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  1. ね (09-20)
  2. ラギ (09-20)
  3. 雪見 (09-16)
lost luggages ねぶくろ 書簡
--sleeping bag・g-ism/ist--

01-09-2004 / Wednesday [長年日記]

_ 二百十日。

『二十四の瞳』を思い出す。

_ というわけで、発作的におうどんが食べたくなった。むろん、おいしいのに限る。きつねうどんがやっぱりすき。あとはあんかけうどんも好き。おろししょうががぴりっときいているのが食べたいなあ。

朝、起きたらなんともう10時前だった。まったく頭はぼけており、慌てて、シャワーを被った。今、朝ご飯を食べるとお昼が食べられないし、かといってなんにも食べないのは主義に反すると思い、イチジクのヨーグルトかけとミルクティー。のんびり支度をして、ちょうど時分時に学校近くのカフェ。ひじょうに上品な量しかなかったので、食べながらおなかがどんどんすいていく。というわけで、ご飯を食べたあとにも関わらず、おなかが減っている私です。なんか食べたいなあ。


02-09-2004 / Thursday [長年日記]

_ ピンタックとか、プリーツとか、コール天とか、そういう扱いづらい素材とかデザインって、それゆえになのか、素敵に見えるんだなあ。タンスの整理をしていてつくづく思う。そして、(実はあんまり似合わないのだよね)ともひっそり思う。

_ 虫の声。

_ OSのアップデートをしないといけないんだろうなと思って、今朝からずっとしていたんだけど、悉く失敗。あれー、パソコンがおかしくなったのかなあと思い、デフラグまでしちゃったよ。で、いよいよまずはもう一回OSを入れ替えしてみようかなどと血迷い始めた矢先、ITさんから連絡が来て、「絶対にアップデートしちゃだめです」とのこと。胸をなで下ろしたと同時に、よいITさんがいて、助かったなー、と思った。

_ ミネット・ウォルターズの新刊は、ちょっと唸ってしまう。一歩間違えたら、ストーカーという心意気の主人公。でも、本気になって何かについて、あるいは誰かについて調べようと思ったら、なんでもできるんだなあ、雨滴のごとく、なにごともひたすらに続けることが大事なのかも知れない。インターネットを駆使するとかだけではない。人海戦術、である。そういう意味では、私の学業なども似たような性質がある。いや、研究ってそういうものなのかもしれないしね。一筋縄ではいかない人びとが多いなあと思ったけど、理想主義は自分の弱点なんだなと思うこの頃、もっと現実を直視していかないといけないなと思った次第。

_ 2.1÷0.7=?

という算数の問題について、ただ答えを出すのではなく、解き方に関して、小数の認識のしかたについても、小学5年生たちがものすごく論理的に考えている様子を、NHKで観る。すごいなー。もう数学ときたら、全然だめだったので感動してしまった。論理的に考えるという習慣を、子ども時代から養う必要があるんだなということを痛感する。私はほとんど直感で生きてきたので、今、とっても苦労している。論理だけじゃだめだと思うけど、直感だけで生きているよりかはましだろうなー。


03-09-2004 / Friday [長年日記]

_ 今年はめずらしく、久しぶりに朝顔の種を蒔いた。景気よく芽が出て蔓が伸び、すくすくと育った朝顔は、私の留守の間にもどんどんと花を咲かせていたらしい。モーニング・グローリーだ。ところでなぜ朝顔を育てることにしたのかというと、花を愛でるというのが実は二番手の理由で、最大の目的は種を採るということにあった。オシロイバナやホウセンカの種を採るのもとても楽しい。ヒマワリやコスモスももちろんのことだ。しかし、朝顔の種というのは、基本中の基本、これぞ採集狩猟のような気がなぜかしていて、それが楽しみで蒔いたのであった。ところが、私が植えた朝顔の株からは、どんどんと花が咲くのに、なぜか結実したものがぜんぜんないのである。種なし朝顔なのだろうか?花が咲いたあとは、そのまま枯れてしまっている。最初に花が咲いてから2ヶ月近くになる。種の収穫がぜんぜんできないなんて、なんだか寂しすぎる。実りの秋が来たのに、収穫祭ができないじゃないか…と、ちょっと落ち込んでいるのでありました。

_ 明け方、肌寒い。長袖を着ていこうかなあとか思ったけど、日中は残暑が厳しいとのことだったので、半袖BDシャツ。しかし、電車の中ではすでに秋の装いの女子のみなさんである。ダークオリーブなトレンチコートの人もいたし、ベロアのフレアスカートの人もいた。夏真っ盛りな薄い色系の服装をした人も少なく、みなさん長袖の薄物を羽織っている模様。秋って一番おしゃれしやすい季節だから、みなさん実際の気温など気にしてられないのである。私も女子らしい装いを心がけてみたいけど、やっぱり昼間はまだ暑いです。

_ 今日からまた別の作業突入。こつこつ、いこう。


04-09-2004 / Saturday [長年日記]

_ ところで『ジェイン・オースティンの手紙』です。これはほんとにおもしろい!小説の数倍おもしろい。日々のどうでもよいことがごたごたと書かれていて、一見、雑駁な印象をうけるのだけども、細やかな気持ちの動きをそれとなく覆い隠してしまうような繊細さももちろん伺える。しかし、それ以上に溢れるユーモアが愉快、饒舌、くだらない洒落が好きな人だったんだなあ。友だちになりたい作家ナンバー・ワンだ。なんてことを考えながら読み進めている。久しぶりに、読み終えるのがおしくなる本に出会った気分。お料理もおいしそう。洋服のことと、身近な人たちのゴシップのことしか書かれていないといって過言ではないのだが、そういうのが後生の人たちにはおもしろいのだ。羊を食べている回数が多いこと、魚がロブスター以外ほとんど出てこないことに注目しています。ロブスターは保養先のバースで食べていた。あと絹の靴下です!どんなのかぜひとも見てみたいし、手触りを確かめてみたいと思った。

_ 本読んだり、音楽聴いたり。残暑が厳しいのをやり過ごす。音楽は、実は夏前からずっと、空気公団のCDが入ったまま。こんなこともめずらしい。ステレオでは聴けないDVD入り? Pet Sounds /the beach boys をときどきパソコンで聴くけど、これも5月以来聴いていないような気がする。昨日、生協でエレコムさんの「木のスピーカーシリーズ」を見て以来、音楽を聴くという行為が再燃焼し始めている予兆。これ、なんとなくいいんですよね。

