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lost luggages ねぶくろ 書簡
--sleeping bag・g-ism/ist--

30-09-2006 / Saturday [長年日記]

_ 携帯電話恋愛のその後。昨日、待ち合わせの本屋の前。待てど暮らせど、相手は来ない。もう帰るよとSMSを送ったとたん、電話が鳴った。白い服を着ている?黒いズボンを穿いている?黒いかばんを持っている?歩いてみて、そこで止まってみて、をを、君を確認できたよ、なんてきれいなんだ、今からバイクのヘルメットを買いに行くからそこで待ってて。すぐに戻るから。。といわれて、さて2時間。決して暇ではないのにもかかわらず、待ったのはなぜだったのだろうか。欲望に駆られてのことではない。きっと、こういうシチュエーションに、違う日常を求めていたのだろうな。外国に調査に来るのがわたしの日常になってしまっていて、それを変えたかったのだろうなと思う。一方で、怖いと思いつつ、一方ではどんな人が来るのが楽しみだったから、二時間もぼーっと待つことができたのだろう。自分の日常を変えてくれるかもしれない人に、期待をしていたのだろう。

さて、二時間後。ふと我に返り、わしはなにをしてるんじゃ?といつもの冷静さを取り戻し、憤然とタクシーに乗って帰宅、、でも今ごろ、ちょうど着いたころかも、運転手さん、やはり戻ってください、、いやいやなんでわたしが戻ってやらねばならぬのだ、、運転手さん、やはりホテルへ帰ります、、いやいや、ここが我慢のしどきなのだ、、やはり元の場所へもどってください、、というのを4回くらい繰り返して、わたしはどうすればよい?と、仲良しの女友達に電話する。今からすぐ、行ってあげるから、じっとそこに待ってなさいよ、といってくれた。20分後、自分のあほさ加減に涙ぐみつつコーラを飲んでいたら、友達夫婦が迎えに来てくれて、彼女の胸に飛び込む。いろんなことを知っているつもりだったけど、この分野の学位はまだとってなかったんじゃない?と笑われる。そしてやさしくしてくれる。後からきた友達と4人で、ながながと過去の痛い経験の披露会。旦那がタバコを吸いに行った間に、彼女がまったくおなじことを、かつてヨーロッパで経験したと言う話をしてくれた。また泣く。と、SMSが入る。いとしい妹がこんなにきれいだとはおもわなかったから、びっくりして、自分にはとてもつりあわないと思った。きみが明けの空ならば、ぼくはぬかるんだ大地だ。いとしい妹よ、君を待たせて悪かった、今晩ホテルに行っていいかい、君の隣で眠りたい、という詩がかいてありました。が、すぐにほりましたがな。ついでに携帯電話の番号も変えました。高くついたけど、勉強になりました。そしてホテルに帰ってから、さめざめと泣いた。


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