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lost luggages ねぶくろ 書簡
--sleeping bag・g-ism/ist--

22-10-2003 / Wednesday

_ 本部での用事がすぐに済んだので、待ち合わせの友だち親子が今頃いるはずの、生協本屋に行ってものよかったのだが、雨が激しかったため、先にカフェテリアに入ってコーヒーを飲む。適度な混み具合と、学内ということもあって、とても落ち着く空間。どちらかというと、もっとひっそりとした空間で、できるだけ学校から離れてたところが好きな方だったのだが、ここなら、まずまず…ではないかと。来たのは二回目だが、自分の部署からは遠いので、知った顔に合うこともすくなく、気持ちよく過ごす。

待ち合わせの友だちもやってきて「ディナー 800円」を奮発。お皿が陶器なので、これをメラミン樹脂製のものに換えれば、結局は、生協とおなじなのかなー、という気がしないでもないけれど、雰囲気料というのものあるし。オードブルなんて、生協にはない。それと、アルコール類が豊富にある。学内だし、飲み過ぎると言うことはないだろう…いや、だからあるのかもしれない、とか余計なことを考える。一緒に来たちびちゃんは、多少緊張気味で、コーヒーについていたスティック砂糖を上げると喜んでいた。

_ ま、一月に一度くらいのペースにしておくのが、いつまでも(いつまでいるのだ)楽しく過ごせるかなという気がしたり。最初に来たときにいただいたパスタは、とてもおいしかったのだけど、昨日、臨席に陣取っていた若者4人連れのうち3名が注文していた「「ウニのなんとかスパゲティ」は残している人が多かった。おいしくなかったのか…とか思ったのだが、「残す」ということがそれほどに意味を持たなくなっているという傾向もあるし、どうなのだろう?

_ あれ。そっか、日記の日付がずれているのですな。

今日は家のパソコンで仕事を仕上げてから大学へ行く。途中でお昼を食べるつもりで、いつものお店に寄ったら、注文したものと違うのが来て、ちょっと憤慨するも、とても丁寧いお詫びしてくださったので、気持ちはよろしい。バス停に行こうとするとすごい人だかり。先週、雨天中止になったお祭りが今日に順延されていた模様。で、結局、歩いて学校へ。もう一度書類の訂正をして、最後のチェック。

_ 慢性的寝不足をいつどこで解消するかが、結構、深刻な問題ではある。

_ さてさて。明日で激動の1ヶ月は終わり。日常に戻って、早いトコ、なにもかもすませてしまいたいものである!


22-10-2005 / Saturday

_ 電車の中で小川洋子。たぶん、ブルーノ・ガンツかマルチェロ・マストロヤンニが男性役で、女性役は石田ゆり子もしくはウィノナ・ライダー。イザベラ・ロッセリーニでもよい。なんてことを想像しながら。少年役は「Au revoir, les enfants」の写真の男の子か、「鬼畜」の男の子(最後に「とうちゃんじゃないよー!」と叫ぶ子)、女の子は…いろいろたくさんいそうだな。監督はアンゲロプロスか、思い切って市川崑。林海象はあまりにぴったり過ぎるか…、などと考えつつ読む。

_ 博物館へ。きれいなものをたくさんみて、いわゆる心の洗濯。どちらかというと静寂とか安寧ではなく、パッションを得る。サブコンチネンタルに行きたいという旅心がかき立てられた。

おいしいものも食べる。たくさん歩く。直筆原稿を見る。熊野のサンマ寿司を食べる。美味。昨日は鯖寿司。こちらも美味。おいしかったなー。

母校(高校)近くの明治時代から続く老舗書店も、看板を下ろしていた。○×銀座という小さな商店街の入り口にあった木彫りの大看板は、どこへ行ったのだろうか。跡地には99円ショップがあった。全然、似合わない。明治以来の女学校だった母校の校舎は、多くの人々が保存することを嘆願して、かなりの規模の人々を動員したにもかかわらず、解体された。時計台の下にあった戦中の爆撃痕も、もう今はない。地方都市であっても、新しいものがどんどんとパズルを埋めていくように、古い地図を蚕食している。そんな風景をみながら、次にここを歩くときはなにが残っているだろうかとか、考える。記憶の修正作業は、これからもっと忙しくなるのだろうか。


22-10-2006 / Sunday

_ 絶対、あそことあそこはつながっているよなー、とか思うものな。でもまだ尻尾が掴めないもの。

スパイスをたくさん使ってカレー。クローブをほんの少しだけ入れると、おいしい。カレーにクローブを入れるというのは、昔、某所の大御殿に居候していたときに、教えてもらった。

来年度の非常勤、男子大学から継続打診の問い合わせ、女子大学からは音沙汰なし。女子大にはもう行きたくない。返事は当面、保留。どんなふうに4月以降を暮らしていくのか、まだわからんからなあ。

_ ひじょうに重要な会議は月曜日に変更されていた。

_ Chittagongの先生から、わたしにD論の指導をして欲しい、セミナーにも出席したいという問い合わせが、CV付きで送られてきていた。が、まったくこの方のことを知らないし、25歳で助教授というのはなんとなく悔しいし(苦)、捨ててしまっていいかなと思うのだけど、宛名が完璧にわたしのものになっている。過去にお会いした記憶ゼロ。宛名は別に間違っていない。嘘メールとかそんなのでもないような気がするのだけど、どうしたものか。というか、わたしに指導する資格がないことくらい、ちょっと調べりゃわかるわけでもある。ということは無視してよろしいというになろう。最近、この手の不思議メールが多い。あと日本に留学したい人が、なぜかプロポーザルのチェックをして欲しいと、次々にファイルを送ってくる。無料で添削サービスをしてくれる人とかいう情報が回っているのだろうか。

