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lost luggages ねぶくろ 書簡
--sleeping bag・g-ism/ist--

03-04-2004 / Saturday

_ そわそわ。

_ 昔っからそうなのだけど、出不精。極端。近所をうろつくのは好き。歩いて行ける範囲のところを、好きなときにふらりと行くのは好き。でも、小一時間とか二時間とかかかるところへ、時刻表を調べて出かけるのが苦手。きらいなのではなくて、苦手。飛行機とか船に乗って、どこかとおーいところへ行くのは好き。しかも得意。毎日決まったところへ行くのもほんとは苦手。うちでぼんやりしているのは好き。ただし、毎日ぼんやりしていると飽きるので、いや。ようするに、わがままで勝手なのです。


03-04-2007 / Tuesday

_ 人に道を聞かれやすい顔をしているのだろうか。道を尋ねるひと二様。大体、二週間に一回は、道を聞かれる。午前中は、構内にて「湯川秀樹記念センターはどこですか?」と、初老の上品そうなご夫婦に聞かれる。恥ずかしながら知りませんでしたので、ちょうど時計台前だったということもあって、インフォメーションセンターをお教えする。夕方、日が暮れる前に高瀬川の一之船入あたりの桜をみて、久しぶりにキルフェボンでお茶でもしようと歩いていた。桜、きれい、川の水色、春の色とか風流な雰囲気に浸っていたら、突然、目の前に二人組の男女が現れる。男、場末のストリップ劇場の司会みたいなチェックのブレザーに、とれかかったアイパー(どんな髪型かほんとはしらないけど、そんなかんじのパーマがかかっていた)、ひげのそり跡が青い。女、髪型は下妻物語の深田某女のごとし、うそものピンクハウス風のフリル服。女の方が背が高い。ふたりとも確実に年齢はわたしよりはるかに上に見える。をを、春だからみんな楽しそうだな、なんて思って普通に通り過ぎようとしたら、男が呼び止める。「あのう、このあたりはホテル街なのですか?」。わたし「ええっ、ええっ?」女「わたしたち、ホテルにいきたいんです」。わたし「や、ああ、ここはホテル街といえばそうですし、違うといえばちがいますし。。(オークラホテルもロイヤルホテルも☆付きの立派なホテル。いや、そういうホテルとは違うのを探しているのだろうか?答えに窮するわたし)」。男「ぼくたち、ラブホテルをさがしているんですよ。どこかおすすめのところはありませんか?」。わたし、一瞬、絶句。凍り付く。のち、深呼吸して丹田に力を入れつつ、「や、や、そ、そですね、お、岡崎とかそのへんとちがいますか。もうちょっと上がってから信号を右に折れて、橋を渡ってずーっと歩いていかはったらええのとちがいますか」と、やっと喋りきる。男女「ありがとうございますー☆はっぴー☆」。プーマみたいなボストンバッグの持ち手をふたりなかよく一つずつもって、男女、通り過ぎる。

昼間からラブホテルにいくのはいいとしても、道順を人に聞くか?しかもこのわたしに!わたしは、その手の道案内もできそうな顔をしていたのだろうか?岡崎にラブホテルがあるのかどうかはよく知らないけど、なんかあのへんにたくさんあるということを耳学問で知っている。というか、わたしはラブホテルって、行ったことがないのだ。相手がいつも年上だからなのかもしれないけど、いや、それは関係ないな、家か星付きホテルしか知らんのだ。後学のために昼間、自転車で探索しに行ってみよう。またいつだれに道をきかれるかわからないし。というか、強烈な印象を残したふたりのおかげで、わたしは呆然としたまま歩き続け、キルフェボンを通り過ぎてしまった。なにか得体の知れない新種の蛾の鱗粉を浴びてしまったような毒気に当てられ、上島珈琲でコーヒーを飲んで、さっき起きたことを反芻。さらに気分が悪化してきた。でも世の中って、おもしろいね。今日のわたしの服装は、湯川秀樹記念センターのことを絶対にしっていそうにみえるきちんとした格好だと、そのときは思ったのだけど、凸凹ラブホテル事情に精通していそうな雰囲気が醸し出されていたのだろうか。大きな声で、わぁーーーーっと叫んで、駆け出したい気分だよ。

_ 身辺整理。書き物。ヨガ。打ち合わせ。ああ、なんだかなー。そんなんこというんやったら、わたしを採用してからにしてくれ。と、ふつうに思うわよ。


03-04-2009 / Friday

_ 用事があって心斎橋筋商店街。本町を通り抜け、淀屋橋界隈のビジネス街を抜け、梅田まで歩く。商店街は昔から看板を掛けているようなお店がたくさんある一方、ドラッグストアやら百円ショップなどのような新興勢力も進出している。船場センタービルを越えるとちょうど昼時だったので、お弁当やさんがたくさん机を出している。400円から500円で、とてもおいしそう。バンの後部や側部を改造して、ほかほかのカレーやらを出しているお店もある。そういえばわたしが小さい頃、バンの後ろでホットドッグを焼いて売る車をよく見かけたけれど、今はもうないのかな。あまりみかけない。ビジネススーツの人々がまぶしかった。ちゃんと正業についていて、お給料ももらっているなんて、それだけで尊敬の対象である。

中之島のあたりでお弁当を食べてもよかったのだけど、さっさと帰らないといけなかったので、梅田から阪急に乗る。大阪の商店街は、安くて活気がある。とくに理由はなかったのだけど、結婚して新戸籍を作るとき、本籍地をかつて住んだ大阪某所にしてみた。本籍地というのは、任意の場所を選んでよいということを知ったからでもあるのだけど、巻き直しだとかなんとか思ったのだ。そういうこともあって、大阪市内に住むというのも楽しそうだななどと思った。

