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lost luggages ねぶくろ 書簡
--sleeping bag・g-ism/ist--

05-04-2003 / Saturday [長年日記]

_ どうもATOK16を間違って捨ててしまった気がする。ゴミ袋を漁らないといけない。ゴミの日は毎週月曜日だから、まだ間に合うと思うのだけど。ちょっと不安。

_ 久々に同ゼミのヒトに会う。年の功というのかなんというのか、今、私が抱えている不安というのに、まず深い理解を示してくれて、それからちょっと叱ってくれた。そだね…とわかっているのだけど、どうにも踏み外した階段をもう一度上るのだけは、今はできないな…というところにも深い理解を示してくれた。その上で、やはりもう一度修正の努力を試みて見るべしとのこと。でもその前に、やはりちょっと温泉でも行って来たらいいのに、とのこと。とりあえず、月末締め切りをこなしてから、考えてみようか、とか思う。

_ 悩んだ末に、お稽古ごとAは秋からにして、お稽古ごとBを始めることにした。明後日はそのクラス分け。試験となのつくものはひさびさのような気がしてきた。だいじょぶかな。。。

_ atok16、見つからず…。泣く。

ノートにはインストール済みだったのだけど、自宅マシンや仕事用マシンには、まだ入れていなかったのだ。不運。

となると、どこか書類の山に埋もれている可能性もなきにしもあらず、なのだろうか?もう一回、探してみようかしら。昨日、今日と、気温が少し、冷たい。花冷え、というのだろうか。花を愛でるまもなく、ゴミ袋を漁ってばかりなのが哀しい。

ときどき、お昼御飯を食べるお店で、今日は一人でランチを摂る。ポーク&ソーセージのザワークラウトというメインディッシュ。カボチャのポタージュスープとパンとコーヒー。一人で食べに来る人が多いお店なので、私もゆっくりと自分のペースで食べられる。せかせかしなくてもよいし。外国人のお客さんも多いお店なので、ときどき、四方八方を囲まれることがある。その雰囲気もまたよし。


06-04-2003 / Sunday [長年日記]

_ お花見。お弁当を持って、桜の木の下へ。夜桜もよいけど、やはり明るい日差しの下の桜も、とても素敵。子どもも犬も走り回っている。川は春の匂いがする。メダカはめっきりと見かけなくなったが、まだどこかにいるのだろうか。どちらをみても春。気持ちがよい。

_ まず最初に、ゴミあさりをもう一度敢行して、ATOK16の箱を見つける。+1点。洗い物を片づけていて、うっかりと包丁をすっと手前に握ったまま引いてしまう。右手中指からの出血がとまらず、流水の下にかざすこと10分。病院にいくべきだったのだろうか。−2点。お昼に食べずに残していたガーリック・バター・トーストが異臭を放つ。当たり前だ。ファンヒーターの熱気が当たるところにおいていた。−1点。落ち着こうと思って紅茶を入れて、デスクに置いた途端、袖口で引っかける。キーボード水没、引き出し浸水。−5点。不幸中の幸い、キーボードにはカバーを掛けていた。+1点。。。でもここで1点だけ入っても全然、+にはならないわけで、ひたすら不運を嘆く。帰り道、布地屋で、迷いに迷うこと30分、よしこれにしよう、と決めた途端、店内放送で、もう閉店とのこと。店員さんは、全員、駆け込みのお客さんの対応で忙しそうで、私の応対をしてもらえるような店員さんもいない。とことんマイナス。


07-04-2003 / Monday [長年日記]

_ 突然、仕事を振られる。覚悟をしていたとはいえ、やはりこの調子が続くと時間配分にもっと注意を払わないといけないなー。せめてもの慰めは、窓から見える景色。もっともそれとて、二階からだから、考えようによっては気が散るだけという罠もある。