とかいいつつ、やっぱり今日も空気公団なんだけど。

_ 岩波文庫の『ジェイン・オースティンの手紙』を読書中。とてもおもしろい!翻訳がとても素晴らしいからというのもあるだろうけど、彼女の小説を読んでいるよりも面白いんじゃないかとさえ思うくらいだ。旅行、手紙、日々の出来事、舞踏会、病気、お料理、家族のあれこれ、近所の人のあれこれ。当時の手紙は、今のメールに相当するのだろう。姉に宛てた手紙の頻度に驚かされる。ジェーンの没後、姉のキャサンドラが「検閲」をしたものだけが現存するらしいが、検閲をくぐり抜けたものでさえ、これほどに面白いのだから、くぐり抜けられなかったものやいかにと想像が刺激される。

メールは手紙の比ではないくらいに、簡単にたくさんのことを書き残すことができるけど、自分と相手との間にだけ存在するようなもので、なかなか第三者の目には触れられない。書簡文学というジャンルがあるのかもしれないけど、これからはどんな形でそれが残されていくのだろうかと考えたりした。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

_ 雪見 [ああ、そうだ! メールばかりのやりとりになると、当然それが後世 発表されにくくなりますよね。 鋭いです! 後世、自分..]

_  [手紙とメールの最大の違いは、引用文があるかどうかみたいですねえ。 オースティンによれば、前にもらった手紙について話す..]


05-09-2004 / Sunday [長年日記]

_ 地震、怖かったー。

_ オースティンと私の共通点:文字が横に広がることを苦にしていること。

私の文字は、日本語で書いていても判読不可能なことが多いらしいので、もっと豆文字の練習に励まねばなるまい(違)。細書きのペンじゃないとだめかも。私は太書きペンが好きなので、まずはそのあたりから改善する必要があるのじゃろう。と、一冊、おもしろい本を読むと、あれこれと触発されて、いろんなことを考えていくものである。

_ 郵便という文化は今や、少なくとも日本においては限りなく後退気味であることは間違いない。私個人は、記念切手買うのが好きだし、結構、手紙書くの好きなのですが。ジェイン・オースティンの時代には、下記の前掲書によれば、受取人が手紙の枚数分に応じて郵便代を支払ったという。しかし手紙の運搬代はなにか国王の援助などがあったのだろうか?そのあたり、不明。

文面の書き方にも細心の注意が払われた模様。つまり、無意味な余白をできるだけ作らないこと、である。行間然り、文字スペース然り。さらには、今書いたレターパッドを90°(あるいは270°)回転させて、そこにさらに行を走らせるということもしたらしい。確かに、BBCの『高慢と偏見』の中で、送られる手紙は封筒に入れられるのではなく、三つ折りくらいにされた書面の一番最後のページを封蝋で閉じて、そこに宛先が書かれていた。ミスター・ダーシーがエリザベスに宛てた手紙の文字の豆さ加減を思い出す。あのような年収1万ポンドの御仁でも、手紙の文字は小さく書くものだったのだろうか。

定額の切手を払って郵便を出すようになったのは、ヴィクトリア時代のこと。森薫の『エマ』では、切手の手紙を受け取っているのであった。うじゃうじゃとしてい

る間に、手紙、読了。楽しかった。

_ 検索をしていて、思いがけないことを発見し、問い合わせてみたら、まったくそのとおりで、へえーと驚いた。しかしまあ、今の世の中は、なんでもすぐにいながらにしてわかるんだなあー。人生もそろそろ半ばに到達しようとしている(昨今の平均寿命的には、まだまだ半分どころかうんざりするくらい先行きがありそうだが)。なんか別の、ぜんぜんちゃうことに着手してみたい気持ちが沸き起こってきている。わりと気楽に。なんだかんだいって、とりあえず目標にしていた学位だって手に入れたんだから、もうなんの気兼ねもなく、自由に、私の好きなことをやるんだい!と、この数ヶ月間の科研関連のもろもろで忙殺されたこと、泣かされたことを振り返りつつ、改めて、ポジティブに次の世界へ飛び出して行こう的気分になる。実際には、不安なんですけどね。来年はまったくのみなしごハッチになるわけだから、今のうちせいぜい、希望に燃えておこう。来年からはじっと手の平をみる毎日になる。非公式には非常勤の継続が打診されているので、これが終わったら、巣箱から飛び出す鳩になる。


06-09-2004 / Monday [長年日記]

_ 誰それさんも都合が悪く、誰それさんも忙しいらしく、誰それさんもだめなので、お願いできますか?という話が回ってきた。実はもう何ヶ月も前から、「ぼくはあなたに頼みたいと思っているんだけど、あの人は『それは絶対にだめ!』っていうんだけど、なんかあったの?」と言われるようなことがあった件。別に不和があったわけでもなく、現にいつも一緒に仕事をしている。でも知らない間に私が失礼を働いていることもあるかもしれないし…、いやでもそうだったら知らせてくれないという方がもっとやな感じだなあ…とか思っていた件だ。もちろん、お仕事はお引き受けしたけど、なんかもやもやが残った。もう気にしないけど。人にはいろんな理由があると思うので、騒ぎ立てる気にもならない。ちょっと傷つけられたような気持ちになったりするだけだもん。たいしたことではないと思われているのであれば、そういう振りをしていればよい話である。


07-09-2004 / Tuesday [長年日記]

_ そうそう、たまたま丸善に入ったら、村上春樹の新刊があったので、買いました。まだ読んでいない。装訂:和田誠、というところと、精興社じゃない、というところだけ確認。今日、お昼に友だちとビョークの「イン・ザ・ダーク」の話をしたところだったので、なぜか妙な先入観にとらわれている。村上春樹は「アフターダーク」。

_ 正午過ぎに「帰ってください」という伝令が発せられたのだけど、おしゃべりしたり、コーヒー飲んだり、コピーしたり、片付けたり、報告したりで忙しかったので、部屋を出たのはまだお天気もよいぎりぎりな時だった。それが、電車に乗っている間にたいへんなことになる。徐行運転はすぐに解除されたけど、もう窓の外に迫り来る風の音が聞こえてくるような感じ。駅前はほとんどのお店が早じまいしていて、閑散としている。家についてほどなく、暴風。南側の窓をほんの数センチ開けただけで、飾り棚のオイルランプが倒れた。海では船が座礁したり、転覆したり、相当、被害が出ている模様。心配。

