_ 椅子にじっと座っていることができたり、床にじっと座っていることができるのが、こんなに気持ちいいなんて!窮屈なトレンカやサポーターから解放された心地よさに匹敵する。今までよう我慢してきたものだ。一時は通常の二倍の太さになっていた左足のふくらはぎは、今、なんとか元の太さに戻っている。それはそれで、問題ありの太さではあるのだが、すくなくとも左右非対称の太さではないから、本質的な見栄えの悪さはさておき、気持ちの問題としては落ち着いている。自転車にももう乗ってみて、リハビリ代わりにしたほうがよいらしいので、ぼちぼちと始めてみよう。
少し前からのことだけど、子どもはぬいぐるみが大好きで、どこで教わったのだか、人形を抱いて小首を傾げ、かわいい、かわいいというように、赤子をあやす仕草をする。その様子がまたいかにも幼子という風情でかわいらしく、足の痛みを忘れるような気持ちになることがあった。その一方、実に無邪気におやつの野菜ジュースや牛乳を、あたかも理科の実験を行っているがごとしに、神妙な面持ちで慎重な手付きで静かにカーペットの上に流してしまうこともしばしばあった。こちらが油断して、ビニールシートを下に敷いていなかったり、そばで監督していないときに限ってそういう事態が発生する。今は体が動かせるようになったから、後始末も身軽にできるようになったので、子どもだから仕方がないねえ、などという余裕すら生まれている。山上憶良ではないが、なにをしても子どもがいる日常を今は生きているんだなあと思ったりしている。