_ 古いアパートなので、洗濯機を置くスペースがない代わり、お手伝いさんが洗濯物を洗うスペースというものがある。うちにはお手伝いさんはいないので、毎晩、そこで洗濯をしている。昨日、バケツでごしごしと押し洗いしていたら、子どもがいつの間にかやってきて、小さな自分用のバケツで自分の靴下を洗い始めた。そして、ママ、いつもママを怒らせるようなことばかりして、ごめんね、といった。
子どもが小学校準備学校に入学して以来、家を出る時間が小一時間早くなったため、子どもも睡眠不足になった。わたしもお弁当を作らないといけないので、毎朝4時起きをしている。ふたりともどことなくいつも疲れていて、それで小さなことでイライラするようになっていた。
子どもなりにこれではいけないと思ったのだろうか。なんていい子なんだろうと、洗濯の泡まみれの手で子どもをぎゅっと抱きしめた。こんなにいい子が自分の子どもだなんて、とても信じられない。神様、ありがとうございます。悪いのはわたしのほうなのに、子どもに謝らせるようなことをしてしまったのだ。これからは、悪いことは全部、わたしのほうに回してください。ずっとやさしい子どものままで大きくなりますように。いい子でなくていいから、ずっと元気でいてくれますように。神様、お願いします。