_ お知らせ:むかーしっから使っているフリーメールのアドレスが使えなくなりました:原因は、パスワードがリセットされて、思い出せないことによる。前世紀?に取得したアドレスなので、もう思い出せないし、どこにパスワードを仕舞ってあるのかも思い出せない。。好きなアドレスなだけに、なんか寂しいな。

_ めずらしく、夜中の更新。

久々に会話を楽しむ。というより、漫談やなあ。どちらもお酒を飲んでいない素面で、延々とどうでもよいことで語り合う。この頃、口数の少ない私としては(ちっきしょー、都合のよい時だけお金を巻き上げやがってという恨みが若干、込められています=幹事に対して)、めずらしくたくさん話した。ただ、やはり、聞く方が面白い。あと、女の子と話す方が面白い。いや、それよりももっと面白いのは、女の子みたいな男の子と話すことだねえとわかりました。しかしオンナの人と話すのは、なかなか肝っ玉勝負な局面があり、ちょっと恐ろしかった。オンナの人は捨て身だからなあ(ジェンダーバイアス発言)。そういう意味で、自分がいかにおじさん化しているかわかった。捨て身になりきれないところとか。あと、計算(1+1とかじゃない計算)が下手なところとか。暗算は、今日も一番だったが。

_ お昼ご飯はひとりでのんびりランチ。チキンのローズマリー・ソテーとかいうの。南瓜のポタージュと。そういえば、パスタ・ランチを頼んだ人が、「パンではなく、ライスで」と注文しているのをみた。それはおいしいのだろうか?どうやってライスを食すのか、絶対、観察しようと思いつつ、おいしいコーヒーが運ばれてきてうっとりしてしまい、脇目もふらずに瞑想に耽った。よって、見過ごす。これはビーフストロガノフを頼んで、「ライスをお願いします」と頼んだことのある私並にすごいことではなかったかと思うのだがどうだろう。

昔、吉本の若手の人が王将に行くとかならず、炒飯をおかずに白ごはんを食べるというのを読んだことがあったけど、それもなかなかリアル。


08-09-2004 / Wednesday [長年日記]

_ 遠い方の生協への道程にある雑貨屋にはねこがたくさんいる。飼っているのか住み着いているのかとにかくよくわからないくらいに、そのお店の周りにはねこがたくさんいるのだ。全員、ぶーたれた顔つきをしているので、揃っているとなかなか面白い光景である。ときどきにゃーと泣いてみると、ちゃんとにゃーと返してくれる。ねこ熱が突発的にやってくるのだが、今、そんな感じだ。しかるに、今日もちょっと立ち止まってあいさつをした。犬は、橋のたもとのゴロー(仮称)がお気に入りだ。愛想のない犬である。それなのに、とても偉そうなところが悲哀を感じさせるので、注目している。どんなふうに偉そうなのかというと、パラソルの下に置いたテーブルの上に毛布を何枚も敷き詰めて鎮座しているのである。愛想がないくせに、近寄るとものすごく吠える。ゴローのそばには、つい最近までどら猫のドラム缶くん(仮称)も出没する。近隣では有名なぶた猫。嘘のように太っているので、犬かねこかは瞬時に判別できないくらい。この頃、見かけないので病気になったんじゃないかとちょっと心配。

_ はじめに書いておくと、野球は全然好きではない。何度かプロ野球の試合を見に行ったこともあるし、有名な選手のサインももらったことはあるが、それは成り行き上の出来事であって、自発的に野球に関わる行為を成したことはない。但し、イチローと野茂さんの動向は気になる。一運動選手としてすごいなと思うので、彼らの活躍が気になるのである。彼らが属している球団のことはほとんどなにも知らない。無責任かつ利己的な観客に過ぎないのである。

近鉄とオリックスの球団合併に端を発する一連の日本の野球のごたごたには、ほとんど関心はない。唯一、関心があるのは、組織をまとめていく役割を十分に果たしていると思われる古田氏の発言内容だけである。眼鏡をかけた日本初のキャッチャーでもある。かれも野茂くんたちも、パイオニアだなと思うので、気になる。しかし野球というスポーツ(なのか知らんが)には、とことん関心がない。日本とアメリカと、それらの周辺国だけで排他的に発達したスポーツであり、つねに汚職だとか八百長だとかが取りざたされ、毎年、新人のスカウトには多額の裏金が使われ、年俸は天井知らずのスポーツだというのが、私の野球に対する認識である。だから一リーグ制になろうが、どこがどこと合併しようが、ほとんど関心がない。

しかし、ストを決行するのは、とてもよいことだと思っていた。労働者と雇用者との関係、権力の行使者と被支配者という図式で見れば、実に真っ当な行為だし、どんどんやるべきだと思った。今朝のニュースによれば、いろいろな展開もあって、ストは回避される可能性が高いという。しかし、誰が本当に野球をしているのか、ということを明らかにするためにも、もっと球団運営側とぶつかってもいいんじゃないのだろうか。プロ野球は今年70周年を迎えたらしいが、今みたいな体質を変えるとしたら、この機会しかないように思う。

今日の駅売りの新聞の見出しがほとんど「スト回避?」とかだったので、たまにはあまり関心のない時事問題?について述べてみましたが、あまり鋭くない。


09-09-2004 / Thursday [長年日記]

_ いろいろあって、話し込む。回り道をしてきた人が私の周りには多い。これからも研究上(私が続けるとしてですが)、関わっていくことになる人なので、すぐに管理人をしているメーリングリストに追加手続して、紹介する。頭がいい人だとは思っていたが、宜なるかな、であった。世の中、狭い。

_ 重陽。

誰の誕生日だったっけ。

_ 朝、早めに目が覚めたので、今日の打合せに使う資料を準備しようと机に重ねていた書類を引っ張り出したら、『ビールと古本のプラハ』(千野栄一)が出てきた。寝転がって読む。ふつふつと、もう一度行きたいなと思う。秋の風景も美しいのだろう。大韓航空はプラハ直行便を出しているらしい。しかしプラハには電車で入ってみたいという気持ちがあるので、まあもう少し、考えてみよう。


