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lost luggages ねぶくろ 書簡
--sleeping bag・g-ism/ist--

15-09-2006 / Friday [長年日記]

_ ロング・タイム、ノー・シー、っていうんですっけ?

ひさしぶりに大都会に戻ってきました。ギャートルズ並に、何を見ても、感激する。蛇口をひねったら、水が出たよ。煮沸したお水が飲みたいと思ったら、コンビニ屋があった。なんかおいしいものを食べたいと思ったら、スーパーでスシを売っていた。。現金が底をついたので、銀行に言ったら、小汚い格好をしていたので、入っちゃだめと言われたよ。やむなく、怪しい人影におびえながら、ATM機の前に立ったら、長旅ゆえに、カードが曲がっていて、お金が取り出せませんでした。。虎の子の円を酔うやっと換えて、友達に当座のお金を借りる。予備の国際キャッシュカードをどこにしまったか思い出せなかったのだ。

小汚い格好といえば、郡役場で郡長に話を聞いていたとき、「おじょうさん、今、大学の何年生?」と聞かれた。いえいえ、名刺に書いてあるとおり、もう博士なんです、とがんばっていってみた。すると、うそをつくのはよくないことだよ、悪い大人になるよと言われる。ホントなんです、郡長さん、と、同行の知人が再度やんわりと説明してくれると、郡長さんまだいぶかしげに、「だったらなんでそんなへんな格好をしているんだ」といわれる。こっちの大学の先生って、みんなすばらしい格好をするからなあ。

テレビにも出たし、ラジオにも出た。新聞にも出た。高校で、全校生徒に講義もした。でもこういうの、全然、評価されない。わたしはたのしかったからそれでいいんだけど、寂しいのは事実だな。

というわけで、元気です!


18-09-2006 / Monday [長年日記]

_ 疲れがたまり始める。マッサージ屋などで凝りをほぐしてもらうも、やっぱりお風呂が一番よいのではないかとか。。ほとんど毎日、どこかへ出かけていて、自分一人なのだけど、自分一人の時間がなくて、だんだんといらいらとしてくる。のんびりしたいなー。夕べは映画チャンネルで、「明日に向かって撃て!」。アメリカ英語がよく聞き取れない。海外在住の日本人の特徴とは?みんなよくしゃべる、かな。。

印刷屋で、すんばらしい名刺を刷ってもらう。こっちに来てから100枚すぐになくなった。300枚する。これを使い切る前に、たぶん、わたしはアカデミアを去るだろう。手裏剣みたいに飛ばしてきれいになくしてしまうのもよいかもしれない。

消耗するメール合戦が、どこまでも続く。わかりあえるはずのない人と、一体いつまでこの取り組みを続ければよいのだろうか。どこで終わりにすべきなのか、もうわからない。疲れすぎて、マニュアル日記も、もう長く書いていない。一日ゆっくり休みたい。1ヶ月以上、休みなしって、突然死を招きそうだなあ。誰もわたしを知らないところへ行かない限りは、ゆっくり休むのって、むずかしいかもしれない。疲れてくると、思考が暗くなりますな。もう寝よう。


19-09-2006 / Tuesday [長年日記]

_ あわあわ、、この日記のメールにたくさんメールいただいておりまして、恐縮です!すみません、こっちきてから全然、みていませんでした。。

実は、いつ帰国するか、まだ決まっていないのです。。当初の予定からすでに3回、帰国日が変更になっています。すでに書いたように、円キャッシュはもう最後の虎の子も使ってしまったので、ナッスィング。国際キャッシュカードその1はひん曲がってしまい、使い物にならず、その2はどこにしまったか失念中。。ゆえに、今は、こちらでレートのよかったときにまとめて換金したものをちびちびと使っています。今日は某UN関係の会議等に出席。諜報員みたいな仕事をしています。研究と関係があるのかというと、そうともいえるし、そうともいえないし。。というところでしょうか。

