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lost luggages ねぶくろ 書簡
--sleeping bag・g-ism/ist--

15-08-2010 / Sunday [長年日記]

_ 終戦記念日。

児童文学と戦争あるいは終戦というと、「だれも知らない小さな国」だ。佐藤さとるのコロボックル物語のシリーズは、小学生だったわたしにとっては、文字通りのバイブルで、なにもかもここから学んだといってもよいくらいだった。戦争が終わって日本は復興期を経て、高度経済成長時代に向かう。コロボックル山もその計画に巻き込まれ、高速道路建設のため、山の中腹を削ってトンネルが掘られようとする。そこでコロボックルたちは「せいたか童子」であるせいたかさんに協力を求める。せいたかさんは、コロボックルたちの力を使うアイディアを出す。山の所有者や村の偉い人たちの夢の中に登場して、夢をコントロールして、計画を変更しなければと思わせるのである。ご先祖さまやいろいろな「山のカミ」の口吻で、脅しをかけるのである。

流行り?の公開中の映画のあらすじを目にするたびに、コロボックルたちの作戦のことを思い出す。この作戦のことを思い出すたびに、終戦後の日本の急成長や開発のことも思い出し、今、あのコロボックル山はどうなっているのかなと思うのである。こびとさんが大好きで大好きで、一人でいるときに、今、さっと後ろを振り返ったら、逃げ遅れたふとっちょのエノキノヒコが見えるかなと思って大きくなった。床下の小人さんも世の中に出てきた今、佐藤さとるのコロボックル物語も再度、脚光を浴びて欲しいと思ったり思わなかったりする。


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