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lost luggages ねぶくろ 書簡
--sleeping bag・g-ism/ist--

14-01-2004 / Wednesday

_ 昨日よりかは少し晴れ。でも寒すぎる。

印刷屋回り。郵便局。山は雪化粧。花粉症は毎年ではなく隔年周期で襲われる。体質が変わってきているのか、それまでなんの問題もなく使っていたリップクリームに負けたり、いくらハンドクリームをすり込んでも手のかさつきが変わらないなど、自分の変化を感じる今日この頃。あと、おちついてこなせばなんでもきちんとできるということがわかったので、焦ることは少なくなった。これはよいことか。はあー。今日はよくがんばりました。

_ 昨日、寝る前にひさびさに『フラニー』を読んだ。「彼女のアライグマの毛皮の上着を本当に知っているのは自分だけだ」というようなことをフラニーの恋人は思ったりするわけなのだけど、フラニーがそのことを知ったら、いやがるだろうな…と昨日にして初めて思ったりなんかした。わかってくれるのと、「おれはわかっている」といわれることは微妙に違うような気がした。というわけで、チキンサンドウィッチとミルクが食べたい。なんか今日はずっとおなかが減っている。

_ 帽子を編むか買うかとさんざん悩んで買うことにして、バーゲンのお店を物色しながら、帰る。ううーん。。。迷います。で結局買わずに、パンとチーズを買って電車に乗ろうとしたら、某人と遭遇。一緒に帰ってきた。相変わらず、笑い出すと止まらないヒトで、面白い。洗濯にも使えるオリーブ石けん、マルセイユ石けん、洗濯ばさみつき洗濯紐を買ったので、自分の周りだけお洗濯な香りがして気持ちがよかった。


14-01-2006 / Saturday

_ 10日ぶり。

いろいろあった。やはりちょっと体調を崩し、飛行機に乗って、外国人専用の病院のあるところに行こうと思ったのだけど、乗れないくらいにしんどくて、結局、地元で休養。幸いなことになんの病気でもなかったようで、5日ほど静養して、すぐに地方に出て、今日帰ってきたところ。

自分の大人度を試されるような出来事がいくつかあった。下宿先のお母さんが裏庭の木を切ろうとしていた。この木は、食用の実が取れる上に、若い葉っぱを野菜として食べることもできる。まだまだ元気な木である。これをなぜきろうとしたのかというと、燃料用の薪が足りないから。

ばかなことをしたのかもしれないけれど、私はちょっと大きな声を出してしまい、絶対に木を切っちゃだめだ、と叫んだ。それで、その場で財布を空にして、その木を買った。こういう自己満足なことは現場の人間としては、絶対にしてはいけないことなんだけど。一本の木をそんな値段で買う人間なんていないというくらい、財布をはたいた。ほとんど無意味な行動である。木を守ったという達成感はまったくなくて、あんなにわめかなくてもよかったのにという後悔だけが残った。それで夜は眠れず、明け方、早々と帰り支度をして街に出てきたというわけだ。

一日たって、気持ちの整理はなんとかついた。やはり木を買ってよかったと、むりやり思い込むだけの元気も戻ってきて、はあー、まあ、これでよかったか、と思っている。

木を切るのは簡単なのだけど、一本の木が大きくなるのにどれだけの時間がかかるか。ほら、この感傷がだめなのだ。このあたりの話、ややこしいので割愛するけれど、ただの感傷で言ったのではないのだということを、私は小一時間にわたって、近所の人々に説明することになって、最後にはなっとくしてもらった次第。ただ単に、お金があるから木を買ったんじゃない、木がかわいそうだから買ったんじゃないということ、屁理屈をつけてもっともらしく説明した自分が、あー、情けなくて、仕方なかった。こういうとき、どういうふうに、開発専門のひとは説明するのだろう。

ちょうど、先日、大きな山の頂上に生えている大きな木のあるところに行ってきたところ。その木の下には、13世紀ごろにあったという小さな王国の初代王と、その御付の従者、踊り子、楽隊が埋葬されているという。王が亡くなったとき、御付のものたちも一緒に埋葬されることを望んだという。そのあと、胸高直径5メートルはあろうかという巨木が生えてきた。樹高はおよそ50メートル。どこからでも見える。そこでこの樹がこれほど大きくなるまでにどれくらい晴れの日があって、雨の日があったのかと考えたりしたところだった。360度、見渡す限り、山の峰が続く。どこまでも山しか見えない。かすかに海がガラス片のように光って見える。麓の村では、夜となく、昼となく、王の楽隊のかき鳴らす太鼓や銅鑼の音、踊り子たちの歌声が聞こえてくるのだという。私がその樹の下に立ったとき、聞こえてきたのは郭公の鳴き声だった。郭公は、王の御付の化身なのだろうか。