10-09-2004 / Friday [長年日記]

_ そういえば、遠い昔、日活ロマンポルノを何本か観に行ったことがあった。もちろん、リバイバルである。『赫い髪の女』など、脚本:中上健次(原作も)、音楽:憂歌団、そして監督が神代辰巳である。この映画、結構、面白かったような気がする。あと通天閣とニワトリが出てくる映画。一条さゆりも2本みた。

一緒に観に行ったのは、全部、女子の友人。おもしろいと思ったのは、ぼかしが全然なかったことと、女優さんたちが(実際にはどうだったかは別として)少なくとも私の目には、とても元気よく(意地悪役の人でさえ)、楽しそうに見えたことであった。ぼかしが全然ないというのはこれは実はすごいことで、全部、「芸術的角度」から撮影するのである。だからとても不自然な自然なのである。。観客もほとんどふらっとやってきた女性の1人客か、私たちのようにたまには趣向を凝らして…という人びとばかりだった。映画館も普段はコンサートをやっていたり、自主制作系映画をやっているところだったので、怖いような場所ではなかった。『ピノキオ√367(だったか?)』とか、『鉄男』なんぞもそこで観た。『三月のライオン(四月だったかも)』も観た。。。

ということを、だらだらと思い出しました。映画の内容はどれも部分しか覚えていない。

_ 今日も誰かの誕生日だったような気がする。。

_ 涼しいような、蒸し暑いようなお天気で、空調を切ったり入れたり。また院生さんと立ち話。なんかあんまり深刻な話でない振りをしているけど、それは深刻だなあと思われる話で、「とんとん拍子で来た人にはわかりませんよね」と言われる。そうですね、と答える。

人にはいろいろな苦労があるし、そんなふうに言ってしまいたくなる気持ちもとてもよくわかる。自分だって、未だにそんなふうに人に言ってしまいたい気持ちになったりもするし。受け皿になったり、そこになだれ込むものになったり、いろんな作用反作用があるなあということをしみじみと思ったりした。

_ タンスにたたんでしまっていた八枚はぎの秋物スカート、アイロンをかけてからはくべきであった。畳み皺が今頃、気になっている。

_ さて、がんばろう。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

_ ラギ [回り道ってなんなんでしょうねえ。とんとん拍子ってなんなんでしょうねえ・・・。]

_  [人の気持ちって、その時々で変わりますしね。 回り道がどうってことないときもあれば、近道でしんどい思いをすることもある..]


11-09-2004 / Saturday [長年日記]

_ 『アフターダーク』を読んだ後に、『その名にちなんで』(ジュンパ・ラヒリ)を読了。これはすごい小説、ジュンパ・ラヒリ。どちらかというと淡々と話は進むのだけど、登場人物がだれもひじょうにしっかりと書き込まれているので、読んでいる途中で頭の中にずっと場面が再現されていくような上質の小説だった。何処かへ移り住むことは、長い間、私の関心でもあり憧れでもある。いつかどこか別の場所に移り住むことがあるとして、その時、自分はどんなふうに自分の生まれ育ってきた環境を思うのだろうか。それは日本としてなのか、自分の住んできた街としてなのか、家族というものなのかわからない。自分だったらどうだろうかということを考えながら、一気に読み終えた。

中身には言及しないけど、村上春樹はビジュアルに思いつく材料がたくさんたくさん出てくる。ガラスを一枚隔てた向こうの出来事という感覚は、確かに映画の脚本のような文体が成功しているからこそ得られるものなのかもしれない。そういう意味では、よく出来た小説かもしれない。しかしどことなく、どんどんと村上春樹の小説がおもしろくなくなってきたような気持ちがする。これはあくまでも、自分内の感想なので、ひょっとすると素晴らしい小説なのかもしれないけども、そんなことを思いました。

次はシルヴィア・プラスの『ベル・ジャー』。

_ 3年経った。

私は3年前の昨日、帰国した。

_ 昨日、ちょっと久々にホームページビルダーを開けてみたら、見慣れない画面で、戸惑った。をを、そういえば、春先に新しいバーションをインストールしたんだっけと思い出す。そういうわけで、そろそろ衣替えでもしようかなと思ったりした。

_ 昨日、お昼ご飯を食べに行くときに、ドラム缶くん(仮称)がいつもうろうろしているあたりの電信柱に、「のらねこにエサをあげないでください」という立派な貼り紙がしてあった。そのあたりでのらねこといえば、ドラム缶くん(仮称)しかいないので、彼のことなのだろう。飲食街がほそぼそとあるあたりなので、かれはそこで大きくなったのかも知れない。はじめてドラム缶くん(仮称)を見たとき、フィラリアに罹った犬かなと思ったのだけど、ねこもフィラリアになるのだろうか。近くの教会の人がときどき構っているみたいなので、大丈夫だとは思うのだけど、貼り紙が出現した理由を考えると、いろいろあるのかもしれない。

_ 『ゴスフォード・パーク』は実はもう何度も繰り返し見た。気になるのは髪型、ツイードの服。『ビクトリア朝のキッチン』という本を読み終えたところなので、もう一度、本を片手にDVDを観よう。


12-09-2004 / Sunday [長年日記]

_ 『猫の客』平出隆(河出書房新社)。

自分のねこは飼っていないけど、餌付け猫の友だちがいたり、遊びにくる猫をかわいがっている人にはたまらない本。むかし某国で餌付け猫にしていたきなこを思い出した。おなかが減ると私の部屋まで階段を上がってやってくるくらいだったのに、あんまり抱かせてくれなかった。そしていつの間にか静かに消えてしまったねこ。

ねこをめぐる近所の人びととのつきあいやなくなってしまった庭園の風景などが、幻灯機を回すように浮かび上がってくる。ねこが来ないのをどうしたのかと思いつつ、新しい小鰺を用意しながら待っている夫婦が切ない。

