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lost luggages ねぶくろ 書簡
--sleeping bag・g-ism/ist--

18-03-2003 / Tuesday

_ 「日本としてはイラクの戦後復興に協力したい」という発言が、どこをどうしたら出てくる構造になっているのか、わからぬ。戦争を止めさせるという考えが念頭にまったくないということだけは、わかる。こういう人だったのだ。始まってもいない戦争の、どのような戦後復興を描いているのだろう。


18-03-2006 / Saturday

_ 土曜日の事務所は、冷房も切られていて、ちょっと暑い。。

夕べは、三四郎大学ご卒業の、絵に描いたように感じがよくて、溢れる知性がまぶしすぎるくらいにさわやかな女性と食事をともにした。一緒にいると、まるでマリア様か三蔵法師とご一緒しているように、幸せな気分になる。責任のある仕事があって、結婚していて、なにもかも充ち満ちていて、もうなんの不満もなく、不満があっても笑ってすませる余裕があり、何事にも動じず、スマート(内面・外観ともに)で、身のこなしが軽く、ああ、こんな人が世の中にはいるのだということを知ることができたのは、幸せなことだった。爪のあかなんてないだろうが、こんな風になりたいと強く思った。まずは模倣からか。

_ 朝、早々とシティ・チェックインしておいたので、ちょっと余裕ができた。前にフランス語で出版された学術書が、英語版を経て、某国語版に翻訳された。これを買ってみたのだけど、うーん、むずかしいところだ。英語版を翻訳した人は、ちゃんとした本職の研究者の人だったのだが、某国版に訳した人は、こちらのNGOの人たち。翻訳という作業を、技術的な部分だけでとらえたら、そりゃあ、人海戦術でばばーっとするのが一番よいとは思う。しかし、テクニカルタームとか、すごいことになっているからなあ。でもこれもまたひとつの研究成果のローカルへの還元だと思えば、たぶん、意義はあると思う。

_ わたし自身の去就については、すでに何度も書いたとおり、もうここで打ち止め状態に陥っていて、日曜研究者になることが決定している。それで全然いいと思っているし、わたし自身が強くそれを望んでいて、ことあるごとにアナウンスしてきたので、もう反対する人も今はいない。納得したとかそういう次元ではなく、こういう人なんだ、と思われた感が強い。でもそれもわたしが望んだことであるので、悔いはない。ただ博論を出版する前に、ほぼおなじ歴史的文献を使っていながら、西欧の研究者の人に先を越されて出版されてしまったことがちょっと残念だったかな。この資料、特定の出自の人しか持っていないものだったので、見つけたときは、うはうはしたものであるが、解読に時間がかかり過ぎちゃって、先を越された。でも日本人でこの資料を持っているのはわたしだけなので、ちゃんと整理した暁には凸凹大附属図書館に寄贈しておこうと思う。それくらいわりと意味のある資料みたいです、西洋での扱いを見ていると。

_ 今日の午後、某国へ出国して、明日、別の某国。ここで某先生最終講義用のきれいなお洋服を買えたらいいな、と思っている。買えなかったら、悲惨な服を着ていくよりほかなし。

いろいろと行事とか、研究小屋の引っ越しとか目白押しで、4月からの講義の準備が全然できていない。インフルエンザもまだ快癒しておらず、なんかもう日頃のおこないの悪い人は、ほんとにたいへんだなと思う。禅寺とかに入った方がええのだろうか。出家したら、もうすこし、よい人間になれるだろうか。わからない。すべてなにもかも、わたしにはわからない。


18-03-2009 / Wednesday

_ 『日本語が亡びるとき』。興味深く読む。著者よりはほんの少しだけ、欧米以外の言語・状況を知る立場からすれば、そしてできるだけ好意的にこの本を読むことを心がけるとすれば、本書を出発点としてさまざまな議論が生まれるために出された本であるように思った。いくつかの議論はまったく反対意見を持ったし、もっと他の事例にも目を通すべきだとも思ったが、いずれにしてもそのような意見を喚起させるには十分な役割を果たした本ではないかと思う。でもちょっと、読みづらいですな。単語の定義がもひとつ曖昧だからか。