夕方からは、新入生歓迎会。

_ お昼は桜堤で。新聞紙を敷いて斜面に座って、買ってきたお花見弁当を食べる。外で食べるとなんでもおいしい!桜の真下に座ったので、上向きになってお弁当をつかった。ふわっと煙った様な向こう岸をぼんやりと眺めながら食べ終えて、ゆっくりとそのまま堤を歩いて戻る。と、いろんな知り合いが思いがけない組み合わせであちこちに出張っているのを、見つけてしまう。春だねえ。。。


08-04-2003 / Tuesday [長年日記]

_ 一週間経つと、どの時間帯に仕事がよく回ってくるかわかるようになって、結構、みなの出勤時間も遅くなってきた。それと入れ替えで私の出勤時間は早くなった。そのようなものなのだろうか。

_ Call for Paper. ちょっと行ってみようかな、という気分になる。SARSもその頃には、鎮火しているのではなかろうかと。国際シンポはひさびさ。ビンゴなテーマなので、手持ちのデータそのままで行けそうな気がしている…のだけど、どうしよ?


09-04-2003 / Wednesday [長年日記]

_ 朝、出掛けに門の前で小さな女の子が泣いている声が聞こえる。自転車を出して見てみると、ランドセルに背負われたようなちびっ子がわんわんと泣いている。学校には行きたくないのだという。「ワタシも行きたくないのよ、ほんとはね」などとテレパシーを送る。4年生くらいの女の子が静かに手を引っ張って、2年生くらいの女の子ふたりが、「ワタシも去年は行きたくなかったもんね」などと。学校に行くのが楽しかったのって、いつぐらいまでだったろうか?友だちに会うのが楽しみとかいうことも、もちろん今ではないわけで、給食がいやだから行きたくないともいえない。なんでなんだ?!と自問してみてこればかりは謎だ。


10-04-2003 / Thursday [長年日記]

_ 昨日の帰り道に豆屋さんで、コーヒー豆を挽いてもらう。酸味のある味が好きではないので、どちらかというと深炒りの豆を細かく挽いてもらって飲むことが多い。牛乳や豆乳を入れて飲むことがほとんど。ドリップの仕方も自分の好みのペースで、少しずつ落とすのが好き…なのですが、昨日の豆屋さんではえらく非難されてしまった。いわく、細かく挽きすぎると風味が飛ぶ、とか。素人にはゆっくりと蒸らすことが難しいから、せっかくの豆のよさが十分に引きだせないのはもったいない…とのこと。ううーん。そなのかな。たまには専門家のいうことに耳を傾けるというのは大事だとは思うので、そうですか、と聞いておいて、イタリアンローストの方は細かく挽いてもらって、フレンチロースト(味の違いって微妙なのだけど)は仰るように挽いてもらった。味比べをしなければ。

_ 不思議な色のスターチスを買う。初めて見た色。夕焼け色とでも名付けたいような雰囲気である。スターチスは放っておいても自分からドライフラワーになってくれるところがよい。


11-04-2003 / Friday [長年日記]

_ 学校の先生の悪口を言うのは、学生の楽しみのひとつ、というのかはけ口でもあったような気がする。その奥には、「学校の先生は、学生の悪口なぞ決して言わない」という思いこみがあったからなのかな…と思っていたのかもしれない。今、あちこちで「困った」学生の話を聞いたり読んだりしていると、「学校の先生も、あう学生とあわない学生がいるものなのか…」と軽い衝撃を覚えたりする。でも、これくらいの学生になってしまえば、「学生」というよりは「ひよっこ同僚」として、あるいは「ひょっとしたら研究者?」という目で見られていることもあるわけで、そうなるとこれは先生が学生の悪口をいう、という解釈ではなくなってしまうのか。人の悪口を言うのはよくないというけど、言いたくて我慢できないこともある。たぶん、肝要なことは人の悪口を鵜呑みにしないことと、その悪口の尻馬に乗らない、ということなのだろう。簡単なことだけど、自分の立ち位置が変わると、いろいろとこれまで見えなかったものが見えてきたりして、はっと思うことが多い。新年度が新年度らしいということ自体が久々なので、なんとなくはっと思うことが多いだけなのかもしれないけど。えこひいきをしないこと、誰かと誰かを比べた結果をいわないこと、叱ったり注意するときは十分に注意すること、といったえらくまじめなことを思ったりする。ワタシは苦労しましたからねえ。。。心ない一言は、ぼんやりしていそうな人にとっても、案外、ぐさりと傷を残すものなのだ。これを忘れてしまったら、ワタシもおわりだ。などど。

