_ ケイト・モートン『忘れられた花園』。とても楽しく、一気に読み終えた。ある日、オーストラリアの港に、イギリスからの客船が到着する。すべての乗客が降りて、荷物も運び出されて、静かになった港に、一人の少女がトランクに腰掛けて待っている。誰かが来るのを待っているのか、そんな人は初めからいないのか。この少女の謎を解き明かしていくゴシック・ロマン的な小説。ずっと読みたかった本である。すでにいくつか書評を読んでいたということもあって、秘密の花園(バーネット女史)、トムは真夜中の庭で(フィリパ・ピアス)、抱擁(A.S.バイアット)などの系譜に連なる書物のイメージを膨らませながら、サラ・ウォーターズ風のひねりもあるのかなと楽しみにしていた。訳者の解説にも書かれていたとおり、「抱擁」の重厚さと比べるものではないが、作中作の童話はとても素晴らしく、それだけでも十分に読み応えが感じられるものだった。久々に夢中になって、上下巻を一日で読んでしまった。ということは、寝る時間を削ったり、家事を手抜きしたということなのですが(笑)、おもしろかったので、もういいのです。
内容については、わたしなどがごちゃごちゃいう必要はないのだけど、もう少し、しかけがあってもよかったんじゃないかなと思った。それは読者の楽しみということではあるのだけど、作者にとってもそのほうがもっと楽しかったのではないかということ。とにかく素晴らしく楽しい読書をしました。とてもうれしい。
子どもは全然、ぴんぴんしているのだけど、わたしは今冬二回目の風邪を引いてしまい、今も喉が少し痛む。十分に気をつけているつもりでも、こういうことってあるんだよなあ。うがいと手洗いをもっときちんとして、健康にしなければ。