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  1. ラギ (02-12)
lost luggages ねぶくろ 書簡
--sleeping bag・g-ism/ist--

02-02-2009 / Monday [長年日記]

_ もうけんかはしないと誓った舌の根も乾かぬうちに、役人とけんかになる。

日本であらかじめ取得してきた独身証明書に翻訳文を添付すればOKなはずなのに、役人がそれを受け取ってくれない。曰く、「大使館の公印」がないとだめ、とのこと。それでけんかになったのが前回までのお話し。それで二日後に、日帰りで首都へ出かけた。あらかじめ、電話で連絡していたので、遠方からの申請者のための優遇措置を受けさせてもらい、午前中申請、午後受理となる。申請したのは、「婚姻要件具備証明書」。日本語だと、なんかすごい証明書(よくわからんけどもよー)なかんじがするが、要は、現時点において配偶者はおらん、ということを証明する書類である。重婚を避けるための書類である。問題は、これを翻訳したときに起きた。夫になる人と一緒に翻訳していたところ、一通り読み終えて、OKと言ってくれたのに、いや待てよ、、ここはやはり、こう変えようと言われた。「配偶者はいない」という表現を、「しょじょである」という表現に変えようという提案というか指示。一度も結婚していない=配偶者はいない=しょじょである、という論法である。

夫になる人がそういうのであるから、内心、あれこれとことばが飛び出しそうになるのをこらえて、それに従う。ところで、われわれは、手をつなぐ以上のことをしたことがない。ときどき、会ったり別れたりするときに、手に接吻というのはされたりしたりということもあるが、それだけ。バイクに乗るときには密着することもあるけど、家にいたりするときは、せいぜい腕を組んでソファに座るくらいである。それ以上のことはなにも起こりえない社会である。いや、もっと若かったら起こっていたと思うが、どちらも良識ある大人なので、起こさない。それはよいのです。で、その書類を受け取ってもう一度、訪問した役場にて。

役人「をを、やはりこういう書類があったではないですか。。を、これは英語ですね。。そしてこれが翻訳文、して、この翻訳文は誰が訳したのかね?あんたかいな、それはだめ。大使館の人が訳したものでないと公式文書としては受け取れませんがなあんた。。だめ、だめ、だめ」という。何を言っているんですか!大使館は英語でしか書類を発行してくれませんよ。これを訳したのはわたしですが、この人が監訳していますから、間違いはありません(夫になる人は法学部の人)。ウェブサイトにも、翻訳文をつけるのはだれだとか指定はされていなかったですよ。「いや、われわれは、この英語がほんとうに正しく翻訳されているかまではわからないからね。。公印がない限りは、受け取れない」とな。

英語ったって、名前、本籍、生年月日、両親の名前、結婚していませんという説明文が3行ほどあるだけである。その3行は、確かにちょっと英語を知らないと読めないかもしれないけど、外国人の結婚なんてこれまでも山ほどあっただろうに、なんといういけず。それでも最後には、「わかりました。じゃあ、この書類を受け取るか受け取らないか、会議を開きます」という。そこで、わたしは炸裂してしまいました。「あんたらの会議の結果で、わたしが結婚できるかどうかが決まるということ?(思いっきりねじ曲げています!)」「もうええ、ようわかった。わたしはもう結婚せんでもええわー、もうこんなあほらしいことはおしまい。国際問題にならないだけよかったと思いなはれ。あほー」と叫び、「ばいばい、とうとう結婚できなかったけど元気でね」と挨拶をして、役場を飛び出したのであった。

炎天下の国道を猛スピードで歩いていたら、夫になる人が追っかけてきた。「ねえ、きみ。さあ、ぼくが今からロビーするから、もう一度、戻ろうよ。ね。だいじょうぶだから、さあさあ。。ああー、こんなに泣いちゃって、一体どこにいくつもりだったんだい?さあ、大丈夫だよ」と、わたしのことを全然怒ったり、あきれたりせずに、役場に連れ戻してくれた。

なんか本当に、国際結婚てたいへんなんだよなあと思いながら、また役人と3人で書類書き。また役人に、本当にしょじょで、まだ繁殖能力があるかどうかなどを聞かれて、鼻息も荒く、そうじゃそのとおりじゃそれがどうしたー、などと毒突きながら適当に答え、尋問終わり。そんなこと日本の役場では絶対にされないような質問に答えたりして、わたしの中の怒りのエネルギーはあっという間に沸点に達したのであった。すごい世界に足を踏み入れることになった。

振り返ってみれば、ひとりでかっかしていただけなのかもしれない。この事件は、あっという間に夫になる人の在郷の村に伝わったけど、みんなわたしがどういう人か知っているから、あっはっはと笑われておしまい。でもあとで夫になる人に、「ぼくはきみのことをよく知っているから、大丈夫だよ。笑い話じゃないか。。でも少しずつ、変わっていけばいいんだよ」と言われた。よくわたしのようなじゃじゃ馬を馴らそう思ってくれたものだと、改めて感謝した。


11-02-2009 / Wednesday [長年日記]

_ 独身最後の一週間であるが、心落ち着けて過ごすというところからほど遠い毎日を過ごしている。とにかく慌ただしい。本当は家でゆっくりと過ごし、日中はサロンなどに行くとかいう日々を想定していたのだが、大学の仕事の締めもあるし、毎日なんやらかんやらで、出かけていて、目の下にクマができまくっている。ついには友達に、一日ゆっくり休んでサロンにでも行った方がいいと命令されたのだが、そんな余裕も取れず、毎日12時過ぎに寝て、朝5時に起きている。とにかく、寝たいです。そういうわけで、結婚というプロセスを観察したり味わったりする余裕はゼロ。疲れまくっている。

本日のツッコミ(全1件) [ツッコミを入れる]

_ ラギ [そんな無理してたらあきません。 衣装をまとって連日ほほ笑み続ける本番に向けて、 とにかく、休むべし、ですぞ。]


25-02-2009 / Wednesday [長年日記]

_ 無事に結婚式を挙げてから早10日。式は、わたしが予想していた以上にとても大きなもので、要所要所、大事な儀礼の段取りが省略されていたりしたのだが、基本的にはとても本格的な古式ゆかしい式を準備してくれた。とにかく儀礼用の服なので、最初の衣装の着付けが3時間、次の衣装の着付けが4時間で、ほとんど息も絶え絶えではあったけど、夫も介添え役の人もみなが大事にしてくれて、とても幸せな一日を過ごした。

幸せということばから遠いところで過ごしてきたから、どういうふうに体を置けばよいのか、戸惑うことが多い。でも結婚してよかったと、それだけは確かに感じている。自分のことを理解してくれる人がそばにいることの安心感が、わたしにもいろいろな余裕を与えてくれているような気がしている。


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