でもご存じの方はご存じのように、わたしの本職は、チープなカルチュアをマニアックに収集するというものであります。相変わらず、へんなキティちゃんのついたボールペンとか、怖い顔をしたスヌーピーのサンダルとかを買いあさっています。日本のポップカルチュアと、世界の宗教との融合について、比較文化的に研究しています(これ、かなり本職を明かしていますな)。今は某国における京の都のようなところに住んでいます。京都人とおなじで、ことばをそのまま素に受け取ってはいけない文化。慣れていますので、わたしは全然、OKなのですが、こちらで知り合ったUN関係の方々は、苦労されている模様。では行って参ります。


20-09-2006 / Wednesday [長年日記]

_ スケジュール管理不能になりつつある。今日のドライバーの人とあわなくて、早めに切り上げたところ、本来、行くべきセミナーに出席するのをすっかり忘れてしまって、慌てて別の人に頼んで連れて行ってもらったら、もう終わっていた。。ばかだ。

一昨日からひどい風邪を引いているのだが、休む暇がなくて、薬を飲んでだましだまし働いている。出発前に保健センターで、初めてロキソニンを処方してもらったのだが、すごい熱が下がりますね。PL顆粒とあわせて飲んだら、熱とか身体の痛みはほとんど取れた。せきだけまだ残っている程度。しかし、ほんとはこんなときに解熱剤を飲んではいけないのだが、あまりにもしんどかったのと、スケジュール変更ができないほどみっちり行事が入っていたのでやむなく飲んだ。薬ってすごいんですね。。

某大先生を表敬訪問して、本をどっさりいただく。この先生、ものすごくすばらしい研究をされているのに、ぜんぜん気取っていなくて、すばらしい先生。こういう人を真の科学者というのだろう。こういうすごい人がいるということを知っただけでも、今回の大収穫だ。いろいろとディスカッションする。というか、わたしにとっては、ものすごく重要なことをマンツーマンで教えていただいた。目から鱗が落ちる。何のために言語文献をどっさり集めていたのかと、恥ずかしくなった。毎日、勉強。

知らなかったのだが、泊まっているホテル、晩ご飯がついているのだとか。夜は伝統音楽の生バンドがある。しかも部屋は広く、バスタブがあり、お湯が潤沢。それで安い。少々、うるさいけど、許容範囲。

昼からの余った時間を利用して、おみやげを買っていると、えらくかっこいい日本人から声を掛けられる。案の定、調査の人。情報交換。外国で日本人に声を掛けられることなど、滅多にないことなので、少々、喜ぶ。


24-09-2006 / Sunday [長年日記]

_ 某くんたちふたりのお疲れ会を三人でひっそりと。われわれはボスを共有しているのだが、学年が少々離れていることもあって、今まであまり話をすることがなかった。ようやくゆっくり話。深夜近くまでふたりの苦労話を聞く会。すっきりしましたーといって、部屋に引き上げていったふたり。自分もとおってきた道。がんばれとはいわず、静かにビールを注ぐ。


25-09-2006 / Monday [長年日記]

_ 疲れすぎて興奮状態で、ほとんど眠れないのが2週間ほど続いていた。それで昨日、ついに睡眠薬を飲んで寝てみる。どこまで深く眠ったのかもうわからないほど。朝起きてもまだ眠い。頭が重い。とりあえず、送らなければならない本を発送する準備で小包郵便局へ。この仕組みなんとかならんのかと思うよまったくなあ。


26-09-2006 / Tuesday [長年日記]

