_ 今度はスーツケースで行くので、荷造りとか。ここのところ、毎回、前日徹夜で荷造りしていたので、反省。その割には、昨日、寝る前に読み始めた米原万里の「オリガ・モリソヴナの反語法」がおもしろくて、徹夜してしまった。
米原万里を最初に読んだのは、「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」だった。こちらは、ソビエト学校時代の同級生の行方を探し求めるエッセーだたのだが、小説以上におもしろい話だと思って読んだ。今回の「オリガ・モリソヴナ」は、基本的にはソビエト学校時代の経験を土台として、壮大な歴史が掘り越される小説とされている。しかし、小説以上のスピード感がある。これだけは書き記したいという米原さんの強い意志がそこここに溢れている。登場人物が多い。登場人物は全員、饒舌に語る。それにもかかわらず、まるで舞台でも観ているかのように、目の前にその場面が次々にリアルに再構築されて通り過ぎてゆく。読み出したら、とても途中で止められなかった。
戦争と文学、政治と文学の親和性について、ときどき浮かんでくることがあったけど、まとまらないな。どんなふうに生きるか、どんなふうに死ぬか。それをさまざまな形で表現することが、文学なのだろうか。とにかく、おもしろかった。