_ 収穫があったといえばあったし、なかったというわけではないのだけど、天候不順に祟られた感があった小旅行から戻ってきた。一番、行きたかったところは道が冠水プラス土砂崩れで、道路の舗装が完全に剥げたという。それも一番難所のカーブのところで。南無三。それ以外の場所は、子どもの神通力なのか、わたしたちが行ったときだけ、雨が降り止み、もう2週間も停電していたのが通電したり(われわれが帰ったあと、また停電したという)、どうも子どもは晴れ女らしい。わたしはどんなときも雨が降るタイプである。同行の妹もどちらかというと雨女の部類であるから、子どものおかげで肝心なときは雨が降らなかった。子どもを置いて出かけたときは、必ず雨が降った。
最後の日は妹たちと一緒に公園博物館へ行った。博物館の中は写真撮影が許可されているので、新しい展示になってからは初めて来たということもあって、ぱちぱちと写真を撮っていた。しかし周囲の人はなんとタブレットで写真を撮っている。そしてなぜか博物館全体がWiFi完備ということもあって、公園ではインターネットみたいなことをしている人ばかりだった。顔ブックとかつぶやきとかなんですね、今は。
ふつうの人でも携帯はふたつ持っていたりするし、家の中でもスマート本のメッセージ交換で家族と連絡を取り合うという人も多いそうで、そういうIT関係の浸透ぶりを見て、ますます浦島太郎のような気持になってしまった。もう完全に取り残されている。
修士のときにお世話になった人が、急逝されていたり、愕然とすることも多かった。孫がお風呂で遊んで泡だらけになったあとを片付けようとして浴室に入ったときに、足を滑らせて、延髄をしたたかに打ち、昏倒。この家は自家発電機を常時稼働させているため、その音で家族が事故に気付くことも到底できなかったという。また同居の末娘は、前日、夫婦げんかをして勢い余って二階のテラスから飛び降り、両足首を骨折していた。家にいたのに母親の不慮の事故を知ることもなかったし、そうでなくても助けることもできなかった。その他、いくつかの不幸が連続した中の最大の不幸だった。そういう亡くなり方をするようなタイプ…という言い方もへんだけど、ではなかったと思うから、余計にやりきれない。
いろいろみんな人生の曲がり角なんだなあと思ったのだった。