_ さわやかな一日だった。朝、目を覚ましたとき、ウグイスが窓辺で鳴いているのを聞いた。
ゆっくり目に家を出る。ロクシタンで石けんを補充、2週間ほどまえから狙っていたスカートを無事に納め、デパ地下でローストビーフサラダ。歩いて、河原の柳の木の下へ。ここは私の場所だ。ときどき音を立てて流れる疎水と、岸辺の緑を見ながらお昼ごはんにした。サラダにはポテトサラダとグリーンサラダがたくさん入っているので、これだけでお腹が一杯になる。ゆっくり食べて、ときどき遠くの山にも目を遣って、遠近法の緑に浸る。飛び石伝いに川を渡り、岸辺を歩いていたら、お弁当を食べていた留学生の友だちに会う。ベンチに腰掛けてしばらく一緒におしゃべり。いろいろたいへんだな。研究室に行こうとしたら、図書館の裏で静かにジャスミンが芳香を放っているのを発見。蔓性の茎をいくつか手折り、4月からの新しい場所にある花器の中に放り込んだ。ラベンダーの石けんはセロハンを少し破いて、ロッカーに入れた。ヴァーベナの香りのものは、ほぼ私しか使わない洗面所に置いた。ワイルドローズは、鞄の中へ。なわばりを確認する動物のようだ。ややこしい頼まれ仕事を無事に片付けて、夕日が落ちる頃、家路についた。懐かしい音と懐かしい声に向かい合って、一日が終わった。一年で一日だけの私の日。毎年、素晴らしい特別の日。