_ 午前11時過ぎ、そろそろかなあと思って、早めの昼食とか諸々を兼ねて、外へ出る。薄暗いのは雨雲が立ち込めているからかと思ったら、日蝕だからなのですね。ところで日食と書くと、日本食堂を思い出す。鹿児島まで乗った寝台電車で、朝、西鹿児島駅に着いて、駅の脇手にある日本食堂でよく定食を食べた。長じて、学会のために夜行バスで鹿児島に着いたときも、わざわざ西鹿児島駅に向かい、日食を表敬訪問したものである。
うす曇の雲が垂れ込めているから、何も使わずに、白く光る三日月形の太陽が見えた。母に電話して見るように進めたり。道端ですれ違う人は皆、上を見上げ見上げ、歩いていた。
_ 朝、バス停で降りたら、目の前を歩いていた佐藤蛾次郎の源ちゃんふうの早朝ジョガーが、突然、道にしゃがみこんだ。スズメを捕まえようとしているのである。うそー、と思うまもなく、ばたつくスズメをたくみに素手の両手で包み込み、そのまま当たり前の顔つきで(後姿しか見えないのだが)、歩いていった。スズメを飼うのか、鷹かなにかを飼っていてその餌として毎朝一羽捕らえることにしているのか、焼いて食べるのかは知らない。しかし、あんなに上手にスズメを捕らえるなんて。いや捕らえるのを難しいと思いこみ、挑戦したことないだけで、ほんとうは誰でも簡単にスズメを捕獲することができるのだろうか。ハトなら捕獲できるかもしれないが、スズメはなかなか機敏だし、難しそうである。