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  1. ね (02-23)
  2. ラギ (02-23)
  3. ラギ (02-23)
lost luggages ねぶくろ 書簡
--sleeping bag・g-ism/ist--

19-02-2005 / Saturday [長年日記]

_ 久しぶりに夜更かしもできるようになった。

入院中の最後の方では、ひとりで売店まで歩いて行ってもよくなった。リフトに乗って、売店のある階までよたよた歩いて行った。先生からも、「病院ライフを楽しむように」と言われていたのである。売店のある階には、本屋、化粧品店、コンビニ、入院グッズ売り場、美容室、庭園などがあった。私はほとんど食事ができなかったのだが、先生が「おやつを食べるように」というので、ハーゲンダッツのアイスクリームを買って、休憩室でもさもさと食べたりもした。食べている途中で、寒くなったり気持ち悪くなったりすることもあったが、やっぱりクッキーアンドクリームっておいしい。元気になるかな、と思って震えながら食べたりしていたのであった(だめじゃないか)。

休憩室には見舞いに来た家族の人がお弁当を遣ったりもしていた。この小さな遠征は2回しか行わなかったのだが、その間、偶然にも同じ人に出会った。車いすの男の子。どうやら病院食だけでは足りないのか、口に合わないのかそんな様子であった。母親らしい女性が、マクドナルドのセットメニューを運んできている。男の子は、がぶりとハンバーガーにかぶりつき、一気に食べてしまう。お母さんも目を細めている。食欲ナッシングの私も、退院したらハンバーガーを食べるぞ、と思ったりした。

ずっと個室だったので、看護師さんや先生、お掃除のおばちゃんたち、そして御見舞いに来てくれる家族や友人以外にはほとんど他の入院患者の人とは接触はなかった。それでも、入院中のルーティンの合間に、だんだんと同じ階の人びとの顔も見知ってくる。サナトリウムって、こんな感じなのかなとか、トーマス・マンもやはり入院生活を送ったことがあったのだろうかとか、ときどきちらりと思ったが、ほとんどの時間を私はなにも考えずに過ごした。病室の窓からは、きれいな夜景が見えた。夜中に目が覚めても、こわいことは何もなかった。病院にいるという安心感のようなものがあったのかもしれない。それになんといっても、日本にいるのだから。帰ってこられてよかった、それだけは何度も繰り返し、思ったような気がする。

_ 本2冊。昨日、ブックファーストで『魔法』(クリストファー・プリースト)と『箱庭』(内田康夫)を文庫で購入していたので、一気に読む。『魔法』は…。翻訳のスタイルが好みではなかったということが大いに影響したようで、全体的についていけないままに、うやむやな展開に飲み込まれてしまった感がある。おもしろかった…のかにゃ。内田康夫は、いままでまったく自分の守備範囲になかった作家なのだが、入院中に読んでいた週刊文春の連載小説(長崎の軍艦島が舞台)がおもしろかったので、ふと手にとってしまった。一見、なんの共通点もなさげな二冊の本だが、思わぬ共通点があって、その意外さに驚く。浅見光彦(内田康夫の作中の名探偵)は、ピーター・ウィムジィだな。

_ 記憶喪失とまでは言わないけど、いろいろなことを断片的にしか覚えていない時間があって、今、記憶発掘作業に取り組んでいる。38度台の熱が一番、しんどいらしい。40度台になると、体がしんどいとかそういうことはもはやどうでもよくなって、ものすごく思考が途切れる。経験済みなので、熱が出ている間、(うかつなことは口にしないようにしよう…)という気をしっかり持っていたつもり(と思っているが、そんなことをとても考えていたとも思えず。記憶の美化がここにある)。なのに今、断片的に残されている記憶を拾い集めてみれば、

No thank you! Let me alone, please.

I'm not an ordinary Japanese!

今のお給料でも一人だったら食べていけます。

足を洗うのが難しいです。

などなど。

誰と何を話していたのか気になる。


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