_ 某所で会食したあと、タクシーを呼んだ。もちろん今は携帯人なので、携帯で何台が呼ぶ。と、交換手が「どこの国から来たんだ」という。わたしの某国語は、なかなか外国人だと見破られない領域に達しているはずなのに、なんと!と感心して(このあたりすべてうそですから)、つい、「どこだと思う?」などと言ってしまう。イギリス人か、イタリア人だろう?といわれ、さらに気をよくしてしまい(これはほんとう)、ついつい問われるままに携帯電話の番号を教えてしまった。。これが運の尽き。タクシーに乗った途端、今わたしが電話したタクシー会社から私用電話がかかる。すぐに彼だとわかったので、同乗の某くんにあとをよろしくと頼む。凄みのある声で「おまえだはだれだ」と言ってくれた。そういう君こそだれなんだ!という電話がかかってきたのは、さらにその後のこと。ホテルの部屋に入った途端、どこかで見ていたかのように、もう家に着いたかい?という電話がかかる。以来、メル友。もちろん、名前も職業も明かしていないので、安全なはず。。なのですが。旅の空で気安く男どもに気を許してはいけません!


27-09-2006 / Wednesday [長年日記]

_ 相変わらず体調悪いのだけど、オフィスに出てきて、書類書き。もう完全に、自分の調査はあきらめた。こんなのじゃ無理だ。

またタクシーの電話交換手。自分の勤務時間帯が夜中の一時から明け方なんだとか。夜中にオフィスから電話を掛けたいとかいう。それで夜中に起きててくれないかなどとSMSを送りつづけてくる。はっきりと断ることにする。文章もしっかりとしているし、手紙文でしか使わないような人称代名詞も完璧だし、きっと教養のある人なのだろう。そう思って尋ねたら、某大学中退とか。理由がふるっていて、ママのお金がなくなったから、とあった。そのタクシー会社だって、実は国の官僚が所有しているとされる財閥系のものだしなあ。よい人なのかもしれないが、はっきりいって、今はそういう色恋沙汰に割く時間がないよ。もっと暇なときに連絡してくれー。。とかいうから、日本でも、もてないんだよね♪修道院外修道院生活を送っているみたいだ。


28-09-2006 / Thursday [長年日記]

_ 泣く。。小包郵便局で喧嘩。すみません、今日だけ言わせてください。おまえら、ほんまに、あほかー!!!

船便で送る荷物が三箱。某国の小包郵便の扱いはふるっていて、まず一旦、小包局に箱を開封したまま持っていって、とりあえず送ると言うことを許可していただく。その後、開封のままの箱を普通局へ持っていって、そこの税関でチェックしてもらうのだ!もちろん、きれいに新聞紙で包んでいても全部はがされるから、持っていくときにはそんなことはしないで、箱にばさばさに入れたままで持っていく。そこでOKサインをもらってはじめて、小包局でのプロセス。といっても、あらかじめ記入しておいた送り状を封をした箱に貼るだけだ。。そこでみんながすることはですね、あらかじめ送り状を入手してそれにいろいろ書いて、準備しておくということです。それを、きょうは、前代未聞な普通局のおっさんが、「箱を持ってこないうちには送り状はやれない」という。受付のお姉さんは、この人は新しい人だとこっそり言ってくれたが、そんなこといわれるまでもなく、送り状を先にくれないなんて、おかしすぎるのである。おかしすぎるのである。おかしすぎるのである。ばかものめがーっと、思わず、叫んでしまいました。いろいろな理不尽なことを経験していますが、今日はそのうえ、この役人は「船便で送ると届かないから、EMSで送れ」という。EMSという名前の船便のくせに、なにを言うんだまったく!と、朝から盛大に腹を立ててしまいました。できるだけこちらの文脈に従っているし、理不尽なことをだって、できるだけ穏やかに受け止めてきたけれど、今日だけは、ものすごく腹が立った。あまりにも腹が立ったので、もうDHLで送ることにする。そうでなくても、やまほど雑用を押し付けられていて、死にそうになっているのに、なんでこんな馬鹿なことで時間をとられにゃいかんのか。悔しさのあまりに、泣く。


29-09-2006 / Friday [長年日記]

_ 夜、娘さんたちを街に招待してお食事会。こちらの文脈で言えば、とっくにいきおくれとなっている彼女たち。村の人の噂では、わたしのまねをして、結婚しないのだとか。。責任を感じる。