_ ジュンパ・ラヒリのことをもう少しだけ書いておこう。

何かものすごいことが起こるわけではなく、どちらかというと目には見えないけど、大きな自然の流れ、敢えて書くと「運命」のようなものが足下の地中深いところにどっしりと流れているのかもしれないなあと思った。それは「運命」には逆らえないということではない。その流れはちょっと踏み外した程度では、決して「踏み外した」などとはいえない程に深く、幅があるのである。向こう岸などあるかどうかわからないくらいに幅広いのである。だからそんな川が流れているなど思うことなどないのである。しかし、なぜか川は静かに流れている。そして人は、その流れに時には流されているように見えて、案外、自分でも足をばたつかせてみたり、流れを横切ろうとしてみたりする、そんな感じがする。要するに、とても当たり前のことを、ひじょうに丁寧に書いている小説だと思うのだ。

私もどちらかといえば自分の名前が嫌いなので(両親の期待を背負っているわけではないのだが、他人からみればそう見える名前、しかし実は名付けの由来は私の誕生日にある、しかしそんなん、いちいち説明してられへんわな)、ゴーゴリ・ガングリーという名の主人公が、ニコライ・ゴーゴリーにちなんだ名前について、実際の自分とはなんの関連性も相似点もないにもかかわらず、「こんな人生を過ごした人と同じ名前なんて」と思う気持ちはよくわかる。

あと、一人称の小説に読み飽きた人は、とても満足すると思う。よくもまあこれだけいろいろな視点から書いていながら、ひとつにまとめられたものだとひじょうに感心した。とても完成度の高い小説だ。


13-09-2004 / Monday [長年日記]

_ 今日の「英語でしゃべらないと」(NHK)にはなんと、あのポール・ウェラーが出る。ポール・ウェラーだ。画面で見るだけなのだが、緊張する。ポール・ウェラー。


15-09-2004 / Wednesday [長年日記]

_ なんでフランツ・カフカなのかは、われながら不明。

_ 帰り、『余白の愛』『ホテル・アイリス』『刺繍する少女』(全部、小川洋子)。

ようするに官能的なんだろうな。アダルト・ビデオにはなりえないけど、日活映画にはなるというひじょうに高度な官能なのではないかと思う。で問題は、何故今、私的小川洋子ブームが訪れているのか、である。何故に、官能などと口走ったりするのだろうか。それはひとえに、秋だから、ということにしておこう。そして、「薬指の標本」はフランスで映画化されたそうだ。日本でも公開されるだろうから、ぜひ観に行きたい。音楽で言えば、おとなしいケイト・ブッシュ、という感じだ。もう少し低音の。あるいは大貫妙子。

_ 子どもを持つ親が、他人の子どもを殺すということ。生き残った子どもたちにどのような影響を与えるのだろうか。たまらないなあ。

こんなに早く刑が執行されるとは思わなかった。思う壷としかいいようがないように思う。謝罪のことばを待っていた遺族にとっても、無念さが募る一方のような気がする。殺してしまえばそれで終わる、死んでしまえばそれで終わる、と考えているのかもしれないが、罰するということは、それでは終わらないということを教えるためのものでないといけないのではないか。

_ 自分の中では密かに小川洋子がブームになっている。立て続けに2冊。中でも、『薬指の標本』がとてもよかった。中編が2本、所収されているが、どちらも素晴らしかった。

思うに、この人は女・村上春樹ではなかろうかと。そんなむちゃくちゃな…という設定、話の流れが、この人の手にかかるとそれはそうとしかなりようのない事実として納得させられてしまうのである。村上春樹といっても、その初期の頃、である。せいぜい、ダンスまでの村上春樹。

医大病院で秘書をしていたことがあるという経験が、あちらこちらにちりばめられていて、ものすごく「ボディ・コンシャス」な小説が多いような気がする。肉体としての身体というよりも、物質としての身体、「精神的に存在する」身体、というかんじで。

小川洋子のあとにフランツ・カフカを読むといいのかもしれないなと思った。読書の秋は、残暑厳しい中で密かに進行中。ほかにやらんならんことがあるっちゅうことは、この際、適度にごまかす。


16-09-2004 / Thursday [長年日記]

_ 『余白の愛』、読了。これはとてもよかった。いわば『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』だ。しんしんと、読後感に浸ることができる。『ホテル・アイリス』は、感想が少し難しい。もし初めて小川洋子を読む人がこの小説を選んだならば、「ああ、小川洋子ってこんな人なんだな」と思われてしまうことがあるかもしれない。多少、小川洋子を読んだことのある人ならば、「今回は少し冒険をしたのかもしれない」と思うかもしれない。ただし両者とも、器官としての身体に関する言及は依然としてある。

_ 橋の上から川を眺めると、水の色がもう秋色になっていた。来年はもうこの景色を見ることもないのだねと思うと、漫然と橋を往来してきた日々がもったいなくなってきた。川の水はいつもと同じに見えていつも違う。いつか別の川の水を眺めるようになることもあるかもしれない。川のある街に住みたいなあと思う。

本日のツッコミ(全3件) [ツッコミを入れる]

_ 雪見 [小川洋子、読んだことないです。 寝袋さんのお勧めの3冊と、読む順番をぜひ おしえてください。]

_  [そうですねえ。1.薬指の標本、2.余白の愛、が私の好みです。 その後に平出隆の「猫の客」を読むというのが、秋の読書の..]

_ 雪見 [ありがとございます! すぐには読めないけど忘れないようにメモしました。 いつか読むぞ。]


17-09-2004 / Friday [長年日記]

_ 書き物、進まなくて、昼寝に逃避してしまった。書きたいという意欲はあれど、筆が進まぬ。やっとやる気になって、小型の外付けハードディスクをくっつける。ところが、大学のノートパソコンだと、電源なしでも使えたのに、家のデスクトップだと、認識してくれなくて、泣く。こんなこともあろうかと、いつもUSBメモリにも同期を取っていたのが役立った。ファイル開いて、なんとか。週末にかかっている。

_ おやつに梨。やっぱり二十世紀が好き。

_ 論文完成まで髪は切らないことにする。


19-09-2004 / Sunday [長年日記]

_ まだ投稿してない部分を投稿すべく、いわゆる「加筆修正」しているんだけど、なんかもうへなちゃこ論文度合いが否が応でも突きつけられちゃって、どんどん意気消沈、減速しつつある。しかしやらないと学位剥奪されるのだから(って一応、規則ではなっているみたいだが、そんなのされた人はいないとのこと)。

