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  1. ぜぶら (09-14)
lost luggages ねぶくろ 書簡
--sleeping bag・g-ism/ist--

08-09-2007 / Saturday [長年日記]

_ 一昨日の朝、いつものように4時半に起きて、表玄関を開けて、掃き掃除をしていたときのこと。誰かが入ってくる。白い影。視線を下に落とすと、緑の目をした白い猫がいる。目が合うと、ああ、ごめんなさいと、振り返って出て行こうとする。をを、待って待って、うちは構わないのだから、どうぞどうぞと話しかけると、ううん、でもね、子どもをうむ場所を探しているのよとのこと。そういえばお腹がぱんぱんに張っている。なるほど、うちの二階のベランダなんかどう?結構、暗い片隅もあるから、いいと思うけどと声をかけてみたが、ねこは静かに笑って、出て行った。

  


12-09-2007 / Wednesday [長年日記]

_ 一時帰国中。来月初めには、また機上の人となり、任務遂行のために長期滞在する予定。今回、バックパックひとつで帰国したのだけど、身軽というのが生きていくのに一番大事なことではなかろうかと痛感。ぱっとテレポーテーションできるからね。

例によって、河童国で親友と会い、いつものように「なぜまだ結婚できないのか」について延々と説教を喰らい(もちろんもはやネタと化しているのだが)、ははは、と笑って別れた。実は村を去る際にも、ええ加減、身を固めよとさんざんこれもネタとしてみなに言われた。思わず免税店で、エスティー・ローダーのLOVEとかいう香水を買ってしまいました。あほやなあと苦笑しながら、国境を越えても受信できるSMSを見れば、悪友某嬢が、「道中しっかりと目を見開いて、心を開いて、来るものを拒むな。どこに良縁が潜んでいるかわからぬ故に」と送ってくれていた。華僑の格言だから、きっとそうなんだろうなと思いつつ、笑いながら泣く。

帰国してみれば、別になにも変わらぬ風景。そういえば、てっきりとソニープラザが入ると思っていたところ、GAPが店子になっているんだな。。へえー。そう言えば駅前の近鉄百貨店、ひそかに愛していたのだが、ここから引っ越してきたのだろう。

帰国の報告をとある大先輩へ。深遠なるいくつかの話題。きみももうそろそろ身を固めたまえ、とまた言われる。もう機は十分すぎるほどに熟しているからね、などと。似たような話が奇しくも三人続けて言われると、だんだんとその気になってきたので、身の回りの数名の候補者の顔を思い浮かべながら、荷物の散乱している自室で虫の声を聞きながら眠った。

本日のツッコミ(全1件) [ツッコミを入れる]

_ ぜぶら [おおい! やってますか?ぼちぼちでんな〜〜〜? 私も華僑の格言いただくわ。 長期滞在っていつまでですか? いつか有..]


16-09-2007 / Sunday [長年日記]

_ 暑いな。雨が降ったりするけど、基本的に暑い。来週、引っ越し。引っ越しの1週間後に某国。めまぐるしく、時が移りゆく。静かな夜。

自分の寿命があらかじめわかっていたらどんなによいだろうと思う。そうしたら、がんばれる人だっているのだと思うし。わたしの場合は、あと何年とか何ヶ月とかわかっていても、だらだらと最後の最後まで、勝手なことをして過ごしそう。自分らしいと思う。いつ死ぬかわからないのにがんばれってか?デッドラインが見えるからこそ、というのもある。あるいは一瞬、一瞬、死ぬか。


18-09-2007 / Tuesday [長年日記]

_ ある人の力添えが必要で、連絡先をご存じのはずの方に問い合わせたところ、にべもなく断られた。おかしいなあとおもいつつ、もう一度、こちらの事情を伝えたところ、もう随分前にお辛いことがあり、すでに新しい環境に身を置かれているとのこと。その方のパートナーの方も別のパートナーを見つけられたとのこと。。時が経って変わるのは、自分だけでなく、他人もなのだ。永遠に変わらない関係など、ないのかも知れない。関係の質がかわることで、関係の存在そのものがかわる。関係の質はかわらず、関係の存在もかわらない。関係の質は変わらないが、関係の存在は変化してしまう。いろいろにあるのだろうが、想定していなかった状況。

絶好調にデブになった。仕事はみつからない、結婚相手もいない、どんどん若さも失われていく。よいことナッシング。大学は出たけれど、これ以上の不幸があるだろうかというくらいに、次から次へと不幸がカタログを持ってやってきてくれている。なにも高望みもしていないし、普通にしあわせになりたいだけだ。ドロロン閻魔くんに出てきた「あすなろくん」の気持ちがわかる。明日はきっと人間になれる、なりたい、なろうと希望をずっと抱き続けることも、ひとつの能力だ。どうしようもない絶望感に襲われてしまう人の前では、パンドラの箱の最後の中身も役に立たないんじゃないか。ものすごい絶望感で一杯。長生きしたくない。


20-09-2007 / Thursday [長年日記]

_ まあいろいろ。なくなったと思っていたものが出てきたりしてちょっとうれしかったり。母がそれを見る度に、これをあんたの葬式の写真にしたい、というくらいに恐ろしくよく撮れている写真がある。宝塚の男役が女装したみたいな写真であるが、誰が見ても、ええっ!とおどろくほど自然にきれいに撮れている。自分で見ても、もしかすると、わたしは昔、美人だったのだろうか…とありもしない記憶を捏造しそうになるほどの写真だからすごい威力を持った写真なのだろう。これを大きく引き延ばしたのがあるのだが、これが紛失した。小さい八つ切りはファイルに入っているはず…と思っていたのだが、これもまた長らく見つからなかった。今回、荷造りの途中で見つかったものだから、母と二人して「葬式の写真が見つかった!」と喜んだが、ふと母が、でもこれ、若いときの写真やね、、という。。。そんなのどうだっていいではないか!と反論。年取ったときの写真を飾る方が間違いなのであって、その人が一番きれいで元気だった頃の写真を飾ってこそ、その人の人生の終わりにふさわしい写真となるのである。そんなことを反論。

葬式用の写真が見つかって、なんとなくほっとしたりする。


26-09-2007 / Wednesday [長年日記]

_ 秋から冬にかけての夕方、わたしの部屋がオレンジ色に染まる時間が好きだ。南側と西側の窓から差し込むオレンジ色の光に、どれだけ慰められ、うっとりとした時間をすごしてきただろうか。誕生日の頃は、夜になると、羽衣ジャスミンの香りが二階の部屋にまで忍び込んできた。うぐいすの鳴き声を温かな布団の中で聞きながら、いつまでも微睡んでいた春の朝。冬の朝、窓の外の冷たさは、光の色で推し量ったものだ。灰色の朝、グレーの朝、ねずみ色の朝。博論を書いていた年の秋から冬にかけての部屋。一日中、二胡や波多野睦美を聴きながら、オレンジの花の香りを混ぜ合わせた加湿器のコプコプという蒸気の音に包まれていた。家はどこにもいかないだろう。いつまでも、いつまでも、わたしの記憶の中にある。ありがとう、わたしの家。


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