_ 夕方、一休さんを保育園に迎えに行くと、先生がその日の出来事を話してくれた。
もうすっかりお座りができるようになった一休さんは、プレイマットの上で他の赤ちゃんたちと一緒に座っていたそうな。と、先生が気がついたときには、一休さんは周りの赤ちゃんたちの髪の毛を、次々と手で引っ張り始めていたという。先生はそのことで、一休さんを叱るようになどとは言わなかったのだけど、わたしは少しショックを受けてしまった。今の一休さんはなんでも自分の手で確認したい時期のようで、わたしの顔のパーツはもとより、一緒に横になっていると髪の毛が気になるし、耳にも触りたいし、今までは母乳を飲むのに一心不乱で注意してみることもなかった胸のあたりなども手で押したり引っ張ったり齧ってみたりと、好奇心を抑えられないようになっている。その調子でよその赤ちゃんたちにも接しているということ。昨日は二回も便が出たことも含めて、先生はそのことを保育園で過ごすことの緊張が次第に解けてきているからだと説明された。でも人のいやがることはしてはいけないわけで、これからはきちんと一休さんに説明していかないといけない。話を大きくするつもりはないけれど、自分の子がいじめられっ子になる可能性はこれから先あるだろうとは思っていたけれど(肌の色を含めた外見の問題や文化や宗教の点で)、いじめっ子になる可能性はトンと考えたこともなかったのである。まだ一休さんがいじめっ子になったわけではないから心配しすぎなのだけど、自分がされていやなことは絶対に人にもしてはいけないよと、小さなときからきちんと教え含めていかないといけない現実に直面したように思っている。昨日までは、予想外の子どもが生まれてうれしいことよ、という平和な空気にとっぷりと浸かっていただけで、子育ての現実的でもっと日常的な側面について、あまり考えていなかったのかもしれなかった。わたしの忙しさにかまけて、一休さんを大人たちの間だけで過ごさせることが多かったけれど、もっと同年代の子どもたちと触れ合うような機会を作ってあげないといけないなと思った。