学位剥奪、って文字にするととても恐ろしいことばだ。ますます追い込まれそうで、よいかもしれない。


20-09-2004 / Monday [長年日記]

_ さて今日もほとんど進まず。

_ A語を読むためにまずA-B辞書を開いて、それからB-和辞書を見ている。ふと思いついて、B-英辞書がオンラインであるかもと調べてみたら、あった。そりゃ、あるわな。。今まで思いつかなかった私があほなのだ。B-和辞書よりも断然、使えそう。なんだかとっても便利な世の中になっていたんだなあ。。A語は聞き取りはできるのだけど、スペルが自分が思っているのと違うことがよくあるので、坊主めくり的に辞書を引くという、とても非効率的なことをしている。でも辞書をぱらぱらと見るだけでも、ああそっか、この単語はこんなふうに書くのか…と、ついつい探しているのとは別の単語のスペルを発見できるところがよいのだと思う。

_ 昨日からまたアマリア・ロドリゲス。

_ 今、なぜだか突然に『ハワーズ・エンド』が読みたくて仕方がない。これは昔、英語で読んで、さーっぱり内容がわからなかったんだけど、どこに置いたかまったく記憶にない。あるとしたら、大学なんだろうけど、偶然、見つかったらラッキーと思うことにして、わざわざ探したりは断じてしないぞー(ものすごく読みたいというわけです)。

_ 敬老の日なので、母の肩たたきをしたら、「年寄りではない」と言われた。来週から北海道旅行へ行くとのことなので、ちょっとだけお餞別渡す。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

_ ラギ [そうですか。今日が敬老の日でしたか。よいことを聞きました。逃した・・と思っていたので。それでNHK衛星が特集ばっかり..]

_  [最近の暦はよくわかりませんねー。土曜日と日曜日がいつかわかってさえいれば、それで十分なんだけどね。。]


21-09-2004 / Tuesday [長年日記]

_ なんとなく気分がよくて本屋で道草した。

チャイコフスキー・コンクール/中村紘子(単純…)

迷へる魂/尾崎翠(出版されていたことを初めて知る…)

庭のつるばら/庄野潤三(偶然の一致!)

尾崎翠を手にとって、シルヴィア・プラスをまだ読了していないなとふと思い、日本のシルヴィア・プラスだなあとふと思った。実際、書いているものは全然違うのだが。山田先生の自己年譜がすこぶる痛快だという話を聞いていたので立ち読み。ものすごい記憶力だということに感心する。すべて既読だけど、これは敬意を表して某書店で買うことにする。チャイ・コン、文章、おなじ表現が多すぎるけど、上手すぎる。旦那さんより上手いのではないか。

_ 夕方からclock hall concertへ。

チェコから来た研究者の先生の奥さんがチェコの音楽大学の先生かつピアニストということで、特別リサイタル。演目は前半がショパン、後半がチェコゆかりの国民音楽家たちの作品。アンコールにショパン。やはり、後半部が素晴らしかった。20世紀になってからの作品で、ものすごく技巧的というのか前衛的な感じのする曲もあり、その間に優美な曲という組み合わせ。とてもかわいらしい感じの女性だったが、表現力が素晴らしい人。あっという間に2時間が過ぎた。明日からまたハノン一時間練習をやらなくては…などと、素人は思ったものである。

チェコ語の自己紹介があったが、私にわかったのは「なろーどに…」(国民的なんとか)と「ちぇすきー(チェコの…)」だけでした。今年はもう一回くらい、チェコつながりでなにかイベントがありそうな予感を無理矢理感じています。

_ 先生が、「研究の合間に、音楽を聴きながら、静かに思索に耽ることも大事です」と趣旨説明をされた。そのとおりだな。

とても清々しくなった。

_ 原始的に、ファイルをふたつ作って、ひとつは思い切って手術。それで見比べながら。10のことを1でいう仕事に憧れつつも、1のことを10でも言えない。20で言えるのかというと、それでは結局なにも言っていないのと同じだ。とりあえず思い切って視点を変えるしか当面の処置なしだと思ってみる。


22-09-2004 / Wednesday [長年日記]

_ 打ってかわって、寒い。しかし依然として湿度が高いため、クーラーを入れている。

_ 『庭のつるばら』、楽しく読む。感謝のことばと「おいしかった」ということばしか見あたらないというのは素晴らしいなあ。悪態をつくとか毒舌をはくとか、一切ない。はじめはおとこ版武田百合子かと思ったが、毒がないという点でまったく違うものだと思い始めた。おんなの人の手紙や日記は毒が詰まっているのでおもしろいとも言えるが、まったく毒がない清遊日記もよいものだなと思って三分の一ほど。

_ 「紙」の調子が悪いので、調べてみたら、新しいバージョンが随分前に出ていた模様。アップデートする。

_ ねこ雑貨店にて、どろぼうひげのように口の周りが黒いねこを見た。あれはなにか複雑なものを食べた結果なのか、それとも本来の毛色なのかひじょうに興味深い。顔つきはどろぼうねこには絶対になりそうもない、ねこにあるまじきのんきな顔だけに、気になるところだ。


23-09-2004 / Thursday [長年日記]

_ 書き物の合間にハノン。運指がむちゃくちゃいい加減になっていた。

_ ひさびさにFMをかけながら文献整理しているんですが、スネオヘアーって、すごいな。ハナレグミの時みたいにすぐにワン・クリック注文しそうな勢いで調べたら、真心ブラザースのトリビュート盤の中の一曲だった。買いたいが、自分内ピアノブームにより、『のだめカンタービレ』全巻購入したばかりで、若干、迷い中。お年玉で買おうかな♪

_ 早起きして「小僧の神様」再読。この話、好きだなあ。

_ 尾崎翠といえば、ずーっと前に、田中裕子が翠役をしていたNHKの『第七官界彷徨』がものすごく面白かった記憶があった。長じて、ある日、本屋で『定本尾崎翠全集』を発見してすぐに買った。熱心な読者ではない。ただなぜ尾崎翠のことが気になるのかというと、彼女の辞世のことばなのだと思う。作家としては(あるいは女流作家としてでもよい)、生前はかなりつらい年月を過ごした最後に、「このまま死ぬのならむごいものだと涙をながしました」と、翠の妹が話している。軽妙で、洒落た(おしゃれではなく)、しかしその分翳りが見え隠れする文章を書く人だったが、最後のことばはそれでもあまりにも似つかわしくなく思われ、同時にやりたいことをやり残して死ぬことはそれほどまでに辛いことなのだろうなと思ったのかもしれない。