18-03-2012 / Sunday

_ 数日前から喉がいがいがとしている。無論、間違いなく、風邪の兆候。このところ、喉をやられる風邪によくかかるようになって、このいがいがに悩まされる段階から、咳も止まらなくなっている。喉はひりひり、頭はぼーっとするはで、すぐに薬を飲むことに。いつもは常備風邪薬を服用するのだが、今回は、前回、某国に行ったときに、ふと気が向いて買ってみたアスピリンを試してみた。アスピリンということばには、どこか甘やかな、しかしすこし冷たい青みがかった色が見えるようなイメージがある。実際に口中に投じてみた変哲もない小さな錠剤は、思いがけず、酸っぱい味がした。アメリカの小説を読むと、かなりの確率で登場する薬は、もちろん麻薬ではないけれど(中毒性はあるようだが)、どこかしら密かに憧れを感じさせるようなものでもあった。雑貨屋の薄暗い棚で見つけたアスピリン。効き目はというと、このタイプの鎮静剤を飲むのが久方ぶりだったからなのか、とてもよく効いたように思う。喉の痛みと発熱は、しばらくのちにやってきた眠気に襲われて二時間ほども微睡んだあとには治まっていた。こんな味だったのだなあ。わざとすぐに水を飲まずに、舌の上に乗せるとすぐに溶け始めて広がる苦みを記憶に刻み込みこんだ。夢と夢の間で再読したカズオ・イシグロの小説は、だからアスピリンの味がするようになった。


18-03-2016 / Friday

_ まあいろいろやなことも多いということで、気分転換にエーゴの勉強でもしてみるかと、職場の大学のとなりのとなりにある私立大学の語学コースに申し込みをしたのが3週間前のこと。語学教育、とくに某国人向けのエーゴクラスと外国人向けの某国語クラスが有名な大学である。週二回、一回二時間で3か月間で5千円という料金もまた、とても魅力的なわけである。それで、だいぶん年上の某国際援助機構の専門家のセンセイやら時々つるんでいる年長の知人たちとで筆記試験を受けたのが火曜日のこと。一日置いて、昨日、面接を兼ねた会話試験があった。初級・中級・上級とあって、それぞれが3段階に分かれている。一番クラス数が多いのが初級だそうで、筆記試験の成績順に、おおざっぱな一次クラス編成があって、それにしたがって、面接試験をやるというもの。わたしは上から2番目のグループだった。。。といっても、筆記の問題は、はあ~?ナンジャコリャ?という、摩訶不思議な問題ばかりで、某国人が一所懸命に作ったへんてこりんな問題ばかり…と思っていたのである。リスニングにいたっては、音声を担当している男女の英語が、絵に描いたような西海岸のアメリカ語で、わたしはほとんどなにもわからなかったのである。こんなプレイスメントテストの結果で上から二番目のグループに入れられたといっても、それはきっとカンがさえていて、マークシートのチェックがうまくいったということなのである。たぶん。ところが昨日、試験が終わってみんなでお茶をしていたとき、専門家のセンセイがおっしゃるには、あの英文の問題は、間違いなく英語母語話者が作成したものなのだとか。というのも、もう数十年前に先生がアメリカにて受けた英語の試験問題とまったくおなじだったのだとおっしゃる。そのことは確かに驚きなのではあったが、よくそんな昔のことを覚えているもんだな~と、さすがプロフェッショナルは違うと、感心したのであった。

_ 今日もいろいろな偶然が重なって、プロフェッショナルのセンセイと、凸凹大学の院生時代のゼミ先輩とお茶。最近よく立ち寄る学内のカフェで小一時間ほど雑談。よく笑った。笑うと頭の空気が入れ替わって、とてもすっきりとする。2時過ぎに解散して、大使館にいる卒業生に連絡していろいろと手続きの手配をお願いしたりなんかして、夕方帰宅。いつもは帰ったらぐたっとしてしばらく動けないくらいに疲弊しているのに、今日はたくさん笑ったからなのか、そのままスムーズに家事に移行できた。大きな声でがはがは笑うのって、何よりも健康によいのかもしれないな。夕食後、学生の課題の採点も終わらせることができたよ。ビタミン剤やら栄養剤より全然いいなあ。なんて、ほんとこの数か月、つらいこと続きだったので、久しぶりにすかっと晴れた気分なのである。


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