_ 『余白の愛』、読了。これはとてもよかった。いわば『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』だ。しんしんと、読後感に浸ることができる。『ホテル・アイリス』は、感想が少し難しい。もし初めて小川洋子を読む人がこの小説を選んだならば、「ああ、小川洋子ってこんな人なんだな」と思われてしまうことがあるかもしれない。多少、小川洋子を読んだことのある人ならば、「今回は少し冒険をしたのかもしれない」と思うかもしれない。ただし両者とも、器官としての身体に関する言及は依然としてある。
_ 橋の上から川を眺めると、水の色がもう秋色になっていた。来年はもうこの景色を見ることもないのだねと思うと、漫然と橋を往来してきた日々がもったいなくなってきた。川の水はいつもと同じに見えていつも違う。いつか別の川の水を眺めるようになることもあるかもしれない。川のある街に住みたいなあと思う。
_ 暑いな。雨が降ったりするけど、基本的に暑い。来週、引っ越し。引っ越しの1週間後に某国。めまぐるしく、時が移りゆく。静かな夜。
自分の寿命があらかじめわかっていたらどんなによいだろうと思う。そうしたら、がんばれる人だっているのだと思うし。わたしの場合は、あと何年とか何ヶ月とかわかっていても、だらだらと最後の最後まで、勝手なことをして過ごしそう。自分らしいと思う。いつ死ぬかわからないのにがんばれってか?デッドラインが見えるからこそ、というのもある。あるいは一瞬、一瞬、死ぬか。
_ 雪見 [小川洋子、読んだことないです。 寝袋さんのお勧めの3冊と、読む順番をぜひ おしえてください。]
_ ね [そうですねえ。1.薬指の標本、2.余白の愛、が私の好みです。 その後に平出隆の「猫の客」を読むというのが、秋の読書の..]
_ 雪見 [ありがとございます! すぐには読めないけど忘れないようにメモしました。 いつか読むぞ。]