私は森茉莉ふうに、自分の好きな仏蘭西とか西班牙とか葡萄牙とか独逸とか英吉利ふうのがらくたに囲まれて、ぽっくりと死にたいな。そろそろ、どんなふうに死ぬかということも考えながら生きていかないといけないかもしれない。


24-09-2004 / Friday [長年日記]

_ Kirsty MacCollの事故って、やはり謎めいていたんだな。

_ あらっ!なんと今日は、金曜日だったのか〜。

今日、会議のとき、カレンダーの印刷が間違っていると思っていたんだよねー。しかし、水曜日と木曜日はどこへいったのだろう?まったく解せぬ。というか、曜日の感覚なしに会議に出ていたことに驚き。

フラワーアレンジメント、ほめられる。たまにはほめられないと、張り合いないもんなー。

庄野潤三、読了。悪口とか愚痴とか、一切、書かずに一週間を過ごしてみようかと考えてみる(こういうこと書いた瞬間に嘘くさくなる時点で、無理)。

_ 客員研究員の先生と定例会議で話。私の研究(とやら)が、ちょうど今、カンガルー国が国際研究?チームのメンバーを集めている某課題にぴったりなのでぜひあぷらいせよ、とのお話をいただく。私のだめなところは、(だめな研究をしている)という自覚があるにもかかわらず、どんな研究をしているのかと聞かれると、楽しそうに説明してしまうところだ。そしてまた、ほとんど誰も手をつけていない分野の研究なので、「そりゃあ、なんと!」という印象を与えてしまうわけである。誰だって、自分のやっていることはおもしろいと思っているに決まっているのだから、説明するときはちょっとうきうきしてしまうもん。研究は楽しいと思います。いや、厳密にいえば、私が関心をもっていることはたいへん興味深い事象である(はずである)。しかしながら、対外的な「宣伝技法」がへたくそなので、もうどうしようもないわけだ。論文、書くの、へたくそすぎる。


25-09-2004 / Saturday [長年日記]

_ Bonjour tristesse.

_ 夕べはあまりよく眠れず、3時頃までサリー・ヴィッカーズを読んでいた。朝から電話が立て続けになっていた模様だが、眠り続ける。どちらかというとあまり好きではない人たちがなぜか夢に出てきて、朝起きたときからちょっと気分、重し。夢の中でパソコンを使っているなんて初めてのことだ。昨日、学内で多発している研究室の盗難に関して注意があったばかり。よほど、いつも部屋に置きっぱなしにしているThinkPadを持って帰ろうかと思ったのだが、雨が降ったり止んだりだったし、帆布トートーの日だったので、生協の紙袋に格納して、なんでもないような雰囲気を取り繕って置いてきた。机の上に出しっぱなしのvaioは、持って行っても仕方がないくらいの型だけど、メールの中身とか、やっぱりなくなるとまずいなあ。そんなことを気にしていたから、夢に出てきたのかもしれない。ということは、なにかあったかも…と悪い予感がするのを必死で抑える。

_ 暑いー。


26-09-2004 / Sunday [長年日記]

_ 調べてみたら、やっぱりOliveは、去年の夏から休刊になっていた。

_ ええーっとあの論文はどこにあったっけ…と書類箱をひっくり返していたら、ほぼまっさらのクウネルの創刊号(vol.4なんですね)を発見してしまった。。噂では、古本市場価格がとても高いらしいので、本を売らないといけない日が来たら売られてしまうかも知れない最右翼だろう。武田百合子特集があったから買ったらしい。…とかうれしげに書いていたら、創刊号かつ価値があるのは、やはりvol.1-3だけみたいだった。ぬかよろこび。

突如思い出したが、「MC Sister」は、廃刊になってしまったらしい。もうDo!Familyの服を着ることはないけれど、クリケット・パンツをはいている人をみたら、反射的に思い出してしまう。ある時、ふと思いついて、駅の売店でOliveを買ってみたら、シスターとは全然、違っていてびっくりした。シスターがプレッピーとかトラッドとしたら、オリーブはそれらの解釈の仕方が180°くらい違う雑誌。おすすめの本とかレコードなんかも、全然違っていたように思う。

私はシスターのコーディネートでさえ、なかなかむつかしいと思っていたから、実生活に役に立つとか立たないとかいうレベルを超えて、違う世界があるんだなということを知ったような気がした。オリーブも、たくさんもっていたのに、ある時、まとめて廃品回収に出してしまった。オリーブは今もあるのかな。隔週刊から月刊誌になったところまでは知っている。この頃、雑誌といえば週刊文春になってしまった。クウネルとともに発見したその他の雑誌は、「エスクアイヤ」と「考える人」。自分の中に、どんなブームが訪れていたのか、今となってはもうわからない。

_ やっと涼しくなってきた。

葡萄と焼き栗を買う夢を見る。最初、葡萄を二房買うのだが、持って行く先の人数を考えると、焼き栗を箱詰めで買う方がよいと思い直し、交換してもらう。どこに持っていこうとしているのか、私が楽しいのかそうでないのかは不明。ただし、いつものように何語かはわからない外国語の夢。私自身は話せないのだが、どんな会話をすべきかわかっているらしい。 ここが便利な夢占い。

27-09-2004 / Monday [長年日記]

_ 朝方、どうなることかと思うくらいに雨が降っていたけど、お昼を過ぎるとぴたりと止んだ。とても涼しくていかにも秋な空気。

夕べは、梨木香歩の『からくり からくさ』を読む。久しぶりに読むと、また別の味わいがある。りかさんという市松人形と、その所有者である蓉子、そして彼女の友人たちをめぐる話。キーワードは「紡ぐ」「織る」。『春になったら莓を摘みに』をどこにしまったか捜索せねば。

エリザベス・ボウエン(あの薔薇を見てよ)の名前を目にしたとき、なにかが引っかかったまま、それが思い出せずに夕べまで、折に触れては記憶を巻き戻していたのだけど、漸くたどり着いた。梨木香歩がイギリスで師事していたというベティ・モーガン・ボーエンという児童文学作家である。この人の本は全然知らない。ベティって、エリザベスだよね…。。。ということはおなじ人なんだろうか。ちょっと調べたのだけど、どうも違うような感じ。ボウエンとボーエンって、スペリングが違ったりするんだろうか。