_ わお。

Oh, la, la ! The Catcher in the Rye, translated by Haruki MURAKAMI, has been on sale at last! Finally! C'est tres, tres magnifique! と声に出したわけではないが、丸善店頭平積みを手にとって、すぐにレジに直行。ミーハーと言われようがなんと言われようが、発売日の初版を買うというのは、楽しいことであります。ハードカヴァーとは思わなかったし、私の中ではなぜか4月14日発売、とインプットされていたので、これは僥倖であった。いや、そんなに楽しみしていたわけでもないし、「ライ麦」自体、もっともっとふさわしい時期に読めばよかったなー、と思うくらいの時期(これは中学生くらいで読むのがよかったな、と思った;私は高校生の時)に読んだので、さほどにシンパシーはないはずだったのになあ。フラニーの方が好きだったりする。…とちょっと取り乱してしまった。

肝心の文体はといえば、野崎訳と大きな違いはない。春樹的な訳語の置き方だとは思うのだけど、こうなったら思い切って、もう少しひねってほしかったな、という気がしたりした。といってもまだ三分の一だから、何とも言えないですけども。

興奮気味ですな(苦笑)。

_ あ。

『海辺のカフカ』はどこにしまったのだろうか?


13-04-2003 / Sunday [長年日記]

_ 焦ってなにもできない。


15-04-2003 / Tuesday [長年日記]

_ 窓から信号待ちの停車をする車の屋根やボンネットがよく見える。桜模様の車が、たくさん通るなあ。季節の模様の塗装みたいで、きれい。

_ 今日は、帰りの電車で寝倒してしまった。はっと気が付いたら乗り換えの駅で、もうバネ仕掛けのなんとかのように跳ね起きて、下りる。やはり夜になるととても寒い。見上げると丸いお月さん。同室の5人のうち、3人がごほごほと咳ばかり続けている。みな忙しくて不摂生気味の方々ばかりだから、心配。今の日本では、いつどこでSARSに罹患してしまうかわからないし。だいじょうぶかな、と思いながら、とりあえず生姜湯を謹呈する。あんまり役には立ちそうにないが。

帰宅したらそく手洗いとうがい。今倒れるわけにはいかないのだ。


16-04-2003 / Wednesday [長年日記]

_ ポスト・公聴会ブルーに苛まれているのは自分だけかと思っていたら、何人もの方から、「博論で満足する人なんていないよ。博論の後は、もう自由なんだから、好きな研究を好きなだけ、好きなように出来る自由があるのだから」と励ましをいただいた。それもそなのかな…、と思うにはまだまだ回復時間がかかりそうだけど、そなのかな。。。だったらよいのだけど。

白いスイートピーは、結構、すぐに弱ってしまった。しかも枯れると花びらの色が茶色く変色するのが、なんとなく、なんとなく…なかんじである。明日の帰りは、花を買いたいなあ。

