_ Clifford Geertz 先生の長逝を悼む。初めてバリ島を旅行したとき、最初はとにかく何もかもが恐ろしくて、不潔で、気味が悪くて、帰りたくて仕方がなかった。そうとしか見えなかったのだな。FIX券だったので、容易には帰国できず、長々と逗留している間に、ジャワ島の世界遺産なども見に行き、またバリ島に戻って来たときには、もう3代前からバリ島に住んでいるみたいな気持ちで、毎日、ヒッピーみたいに暮らしていたことを思い出す。帰国してからも熱が冷めやらず、生協書店でガイドブックではない本を探そうと思い、たどり着いたのが、「バリの親族体系」だった。あまりの難しさに書架の飾りとなってしまった。長じてアカデミアの末席を濁すようになり、何かの機会にギアツの、今となっては晩年の英文を読まされたことがあった。英文もまた難解であった。そんなあれこれを思い出す。合掌。
_ はるか彼方に、ようやっと、ほのかな光の存在がちらちらと見えるような気がした。躓かないように、しっかり歩かねば。
_ バレエを習い始めた。で、わかったことは、わたしは二重関節だったということであった。三十年前に知っていたらなあ、もう!