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  1. ね (10-09)
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lost luggages ねぶくろ 書簡
--sleeping bag・g-ism/ist--

08-09-2013 / Sunday [長年日記]

_ 明日から授業。新入生は年々、減少していて、今年は31名。すでに検定試験の中級レベルに合格している人も数名いる一方で、まったくのゼロ初級もかなりいる。ガイダンスのときに、「親に、文学部の日本語専攻なんかに入って、いったい将来、なにをするつもりだといわれた。就職できますか」と質問する人もいた。こちらの先生は、実に鮮やかにその質問に対応されていたので本当に感心した。その回答を一言で書くとしたら、「大学で勉強するのは自分自身」。もともと、こちらの筆頭大学の哲学科を出ている先生なので、とても明快に、論理的に答えておられた。こういうやりとりを、新入生との顔合わせの場で聞けたことは、とてもよかったと思う。もうあまり日本ではみられなくなったような、厳しさをベースとした信頼関係みたいなものがこちらにはまだ濃厚にあって、とくに日本語専攻は寺子屋的な雰囲気が漂う。学生は、職員室に入ってきたら、全員の先生にひとりずつ握手していき、用事のある先生のところへは最後に回る。週に一回、専攻会議があり、翌週、各回生で何を学習するか、先週、どんなところで授業がうまくいったか、躓いたかを発表する。

授業中に飲み物を飲むのはOK、食べ物はだめ、でもあめちゃんくらいならよい、机に突っ伏して寝るのはアウト、携帯電話は教室に入る前に電源を切る!とか、そういったことは徹底させるようにと、同僚の先生たちから言われている。こういったことに厳しいのは、日本の大学で教えた経験がある先生たち。

わたしは本当に、これから必死で勉強していかないといけない立場なのだけど、そういうことも含めて、同僚の先生方が、わたしがやりやすいように、まずはやりながら考えてみましょうと言ってくださる。本当にありがたい。

今学期は日本語だけ教える予定だけれど、来学期からはわたしの専門を大学院で担当することになっている。これも不安で仕方がないというのが正直なところ。

昨今の学部to学部レベルのMOU締結の流行で、日本の大学の夏休み期間は、ほとんど毎週のように、短期交換留学や研修の大学生たちがきていたそうだ。今もふたつの大学から来ている。来週はもうひとつ。先週は、一番親しい大学の先輩がMOU締結準備のために来ておられた。来週は、短期調査で大学院の同期が、連続特別講義として某国研究の重鎮先生がお見えになる。来月は客員教授の特別講義として、恩師が来られるとのこと。そういう際の、要員として動くことも求められているので、きちんとこなしつつ、授業準備も手を抜かないというのを堅実に進めていかねばならぬ。。がんばるしかない。


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