_ お昼は桜堤でお弁当を広げた。芝の緑と花びらのピンクが、絨毯の模様を作っている。ベンチに腰掛けて、ゆっくりと食べた。鳩や雀が寄ってきて、ちゅんちゅん、御飯をちょうだい、となく。この頃の鳥たちは、虫だとかそういうものを食べたりしないのかなあ?うちのニワトリは、自分でミミズを掘り出してきて、うれしそうに飲み込んでいたものだが。時代が変わったということなのだろうか、それとも鳥たちの食生活を満足させる環境が変わったということなのだろうか。何度も雨をくぐり抜けても、まだ花がしっかりと咲き誇っている枝に顔を近づけてみる。いろいろな虫がたくさん。とくにあたたかい部屋ではなかったはずだのに、ゴキブリも出た。春なんだなー、などと感心する。


17-04-2003 / Thursday [長年日記]

_ でも。ブルーはブルー、なのだもの。私も誰も知らないし、誰も私を知らないところへ潜伏したくなる。


18-04-2003 / Friday [長年日記]

_ 一日引きこもって、ちょっと挽回。こんなじゃいかんのだけどな、やっぱり。もっと淡々とルーチンをこなせるようにしないと。

_ なんて今日は暑いのだろう?ほとんど夏。部屋の空気がうまく循環しないから、なんだかへんな具合になってきた。全員、喉をやられているような気がする。うがい薬を用意しなくては。

_ 今度の歓送迎会の司会を担当することになってしまった。。。なんか気が重い。英語の練習をしなくちゃいかん。


19-04-2003 / Saturday [長年日記]

_ もしもし?と電話してみたら、隣の部屋にいるとのこと。携帯電話とは、ほんとうに不思議なものなのだなあ。所有率の低い社会にいるので、こんな驚きが未だにある。糸電話で会話しようかというのが、冗談にならないのだよというと、やはりそれはある意味で異常な社会ということになるだろうか?でも、デートしているカップルの一方が携帯電話でしゃべり続けていて、片方がメールを打ち続けているという状況よりかは、健全だと思うのだけど。いや、これはどちらにも縁がないヒトの僻みともいうべきか。

_ hier

久々に「家族」で食事。その後、「居間」でだらだら。疑似家族ごっこではあるけれど、なんとなくほっとした。前に住んでいた「家」には、私はまだ一度も足を踏み入れていない。多分、また引っ越すときに、記念にちょっと覗くことがあるかもしれないけど。センチメンタリズムな春の夜。

本屋で岡崎京子の『へルター・スケルター』を買って帰る。ビートルズを聴きながら読むべき本なのだろうか?

読んでみた感想:多くの人があちらこちらで書いているとおり、これほどに不在感が顕在化される人もいないだろうなということ。<to be continued>という最後の文字が待たれてならない。


20-04-2003 / Sunday [長年日記]

_ いつもいつも、気遣ってくれて、食事に行こうとか映画に行こうとか誘ってくれる友だちがいる。いろんな状況をとてもよくわかってくれているから、こちらも存分にその気持ちに甘えてわーわーと騒ぎたいのだけど。。。なぜかそのお誘いは、いつもいつでも締め切りの直前なのだ。ものすごく残念。今度も、そのお誘い日の前日に、オブリゲーションのフラタニティ・ディナーがなければ、ぜひにもご一緒したいのだけど。無理すればなんとか…という方向で考えたいのだけど、そうすると、また自分が破綻してしまうことがわかっているから、やはり残念ながら…というお返事を書かざるを得ない。残念。でもまだナントカできるかなあ。。。


21-04-2003 / Monday [長年日記]

_ 朝早く来て、とにかくできることをこなす。時間が足りなくなるということは、分かり切っていたことなのだから。

_ よく考えてみれば、私もnew member なのですが、自分で自分を紹介することになりそう>フラタニティ・パーティーで。ギャグにもならないような気がしてユウウツ。