そういう感傷が残っていたからか、私は一本の、薪にしてもどうでもええわと思われるような貧相な木を買った。胸高直径50センチメートルほどの木には、「わたしのもの:2006」と、ペンキで名前が入った。ばかばかしいけれど、亀を助けたり、ウサギを逃がしたりと、そんなことばかりしている。


14-01-2008 / Monday

_ 元気にしています。年末から体調不良だったのは、予想どおりの風邪で、ずっと鼻水がぐずぐずと出っぱなしだったのですが、ようやく、鼻声ではない普通の声が出るようになりました。この間、日本とか国内から次から次へと来客があり、夢のようにめまぐるしく、忙しい毎日が続いていました。夜になると相変わらず微熱が出ますが、それは動きすぎという合図だと思うことにして、あまり気にしないようにしています。10日ほど前から一旦、雨季が中休みしたようで、快晴のお天気が続きました。バイクで久しぶりに遠出をしたり、行きつけだった汁そばの屋台で外食してみたり。生活はようやく普通に戻りました。4月以降、まだ日本とここの往復生活は続きますが、どれも一所懸命に適当にこなしていければなと思っています。昨日はマッサージへ。ついでに毛先をそろえる程度のカットを頼んだら、おもいっきし15センチメートルほど切られてしまいました。まだかろうじて髷を結うことはできますが、内心ショック。でもまあ髪はまだ伸びるでしょう。また店員さんに髪が多い、と文句に近い感想を述べられました。この台詞を言わない店員さんはいないほど、とくに後頭部に髪が多いそうな。頭頂部の薄さに比べると、よいのか悪いのかようわからないです。でもまあなんでもよい。


14-01-2013 / Monday

_ 収穫があったといえばあったし、なかったというわけではないのだけど、天候不順に祟られた感があった小旅行から戻ってきた。一番、行きたかったところは道が冠水プラス土砂崩れで、道路の舗装が完全に剥げたという。それも一番難所のカーブのところで。南無三。それ以外の場所は、子どもの神通力なのか、わたしたちが行ったときだけ、雨が降り止み、もう2週間も停電していたのが通電したり(われわれが帰ったあと、また停電したという)、どうも子どもは晴れ女らしい。わたしはどんなときも雨が降るタイプである。同行の妹もどちらかというと雨女の部類であるから、子どものおかげで肝心なときは雨が降らなかった。子どもを置いて出かけたときは、必ず雨が降った。

最後の日は妹たちと一緒に公園博物館へ行った。博物館の中は写真撮影が許可されているので、新しい展示になってからは初めて来たということもあって、ぱちぱちと写真を撮っていた。しかし周囲の人はなんとタブレットで写真を撮っている。そしてなぜか博物館全体がWiFi完備ということもあって、公園ではインターネットみたいなことをしている人ばかりだった。顔ブックとかつぶやきとかなんですね、今は。

ふつうの人でも携帯はふたつ持っていたりするし、家の中でもスマート本のメッセージ交換で家族と連絡を取り合うという人も多いそうで、そういうIT関係の浸透ぶりを見て、ますます浦島太郎のような気持になってしまった。もう完全に取り残されている。

修士のときにお世話になった人が、急逝されていたり、愕然とすることも多かった。孫がお風呂で遊んで泡だらけになったあとを片付けようとして浴室に入ったときに、足を滑らせて、延髄をしたたかに打ち、昏倒。この家は自家発電機を常時稼働させているため、その音で家族が事故に気付くことも到底できなかったという。また同居の末娘は、前日、夫婦げんかをして勢い余って二階のテラスから飛び降り、両足首を骨折していた。家にいたのに母親の不慮の事故を知ることもなかったし、そうでなくても助けることもできなかった。その他、いくつかの不幸が連続した中の最大の不幸だった。そういう亡くなり方をするようなタイプ…という言い方もへんだけど、ではなかったと思うから、余計にやりきれない。

いろいろみんな人生の曲がり角なんだなあと思ったのだった。


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