_ とにもかくにもずっと車で移動。山を登って信じられないくらい乾燥している石灰岩大地に泉を見つけに行った。ひじょうに神聖な泉だと思っていたら、昔話に基づくいわれがあるらしく、そう古いものでもないらしい。それが今は土着信仰に加えて世界三大宗教の偶像あるいは礼拝所が同居する場所となっている。不思議な空間。牛がその泉の水で水浴をしていた。
それからまた畑の真ん中に忽然と、まるで鍬を入れたら出てきましたとばかりに無造作に捨て置かれた茶碗のかけらのような遺跡を訪れる。鳥や蛙の彫刻がある。そこだけ不思議と涼しい風が吹いていた。
そして懸念の二日がかりの行事。無事にオーガナイズすることができ、すっかりと安心したところ。いろいろ準備に翻弄されてほんとにたいへんだったのだけど、無事に終了。最後の打ち合わせに会場となる村を訪れたとき、道端にそこだけ神聖な風が吹いている場所を見つける。今日の運転手の夫に頼みちょっと寄り道してみると、やはり内部に仏像とリンガ−ヨニがある。枯山水に枯れ果てた低い丘陵の端っこ、からからに乾いた林の中なのに、涼しい風が吹いており、仏像は苔むしていた。
遺跡めぐりはなかなかに面白いものだと気がつく。いただいた丁寧な手作りの三ヶ国語の遺跡ガイドブックを頼りに、全部、制覇してみようかなとか考えた。