_ というか、今日はむちゃくちゃ寒かった!いったいどうしたのかと思うくらいの寒風吹きすさぶ夕暮れ、校庭(というのだろうか)の雑草引き抜きを新入生に促すメールを書く。そりゃもちろん、英語で書くわけですが、新入生がこれを読めば、「こんなヒトでも***Degreeが取れるのだな」と感心するであろうほどの、恐るべし文面でした。ご覧になりたい方にはメール転送します。私はたぶん、生まれつき、恥知らずで平気で嘘がつける人間なのだろう。どうすれば「草抜き」が「ちょっと興味深いガーデニング」と翻訳されるのだろうか。


22-04-2003 / Tuesday [長年日記]

_ イナイチ、とか、シンミ、とか、ダムジョ、とか。確かになんか不思議な略称だ。テンロクのことを、スジロクと略したヒトがいた。明らかにヨソから来たのだろうと思ったら、ヒラパーの近くに住んでいるのだという。そんなこともあるのだ。


23-04-2003 / Wednesday [長年日記]

_ 昨日、苔生した古株同期および先輩後輩が一同に結集して、「いかにして博士論文を早く提出するか」についての話し合いがおこなわれた。ワタシも同席。書いてないのとおなじくらいできの悪い論文を書いた自覚のある人は、参加資格があるのだ。というのがもちろん本当の理由のひとつだけど、この顔ぶれが結集するというのは、もう20世紀末以来のことだったとも思われて、古い映画を見るような気がした。個人的には、ものすごく懐かしかったからである。

_ 外は雨だ。季節感の感じられる雰囲気がものすごく新鮮。いままで、どんなところにいたのだ?と思う。


24-04-2003 / Thursday [長年日記]

_ 明日から長期出張の元同僚と一緒に、食事。とても雰囲気のよいお店で、楽しく食べる。となりのバーでさらに話し続けたので、研究室泊まりとなる。引っ越してからはじめての寝袋泊であった。やはり今の環境の狭さを痛感した。寝袋に入っていても、前のところでは寝返りが打てたのだけど、今度のところはほんとに繭の中に入ってしまったみたいで、せいぜい首を動かすくらいしかできない。

いろんなことをきちんと正確に見てきたヒトが、いなくなってしまうのはやはり残念。

教訓:となりのテレビ部屋で寝た方がよい。目覚まし時計を買えば、誰かが来る前に起きて、続きは自分の部屋で寝られる。


25-04-2003 / Friday [長年日記]

_ 天気が悪いから、このごろ、身体もしんどいのだろうか。ぼわんとしたどろどろのゼリーの空気を掻き分けて、進んでいるような気がする。なんかしんどい。

_ 帰りに本屋で、『ぼくは怖くない』ニコロ・アンマニーティ/ハヤカワepi文庫、を買う。子どもの視点で書かれたある猛暑の夏のイタリアの農村部の話。

この間までずっとヨーロッパの人と話していたからか、読み進めながら「家族」というメタレベルの文脈をついつい意識してしまう。ひとくちに家族といっても、それはあまりにも複雑で説明するのが難しい、という話を聞いた。また、そうなると、「父親」とか「母親」とかいう役割についても価値観や意味が説明しづらいものになり、それは同様に社会の中における「男性」「女性」という概念の変化にだけ気配りしていてもおっつかなくなるのだ、という。制度としての結婚がすでに形骸化していて、事実婚的な方法を選ぶ人たちについて、「そういう場合に子どもが生まれたときに、父親が誰であるかは実は問題ではない。次の父親を捜せばいいのだから」という説明を聞かされたのだけど、これは子どもがいつでも母親に引き取られた場合にはそうかもしれないなと思った。しかし、続いて聞かされたことばがいただけなかった。「これは一妻多夫制だから、■△社会と同じだよ」とのこと。言わんとしていることはわかるのだけど、そういう単純な理解でもないだろう。逆の場合には、一夫多妻の父系制になる。あんまりテクニカルタームで理解してしまおうとすると、いかんのだろうなあと思った。というか、そういう結婚のスタイルを■△社会的と命名するところが、旧宗主国的発想とちゃうか…とプロトタイプな反応を示してしまった自分もおかしかった。