_ 最近、急速に学問的に話をする機会が多くなって、唯一、わたしが積極的に携帯電話の番号を教えてしまった某さん、やー、ほんとに頭がいいなあ。ただ一方的に聡明というのではなく、わたしがほんとは一体何を考えているのかということを、どんどんと引き出してくれる人だ。ご夫婦ともに聡明。研究者夫婦って、こんな感じにつねにお互いを刺激しあって、知的な生活を楽しんでおられるのだろうか。だとしたら、今まで研究者とだけは結婚すまいと思っていたが、軌道修正してみてもよいのかもしれない。もっとも、なんだか楽しそうだなあなどと軽佻浮薄に思ってしまうわたしには、そのような日々が訪れることがないことは、確かであろう。

_ 桐野夏生「グロテスク」。こういう小説、もう読むのがしんどくなってきた。一番嫌いなのは、ユリコの姉。この人、なんて名前なのだ。「ユリコの姉」だけでいいのか。そういえば、出張の最後のほう、ドライバーさんとおしゃべりしていたときに、夫は妻のことをなんと呼ぶのかという話になったことがあった。子どもができるまでは、それこそ「妹」だの「ベイビー」だのに類した表現で呼ぶとのこと。「おみつ」とか「おせん」とか、直接に名前を呼びかけることはあまりないのだそうだ。妻は夫を「兄上」とか「おにいちゃん」と呼ぶ。やはり名前を呼びかけることはない。子どもが生まれると、子どもの名前+お母ちゃん、とかお父ちゃん、などと呼ばれる。これは日本でもとてもよくあることなので、別に驚かないわけであるが、名前は記号じゃのう、と深く納得するわけであった。ところがこういった背景に暮らす人にとって、わたしのように社会のどこにも属していない人をどのように呼ぶかは、実は問題のようでもあった。名字で呼ぶべきか、名前で呼ぶべきか。ドクターをつけるべきなのか、まだ大学にポジションはないのだから、ミスでええやろか、いや結婚していないけど、結婚していて当然の年齢なのだから、ミセスくらいに呼んであげてもよいだろうか、いやいやまてよ、それもかわいそうだから、おねえさん、あたりにしておいてやろうか。。という煩悶が見て取れるので、「名前だけでOK」ということにしているのだが、それもまた落ち着かないよう。社会的にどこに属する人なのかがわからないから、わたしのことを第三者に紹介ないしはうわさ話をする際に、困るのだそうである。そんな話を渋滞の中で、延々としていた。「ユリコの姉」という存在に対するわたしの不快感というのは、自分も居場所のない無名の人であることと関係しているのかもしれないにゃ。


22-10-2009 / Thursday

_ 無事に3日間のシンポジウム終わって、充実。楽しいシンポでした。最終日は、ちょっとえらい人がたくさん登場。みなさん現地語で報告。しかし全員、こちらの喜劇役者も顔負けのギャグやら冗談やら皮肉やらをふんだんにちりばめた話術で、会場はそれまでの二日間の辛気臭い雰囲気を払拭して、楽しい感じになった。初日の心理学の人の発表もとても楽しかったのだが、おなじセッションの人が全員、辛気臭いひとたちばかり—いや、まじめな人たちというべきですね。。—だったので、いまいち、参加者も反応に戸惑う部分があった。

そういえば、参加者の5人に一人は、ネットブックないしはラップトップを持参していた。もちろん場内はワイヤレスな空間。そしてほぼ全員、顔ブックを見ていた。わたしは顔ブックとかつぶやき帖とか全然、知らないのだけど、ほとんどの人が全員、おなじ画面を見ているからついつい覗き込んだら、そのようなページだとわかった。顔ブックは、某国の人々のまさに麻薬的な勢いで魅了しているようで、よるとさわると、みなその話ばかりしている。そして初めて会った人はもれなく、「顔ブック、お持ちですか」とか「顔ブック、やってる?」と聞いてきます。携帯電話がインターネットにつながっていないわたしは、某国でも日本でも化石時代を生きており、まったく話題についていけない。でもとくに困ることもない(と本人だけが思っているのでしょうね、きっと)のである。

一人だけいた招待スピーカーの日本人の先生に挨拶して、また歩いて帰った。これで三日間とも健康的に歩いて帰る。途中、下宿の近くのホテルによって、プールの説明などを聞く。実はこないだ本来の本拠地で、マタニティ水着を買ったのである。といっても日本みたいなツーピース型の妊婦妊婦していないデザインのものはなくて、強烈な花紺の、ワンピース水着。泳いでいる人は全員西洋人で、体型のことなど気にしないでよいから、さっそく夕方にでも泳ぎに行こうと考えている次第。朝は午前6時からあいているとのこと。夕方は人も多そうだから、明日でもよいかな。。

ところで、本来の本拠地の大学で、高村薫の「レディ・ジョーカー」を借りてきた。何年も前に読了したんだけど、いやー、夢中になって読んでしまいました。麻薬的な魅力がありますね。で、意味もなく、インターネットでグリコの事件をいろいろ読み直してみたりして、随分、無駄?かもしれない時間を過ごしてしまいました。

今日のシンポの間中、ミジンコさんはえらく元気に暴れまわっておりました。この人は、①おじさんジョークに反応していた、②アカデミアにさっそく親近感を持っている、③退屈だから、はよ家に帰ろうと訴えていた、のどれを主張していたのでしょうか。わたしがインターネットの前にいるときは、ちっとも動かない。


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