→全然、違うことがわかった。ボウエン女史は、1899年に生まれて、1973年に亡くなっている。ボーエン女史は、『春になったら…』のウェスト夫人のこと。

_ そんなわけで、夕べはちょっとだけ怖いような感じが部屋の中に漂っている気がしてしまい、電気付けっぱなし、ラジオ付けっぱなしで寝た。ジョアン・ジルベルト特集をやっていたので、すっと寝付く。


28-09-2004 / Tuesday [長年日記]

_ 壁越しに話しかけられて、思わず、音楽談義。某人は、最近、レッド・ツェッペリンに目覚めたとのことで、何か聴いたことがあるかと尋ねられる。私はライブ盤の"Rain Song"が好き、という話をする。そこだけ、繰り返し聴くのが好き。この人は、前に私の誕生日にPet Sounds(ザ・ビーチ・ボーイズ)をくれた人だ。だらだらと2時間ほど、話し込んでしまった。帰ろうと外にでると、小雨。レイン・ソングな日でした。

_ 研究って、楽しくないと意味がないと思う。本人が楽しいのであれば、それでよいのではなかろうか。学術的貢献なんて、最初から考えているようでは嘘だ(言い過ぎ?≡嘘に近い)。あと、意味があるとかないとか、そういうのでもないと思う。教育というのは、本人が気付いてなさそうだけど、実はきらりと光る原石を発見する方の能力が問われるのかもしれない。(しまった、この石を磨けば自分より光る…)と思うようになったら、おしまいだ。私はもうこれで止めるけど、大学院に行きたいと考えている人には、行ってみたら?と言いたい。だめだったら、引き返したり、止めればいい。その代わり、自分で取れる責任の範囲は自分で負うこと、とすればいいじゃん。貢献、貢献というけれど、それはようするに外部評価のことなのだろうな。私みたいなのは、一番困るタイプなのだと思う。こんな研究はあかんとかいいとか、本を何冊読みましたか、何を読みましたか、とかで推し量られるような研究はしたくないなあ。「全然、わからへんけど、なんかすごいなあ」と思われるアウトローでいいような気がする。で、人に尋ねられたら、懇切丁寧に翌朝までしゃべくりまくる。そういうのでいいやん。「おまえの研究はわからへん!」と言うのは自由なので、言えばいいと思う。問題はその後じゃなかろうか。「だから、もっと聞かせて」となるか、「ではさようなら」か。

ということを、会議に出て思った次第。きっと、私は甘ちゃんなのだろう。ばってん、それでよかですたい。

_ Shipbuilding / Robert Wyatt

昨日からエンドレスで、脳内循環。好きだなあと思う曲ばかり集めたテープなんか、昔はよく作っていて、夜のドライブに行くときに持って行ったものだ。「夜のドライブ」というボ・ガンボスの歌も好きだった。最近、車に乗らなくなったから、ドライブ音楽から遠ざかっているのかな。思い立つと、山の方へ車を走らせたものだった。ときどき、キツネとかねこなんかの青白く光って、びっくりすることもあった。昼間のドライブも楽しいかもしれないけど、夜は、いかにも一人しかいないような気がしんしんとして、それはそれでいい感じだった。

新しい車になぜ乗らないのか?それはマニュアル車だからです。坂道発進ができないのに山に行くのが好きな人は、もうどうしようもない。

_ セミナーでお世話した学生さんが、「先生、先生」と慕ってくれて(先生じゃないんだけどと思いつつ)、いろいろ連絡を取ってくれる。去年の学生さんも、ちょっとついでがあったからと、菓子折を持ってきてくれた。見えないところでこつこつしている風情を装っているなあと、小心者的にはちょっと落ち着きが悪いが、うれしい。

_ 今日の会議に出たくない。


29-09-2004 / Wednesday [長年日記]

_ iPod。

今日、久しぶりに金庫から取り出してみた。

_ 今日はピアノの練習を休んだ。

_ デジタルカメラの使い方を母に教える。サイバーショットが一番、インターフェイスが直感的なので、それを持たせることになる。

_ ぎゃぼー。

久方ぶりに、おっちょこちょいをしてしもた。。なんと気が抜けていたのだろうか。。

○×大学大学院入試に行きます、ってメールもらっていたのに、この○×大学を自分の大学のことだと、頭が働かなかったのである。。。何年、大学におるねんなー。添付の書類にはすぐに目を通して、コメントを即答してあったので、それだけが救い。私、全然、激励のことばもなにもかかなかったよー。なんと失礼というか、高飛車だったことよ。申し訳ないことした。明日、ちょっと早めに大学に行って、二次試験の前に会えたらいいんだけど。。

全然、大学に帰属意識がないのかもしれない。


30-09-2004 / Thursday [長年日記]

_ clarksのバーゲンで買った靴を履いているのだけど、この靴の中敷きというのか、そういうのが剥がれてきて、今、たいへんなことになっている。靴がものすごく皮くさいというのか、ゴムくさいというのか、接着剤くさい、というのか、まるで私の体中から発散されているみたいにくさい。多分、別の中敷きを敷けばいいんだろうな。で、さっき、会計にいったとき、座っている人が、「なんかくさない?」と私に尋ねた。「いや、私じゃありませんよ」と、冗談めかして切り抜けたけど、嘘をついてしまった。お昼を過ぎて、靴も温まってきたのか、余計にたいへんなことになりつつある。靴を捨ててしまいたい衝動にかられる。

_ 今日のiPod。

進展なし。

_ まあいろいろ考えるところとか、思うところがある。秋になって涼しくなってきたからなのか、少し、人並みにいろんな欲望が出てきた。ちょっとがんばってみる。

_ 生協のさんまがおいしい。

さんま塩焼き/ひじき/サラダバー/おみそ汁/五穀ご飯

生協で私の向かい側に座っていた女子学生の話を聞いていたら、なんかひじょうにむかむかしてきてしまった。

_ すっかりにわかマック・ユーザーになったので、PCコーナー物色。トラベルキットだけ買ってもらった。


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