_ 本の内容はといえば、まだ半分なので、保留。今日はなんかものすごく疲れて切っている。家で仕事の日としよう。


26-04-2003 / Saturday [長年日記]

_ で、『ぼくは怖くない』。作者はもともとホラー文学作家ということもあるからなのだろうか。読者の想像にまかせるという結末なのだろうなあ。フィリッポがどうなったかが気になる読者としては、ちょっと収まりが悪い。

『大草原の小さな家』を夕方、テレビでみる。勧善懲悪ドラマのアメリカ版になってしまうのは、後半部、ローラが結婚してからの顕著な傾向。「家族」とか「友情」とか「愛」とかというキーワードが明確に出されているのだけど、こんなに他人に構っていると、自分がしんどくならないのだろうか?とときどき思ってしまう。今のアメリカ外交とおなじようなことが、日常生活レベルでもあるのだにゃ、ということがよくわかっていいのだけど。原作は、これほどに勧善懲悪ではなかったと思う。自分の存在を顕在化させるための術語として、「家族」等々が語られているようなドラマなのに、ついつい見てしまうのは、ひとえにアルバート役の男の子が好きだからではないかと思われます。


27-04-2003 / Sunday [長年日記]

_ あまりはかどらず。

_ ずっとイラストレーター。プロッターの使い方がわからないのだけど、これは用紙を自分で差し込むのだろうか?どうすればよいのかわからないのだけど、こういうときに明快な方法を教えてくれる人が、行ってしまったので、困った。どうしよ?周囲の理系の人がぐんと減ってしまったので、正真正銘の文系は、こういうときにものすごく困る。

_ 気分転換に、忘れてきた本を取りに某カフェーへ。日曜日の午後は、なにやらアベックばっかりで、うんざりするほど生真面目な本を取りに店内に一歩入った途端、「みんな、楽しそうで、ええねえー」と思わないわけにゃ、いかんですたい。そのまま、お茶をするという手も考えておったのですが、踵を返してドーナツ屋でおやつを買って、河原で食べよう!と決めた。飲み物も用意して、さてさてと自転車で橋の上を通れば。。。河原はファミリー・タイム。世界のどこにも居場所がないような気がしてきて、ふう…と尻すぼみなため息をつきました。ま、しかし。そのうちよいこともあるかもしんないしね。あんまり、考えてもしゃーないことは、しゃーないのであることよ。

_ そういう訳で、電話せなあかんなー、と思っていた人物に電話をしてみた。ひさびさに調子よくおしゃべりする。肩の力が抜けていて、なおかつ頭のよい人と話していると、ほんとに楽しいです!会話能力が著しく低下していたから、ちょっとついていくのがワンテンポずれていたけど、面白かった。この人はバイリンガルなので、私としゃべるときは関西弁、ほかの人としゃべるときは東京弁を使う。ひさびさに関西弁&関西ノリを楽しんだとのことで、えらく元気よく話し続けてしまった。そんで、元気出す。


28-04-2003 / Monday [長年日記]

_ 国立の機関て……<中略>……がないっちゅうのは、やっぱりおかしいがな。


29-04-2003 / Tuesday [長年日記]

_ ボニー・ピンクを一度、ちゃんと聴いてみたい。ラジオでちょっと耳にするたびに思うのだけど、なにかタイミングを外し続けて何年くらいになるのだろ?トーレ・ヨハンセン時代もあったのですよね。原田知世のそれを思い浮かべればよいのだろうか。あまり中古CD屋には出回っていないような気もする。見つけたら、すぐに買うと思うのだけど。

