。手術も受けるには受けられたのだが、最終的にはコロナのために亡くなられた。その一連の記事を読みながら、泣きそうになった。この方の義理のお母さん、夫の母に少し似ているところがおありのように思っていた。ブログを書いていらっしゃる方の愛情あふれる毒舌に感じるところが多く、ずっと読んできた。でもわたしは到底、この方のようなことはできなかった。人として誠実に正直に生きることとはどうすることなのか。他人と関わるということがどんなことなのか。この方のブログを通して、ものすごく考えることが多い。やりきった、最後まで人として誠実に義理のお母さんと関わってこられた。心が本当に洗われる思いがした。もう一つ、胸を打ったのが、この方のご主人のこと。ニュースで読む限り、世界で最も過酷なコロナ禍の状況にある国で、教育者としてお仕事をされている。自分の母親がコロナに感染したことで、病院の医療従事者の方々が毎日経験されているこの非常事態下でのプロフェッショナルな対応に非常に深い敬意と感謝の気持ちを新たにしたとのこと。なかなかこういうことは言えないものだ。どんなときも自分が一番悲劇のヒロインになりがちなわたし。どんなふうにこの状況を生きていくのか、自分の来し方行く末を考えるようになった。まっとうな人間になるのにはもう遅いかもしれないけれど、やり直しはいつ始めてもいいはずだから、少しずつ、やり直していこう。


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