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lost luggages ねぶくろ 書簡
--sleeping bag・g-ism/ist--

29-06-2012 / Friday [長年日記]

_ ひっさしぶりに用事があって朝早い電車に乗った。いつものように、学生アルバイトの若者たちが、律儀に声を出し、真っ白な手袋をはめた指先で確認をして、乗客がすし詰めになった扉をこれまた白いスニーカーのつま先で押さえているのをぱっと離してドアを閉める。徐々に速度を上げる電車に向かって安全確認の緊張を解かずに注視し、車掌と敬礼を交わしてやっとほっと一息をつく。次の電車が車での短い間に、先輩アルバイトが新入りアルバイトに、いかにしてドアを閉める際に、靴先が挟まれないようにするかについての助言を与える。そんな様子を微笑ましい思いでじっと眺めておりました。若いっていいなあという思いもあるし、好きなアルバイトができてよかったねという気持ちもあるし、また全員とても品行方正な育ちのよい青年に見えたりするので、電車に乗るのってやっぱり楽しいよねと思ったりした。

先日の日曜日、我が家の鉄子さんは、えんじ色の電車とモノレールを乗り継いで、はじめて伊丹に飛行機を見に行った。展望デッキにたどり着くと、ちょうどピカチュウ機の搭乗が始まったばかりで、ボーディングブリッジを搭乗客がどんどん進んでいるのが見えた。その間にも、新しいボーイング787が到着したり、ボンバルディア機が離陸したり、空港はたいへん忙しい。母親がすっかり心奪われて、にわかカメラ小僧となってぱちぱち写真を撮っている間、乗り物オタクの子どもはいつのまにやら展望デッキ全体に配置されている高級生活用品および家具屋の中に入り込んでおり、しかもちゃっかりキッズコーナーで売られている、なにもこんなところで買わんでもええやんか的なこどもグッズをしっかりと握りしめていた模様。こどもを捜索に行って、渋面を隠しながら、バカ高いうさこちゃんの防犯グッズを買うことになってしまった。子どもを抱えてピカチュウ機の離陸を見に、慌ててデッキへ舞い戻り、興奮して眺めていたのだけど、子どもはすっかり疲れ果ててしまっていた。ハーブ園みたいなところでお弁当を無理矢理食べて、またモノレールに乗って帰途についた。一番後ろの車両にのったところ、モノレールはワンマンカーなので、車掌がいない。子どもも残念がっていたけれど、わたしもちょっとつまらない思いをした。

まあいろいろありますが、乗り物に乗るのはいつでもとても楽しいです。


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