ネガティブ思考をなんとかせにゃいかんなと思って、いくつか啓蒙書を読んでみて、セルフチェックなどをしてみたところ、どこからみてもわたしは重度のうつ患者という結果が出る。病院にかかる余裕も健康保険に入る余裕もない生活だから自然治癒を待たねばならぬ。自然に治癒するとしての話だけど。そして本当に重度のうつ患者であればの話だけど。貯金がなくなる日のカウントダウンも始まった。なんとかしないといけない。大学に女性研究者支援センターというのがあるのだが、ここは正業についていて、結婚していて、子どもがいる研究者を支援する場所である。永遠に就職先を見つけていそうな女人は対象外。こういうとき男と女と、どちらが辛いだろうか。こういう辛さに男女差はないだろうけども。でも女人の中には、結婚しているかどうかというハードルがまずあり、次に子どもがいるかどうかという跳び箱がある。最後に定職があるかどうかマットの上で倒立前転する指示が出される。ハードルを倒しつつ、なんとか結婚することはできたけど、跳び箱も倒立前転も、もう無理だ。。。なんて考えるのがネガティブな人(笑)。あきまへんなー。時計台前の首切りアイランド、応援しましょうというメールが回ってきたりするんだけど、助けて欲しいのはわたしです。でもそういうことは灯台もと暗し。


03-04-2011 / Sunday

_ 子どもの耳の治療のことと、某国へ行くにも日本を引き払うにもお金がないから何もできないということを説明してあるので、わかってくれていると思っていたのだが、原発問題が地震津波よりも国際的な関心を高めるようになって以来、夫が帰ってこいと、日に何度も電話してくるようになった。心配していることはわかるけれど、海外ではそれほどまでに原発問題が大きく報道されているのか。夫の話しぶりでは、わたしは好きにしたらいいけど、子どもは安全な場所に移せというニュアンスも感じられ、普段はテレビニュースなど見ない義理の両親の後押しもあるようで、なかなか抜き差しならない状況になってきた。説明しても、「核は怖いぞ」なぞという。そういう話になっているのか。説明しても聞く耳持たぬ様子の夫の気持ちはほんとによくわかるのだけど。。

_ いろいろとにかく節約モードということで、数か月前に化粧水を使い切って以来、新しいのを買わないできた。去年の秋ごろにNHKの情報番組で化粧水は使わなくも大丈夫、その代り、しっかりと保湿するためにクリームを塗ったり乳液をたっぷり使えばよいということを知った。手持ちのクリームと乳液だけでも、乾燥厳しい冬を乗り切ったし、むしろ、ぱさぱさしなくなったから、かえってよかったのかもしれない。手持ちのものを使い切った今は、清水の舞台から飛び降りて買った無印料品のホホバオイル(714円)で、これを重宝している。何しろ一滴でよいから、まったく減らない。そして、リンスも買わなくしたので、その代りに洗髪後、髪に擦り込んでいる。意外にも、髪はふんわりするようになったし、絡みもしなくなった。手足にも擦り込むようになったら、ハンドクリームもいらなくなった。もともと、化粧関係に費やす支出は少なかったから、ここを節約してもあまり意味がないのだけど、へえ〜、なくても平気なんだなあという発見があったのはうれしいことでした。多分、もっといろいろ節約できるはずな気がしている。


03-04-2019 / Wednesday

_ やっと映画館で、遅まきながら、「ボヘミアン・ラプソディ」を見た。もちろん、タイトル曲も大好きだ。必死で歌詞を覚えた17歳のわたし。この歌詞にはいろいろな叡智、知識が詰まっている。しかしわたしがクイーンの中で一番好きなのは、ブライアン・メイが実際にはいない妹を夢見て?妄想して?作ったという「Sail Away Sweet Siter」。この歌にはサブタイトルがある。To the sister I never had。あはは、という感じである。でも大好き。とてもクイーンらしい歌だと思う。わたしの好きなのは他に、Good old fashioned lover boy、手を取り合って、Fat bottomed girls、Bicycle race。地獄へ道連れ、も好き。映画では、出ている人がみな、本人にそっくりというのがすごいと思った。クイーンのメンバーが激似であることもそうだが、フレディのパートナー氏の似ていることといったら。映画館で見たあとも、例のガジェットで何度も最後のライブのところだけ見た。いい音楽って、本当にずっとみんなの記憶に残るものなのだなあ。

最近のわたしの聞く音楽はというと、もっぱら銀杏Boyzである。なんで、なぜに、今?と、みなに笑われているのだが、なんど聞いても、胸が熱くなるのです(笑)。東京とかGoing Steady時代の曲とか、もう涙なしで聞けない。なぜなのだろうか。そこにはきっと、「永遠」があるからなのではないかと思う。クイーンの音楽と同じ「永遠」。それが胸を打つ。平成が終わろうとする今、たとえ新しい元号になろうとも、わたしは永遠的なものをずっと求めながらいくような気がしている。ラストシーンで、「見えた?」「何が?」「永遠が」というセリフで終わる映画があった。そんな感じだ。ずっとここにはない、過去にはあった、けれどこれからも未来のいつでもどこかにある永遠なるもの。そういうわけで、わたしは誰がなんと言おうと、「いだてん」を楽しんで見ている。足袋屋さんと峯田くんという稀有なショットを、永遠に放心してみていたかった。春にはいろいろな別れがあるから仕方がないのかもしれないが。アニエス・ヴァルダも亡くなった。でも記憶の中のカンフー・マスターは、今もこの映画、なんだ?!というクエスションマークとともに鮮やかに刻まれている。そういう永遠のかけらには、忘れてしまったものもたくさんある。ときどき思い出していかねば。


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