とはいえ、わたしは一応、結婚していることになっているのに、それを誰もはなから嘘だと見抜いているのは、ひとえに、わたしが一度も夫を村に連れて行ったことがないからである。こちらでは、公務員であろうが、民間企業のサラリーマンであろうが、夫婦はつねに行動をともにするものだという風潮がある。もっとも、近年では日本的に、別居婚や遠距離婚は、ごく普通に見られるようにもなってきている。もちろん都会部でのはなしではあるが。そんなわけでその後の会話の展開としては、なんでおまえの夫はこんな状況に耐えられるのか(2ヶ月近くも夫婦生活がないなんて!)、おまえはさびしくないのか(相手をしてやろうかいのう?)、なんでいまだに子どもがいなのだ(どんな家族計画が日本にはあるの?)というもの。答えられる部分には誠実に答えているが、ほとんどお芝居の台詞並みに毎回、おなじ答えを空で答えている。

さて、娘さんたちであるが、やはり男の話はこちらから振らないと出てこない。なんで結婚しないのかと不思議なくらい、みな美貌の持ち主で、料理も上手、頭もよい。だからわたしとおなじで結婚できないのか、、というのがおちでした(もちろんうそです)。


30-09-2006 / Saturday [長年日記]

_ 携帯電話恋愛のその後。昨日、待ち合わせの本屋の前。待てど暮らせど、相手は来ない。もう帰るよとSMSを送ったとたん、電話が鳴った。白い服を着ている?黒いズボンを穿いている?黒いかばんを持っている?歩いてみて、そこで止まってみて、をを、君を確認できたよ、なんてきれいなんだ、今からバイクのヘルメットを買いに行くからそこで待ってて。すぐに戻るから。。といわれて、さて2時間。決して暇ではないのにもかかわらず、待ったのはなぜだったのだろうか。欲望に駆られてのことではない。きっと、こういうシチュエーションに、違う日常を求めていたのだろうな。外国に調査に来るのがわたしの日常になってしまっていて、それを変えたかったのだろうなと思う。一方で、怖いと思いつつ、一方ではどんな人が来るのが楽しみだったから、二時間もぼーっと待つことができたのだろう。自分の日常を変えてくれるかもしれない人に、期待をしていたのだろう。

さて、二時間後。ふと我に返り、わしはなにをしてるんじゃ?といつもの冷静さを取り戻し、憤然とタクシーに乗って帰宅、、でも今ごろ、ちょうど着いたころかも、運転手さん、やはり戻ってください、、いやいやなんでわたしが戻ってやらねばならぬのだ、、運転手さん、やはりホテルへ帰ります、、いやいや、ここが我慢のしどきなのだ、、やはり元の場所へもどってください、、というのを4回くらい繰り返して、わたしはどうすればよい?と、仲良しの女友達に電話する。今からすぐ、行ってあげるから、じっとそこに待ってなさいよ、といってくれた。20分後、自分のあほさ加減に涙ぐみつつコーラを飲んでいたら、友達夫婦が迎えに来てくれて、彼女の胸に飛び込む。いろんなことを知っているつもりだったけど、この分野の学位はまだとってなかったんじゃない?と笑われる。そしてやさしくしてくれる。後からきた友達と4人で、ながながと過去の痛い経験の披露会。旦那がタバコを吸いに行った間に、彼女がまったくおなじことを、かつてヨーロッパで経験したと言う話をしてくれた。また泣く。と、SMSが入る。いとしい妹がこんなにきれいだとはおもわなかったから、びっくりして、自分にはとてもつりあわないと思った。きみが明けの空ならば、ぼくはぬかるんだ大地だ。いとしい妹よ、君を待たせて悪かった、今晩ホテルに行っていいかい、君の隣で眠りたい、という詩がかいてありました。が、すぐにほりましたがな。ついでに携帯電話の番号も変えました。高くついたけど、勉強になりました。そしてホテルに帰ってから、さめざめと泣いた。


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