_ 朝、顔を洗って身支度を整えようとすると、子どもがすかさず、化粧道具をしまってあるキャビネットの前にてけてけと歩いていき、おかあたん、はやく、というように、待ち構えている。キャビネットを開けて、ごしごし、ぱたぱた、かきかきとしていると、わたちにもしてちょうだいと催促してくる。少なさと、いまだにまったくほとんど伸びてこない頭髪の具合から、2歳の子にも「あかちゃんがいる」と言われたりする子どもの、ちょろちょろとしか生えていない髪に、ピン留めをつけたりすると、狂喜して、鏡でみせてくれと飛び跳ねてくる。抱き上げて鏡をのぞけば、似ているんだか似ていないんだか、二人の顔が映っていて、どちらも気恥ずかしくなって、ぎご地なく笑ってみる。子どもは毎日、大きくなっていく。靴がもうきつくなってしまっている。帽子や洋服は手作りができるけれど、母はペリーヌみたいに靴を手作りできるかどうかわからない。でもがんばって、なにかイネ科の草本を収穫に、子どもを連れて河川敷にでもいってみるか。や、イネ科じゃなくて、ツタみたいなツル性植物か。野山里山にあるもので、いろいろと作ってみようかな。