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  1. ね (04-01)
  2. ぜぶら (04-01)
lost luggages ねぶくろ 書簡
--sleeping bag・g-ism/ist--

08-03-2013 / Friday [長年日記]

_ 2月から3月にかけて、私淑していた恩師ともいうべき方々が相次いで他界された。I先生との出会いは、学部学生の頃に遡る。ひじょうに独自の世界観をお持ちの先生だったから、I先生の特別講義を受講していた学生のほとんどは、寝ているかおしゃべりしているかのどちらかだった。わたしは、この授業だけは最前列左側の席にいつも陣取り、先生のお話になる一字一句をノートに書き取った。最前列右側には、確か地理学専攻の上回生が陣取っていた。学期末、最後の授業が終わって、勇気を出して初めて先生に話しかけてみた。先生は、少しだけ打ち解けてくださったような感じで、後にわたしのアルバイト先となるとある博物館の図書館を利用するための紹介状を書いてくださったのだった。K先生の御著書を最初に読んだのは、高校生の時だった。その中に、とても印象的な記述があった。わたしはその記述のことをずっと覚えていたからなのだが、K先生と初めてお会いして話をしたときに、その話題をまず出したのだった。その場所というのは、某博物館の洗面所であった。某会合が開かれていて、たくさんの人が出席していた。たまたま二度、洗面所の手洗い場でK先生にお会いしたので、思い切って先生に話しかけてみたのだった。K先生はとてもうれしそうにわたしの話を聞いてくださり、連絡先を尋ねてくださった。何度かやりとりもあったし、修士論文もお送りしたような覚えがあるのだが、そのうち、音信不通になってしまった。わたしが某国に行っていた博士課程の院生の頃、留守宅に研究会に参加してくださいねという案内をいただいたのだが、それもいつの間にかどうなってしまったのかもう覚えていない。もったいないことをしたものである。でもそれがわたしの運命なのかもしれないのだけど。。

お二人の方をお見送りすることとなった今年の春である。自分が今まで歩いてきた道で関わり合った方々をなくすことで、自分の過去がどんどん化石化していくような思いにとらわれてしまった。もうなにもかも昔のことなんだなあ。おわっちゃったんだなあ、という感慨とでもいおうか。いかにも春の感傷である。


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