_ なにかに対する評価というのは、公平に出すべきだと思うのだけど、ついつい個人的事情・関係を斟酌してというのか、それに惑わされて、固定的かつネガティブな評価を下してしまうことがある。それが自分のよくないところだとは思うのだけど。しかし、その人の「過去」とは、どの程度そこに加味されてよいものだろうか。人間はそう簡単に性質は変わらないもので、性格というのは上手に化学変化させることはできる…、逆だったか、と聞くように思う。だとすると、表面上のとか、ビヘイビアーレベルでの見た目の変化というのは、まあ、まだまだ警戒態勢を取っていても悪いことではないのだろうと思われる。ってなことを、他人が私に対して思うことがあれば、おそらくは、「あほか」と一笑に付すのかもしれない。自己中心的な人間は、こういうことを、くどくどと考えるのだ。自分に対する評価がねじ曲がっていると思う一方で、相手のことを信じない。「今、どうであるか」という点にだけ絞れば、それほどに相手との関係について否定的な将来を予測しなくてもすむのかもしれない。。。

と思うことにしたとしても、やはり、私には嘘くさく思われて仕方がないのだよね、今は。

自分の問題で失脚政治家が出直し選挙に出馬する神経とか、またその人物が当選する仕組みというのは、そういうことなのだろうか?

_ でもたぶん、好きなようにすることができる自由があることをわかっている、というのが一番、必要なのかもしれないな、って思ったりする。なにからも自由であることは、べつに他者とかかわりあいにならないということではなくて。そう思うと、なんとなく腑に落ちることがたくさんある。


30-04-2003 / Wednesday [長年日記]

_ 眠りの森

松本隆作詞、冨田恵一作曲、ハナレグミ歌う。

ひやー。これはもう絶品だなあ。昨日の朝、学校へ行く前にラジオをつけて準備していたら、聞こえてきた音に捕まってしまった。すぐにラジオ局のwebサイトを見て、チェック。作曲、というところもsimple&thick ですごいなと感心したのだけど、声が素晴らしいのだった。これはすごいと思ったので、amazonでワンクリック注文する。で、今日の午後、すでにポストに入っていた。早速、がさごそと取り出して、とりあえず、一曲目から聴く。「ハナレグミ」は永積タカシという、Super Butter Dog のヒトのソロ・プロジェクトだそうで、「眠りの森」という曲は冨田恵一のShipbuildingというアルバムからの、シングル・カットなのだそうだ。作曲もええのですが、永積氏の声がものすごくマッチしているところが、勝因だろうなあ。

Shipbuilding といえば、私にとっては、イコールRobert Wyatt。この歌といい、「眠りの森」といい、音とそれを歌うヒトの声と歌詞が作り出す世界というのか、雰囲気というのか、それがときどき目の前にはっきりと見える曲をみつけたとき、ほんとに小躍りして誰かに知らせたくなってしまいます。と、「眠りの森」のテンポをもう少しゆっくりとして、ストリングス系を外したら、Shipbuildingに似た雰囲気になるのではなかろうかと、思ったり。

_ 今、発売中の『別冊宝島』がフリッパーズ特集だそうで、早く本屋で買いたい。売り切れてもこちらはかならず増刷があるはずだろうから、心配はしていないのですが。フリッパーズのふたりの内、どちらが好きか、というのは学生時代のおしゃべりタイムに盛り上がる話題だった。アルバイト先の先輩からテープをもらって、リアルタイムで聴きだした頃の12月、新聞の三行広告で、「フリッパーズ・ギターは解散しました」というのが出た朝のことをとてもよく覚えているものです。

私は小山田くんの方が好きだったので、小沢くんがソロで歌うのを初めて聞いたとき、うひゃっ!と思ったものである。フリッパーズ時代に歌わなくてよかったねえ、とか失礼なことを思ったものだ。好きな歌はたくさんあるけど、一番好きなのは、「Camera! Camera! Camera!」。ネオアコって、今はもう死語なのかもしれないけど、今でも多分、一番好きな「分類」かもしれない。

いろいろと、相変わらず出費が続く毎日で、慶事が二件、個人的に欲しかったものをどんと一件。たいへん。


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