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lost luggages ねぶくろ 書簡
--sleeping bag・g-ism/ist--

26-11-2005 / Saturday [長年日記]

_ よれよれと、帰国。はじめてのバンコクは楽しかった。思っていたよりも、ずっと「都会」だった。BTSというモノレールが二線あった。端から端まで乗ってみた。泊まっていたプラトゥーナム市場の向かいの安宿からは、駅は遠かったのだけど、一日乗車券を買い、ビルの4階くらいの高さからのバンコク市街地を見物してみる。ごちゃごちゃと建物は建っているのだが、やはりシンガポールのように超近代的高層ビルが林立するという感じはない。もう少し、庶民的。空はかすんでいるが、広い。

友だちからの情報では、観光地として知られる種々の仏教寺院の中では、ワット・ポーだけ行けばよいでしょう、とのことであった。その理由は、マッサージ学校が併設されているのだが、おそらく、バンコクの中では一番上手なマッサージ処であるとのこと、また実際に僧侶が暮らしているし、寺子屋もあるタイの仏教の特徴でもある生活に結びついた宗教実践が見られるからというものだった。行ってみて、実際、そうだなと感じた。やはり現地に詳しい人の話は信頼できるなあ。ところで今回は「地球の歩き方」に一度ならず、数度、助けられた。ワット・ポーの入り口は、ちょっと見つけにくい感じになっている。「入り口」と大文字で書かれている訳ではないので、知らないとずんずんとお寺の周りの塀づたいに歩いてしまったりする。現在は閉鎖されている門もあったりするので、わたしのように、ガイドブックを持っているくせに、ろくに地図を確かめもせず歩き出す人物は、あれ〜?とか言いながら、歩く羽目になる。そしてそういう人物にねらいを定めて「ハロー、ミス。今日は仏教の行事で、お寺はお休みだよ、夕方、5時になったら開くよ」と寄ってくる人がいる、そしてその人は親切にもそれまでの時間つぶしができるよう、結託した悪徳宝石店なんどに連れて行くから注意!、と「歩き方」に書かれていたのである。いつもは、ガイドブックではホテル情報しかみないのだが、たまたまそこだけはどういう加減か読んでいた。果たして、わたしが入り口を見つけられず、歩いていると、一人の紳士が寄ってきて、ひじょうに上手な英語でそういってきたのであった。一応、上品な身形をしていて、英語が上手だと、なんとなく信頼してしまいそうになる盲点をついているのだろう。わたしは一瞬、あれ、読経の声も聞こえるし、お線香の香りも漂ってくるし、なによりもこれだけ観光バスが止まっているのにおかいしな…と一瞬思いつつ、なんとなくだまされそうになったところで、これが例の悪い人か…と思い当たる。穏やかなタイ人顔負けのスマイルで、「おじさん、有益な情報をどうもありがとう。もう少し、お寺の周りを歩いてから帰ることにします」と言った。それから、10歩ほど歩いたところに、入り口はあった。もちろん、お寺に休みなどない(厳密には、年に10日間くらいは、種々の宗教行事で一般公開されないことがあるらしい)。

朝、早い時間だったので、まだ観光客もそれほど多いという感じではなかったが、寝仏さまを見ている間に、ぞくぞくと欧米人、東アジア人の団体が押し寄せてきた。わたしはガイドを付けている人の後ろからついていって説明に耳を欹てたり。

チャオプラヤ川のボートの一日券も買ってしまったので、端から端まで乗る。ちなみに、「歩き方」によれば、ボートもBTSも、一日券は割高なので、考えて買うようにと書いてある。帰りの飛行機の中で、ガイドブックを読み直して知った。だめだな。でも十分に元は取れたように思う。川は生きているのだなあ。生活の川、という感じがした。

あと、旅前にリサーチを重ねて、「某国人は悪い人が多い云々」という情報ばかりが集まり、どうしたものやらと考え込んだことがあった。ふたを開けてみれば、確かに某国滞在中、総計1万円分くらいはぼられていると確信している。しかし、生活しているわけではないので相場というものがわからないのだし、値切ったり交渉したりするのは好きだけど、勝つことばかりに執着するのは余り楽しいものでもない。もし次にまた行くことがあれば、今度はもう少し、わかった上でだまされたいと思う。あとバンコクでも相当、ぼられた。あとで考えると、なんでそのときに疑問に思わなかったのか、と謎なのだけど、だまされるときはそんなものなのだろうか。

某国の首都でも第二の都市でも、一番注意を払わなければならいというタクシーやオートバイの人には、何度も助けられた。とくにインターネットで予約していた宿がオーバーブッキングで泊まられなかったとき、一緒にあちら此方を回ってくれたタクシーの人は、まったくメーター以上のものを要求しなかった上、最後に決めたゲストハウスが、本当によい場所かどうかをチェックしてくれたりもした。こういうことがあるから、旅は楽しいのだろう。

バンコクで泊まっていたホテルは、場末感漂う、ある意味、すさまじいホテルだった。小ぎれいな外観だし、マッサージ、スパ、フェイシャルとかそろっていて、西洋人もたくさんいたけれど、かれらがおしなべてタイ人美女をエスコートしていたところに、一抹の雑念を覚えたまでのこと。そういうわけで、女一人で泊まっているわたしへのサービスというものは、皆無に等しかった。とくにレセプション、極めつけに愛想が悪かった。どれくらいかというと、今日、チェックアウトするとき、冷蔵庫の飲み物飲まなかった?、いいえ、飲んでいません、そう、ならOKよ、さようなら、と言われてそれでそのお姉さんはさっさと奥に引っ込んだくらいにあっさりとしていたくらい。ベルボーイの人だけが、とても感じがよかった。朝ご飯の係の人は、わたしがまだ食べているのに、というか最後の一口のフルーツとかパンがのっかっているのに、「さげてもよろしいですか、Sir?」というのだった。Sirって、言われても。「歩き方」にも掲載されているし、場所の便利さとか諸々を考えると、確かに泊まり得のよいホテルではある。なんといっても、部屋が広くて、かびくさくないところがよかった。

食べ物は、タイ料理とむちゃくちゃに相性が悪かった。ことごとく、おいしいと心から思えず、もう少しでマクドナルドに入ってしまいそうになった。なんとか踏ん張って、フードコートでタイ・カレーを食べてみたら、辛いの辛くないのって、もうほんとに目から火が出るかと思った。あまり好きになれなかったのが残念。果物はおいしかった。

最後に。結局、東南アジア大陸部の低地は、華人の領土なのだなあ。バンコクから華人をマイナスすると、あとになにが残るのだろうか。ということをよく考えた。


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