_ ところで『ジェイン・オースティンの手紙』です。これはほんとにおもしろい!小説の数倍おもしろい。日々のどうでもよいことがごたごたと書かれていて、一見、雑駁な印象をうけるのだけども、細やかな気持ちの動きをそれとなく覆い隠してしまうような繊細さももちろん伺える。しかし、それ以上に溢れるユーモアが愉快、饒舌、くだらない洒落が好きな人だったんだなあ。友だちになりたい作家ナンバー・ワンだ。なんてことを考えながら読み進めている。久しぶりに、読み終えるのがおしくなる本に出会った気分。お料理もおいしそう。洋服のことと、身近な人たちのゴシップのことしか書かれていないといって過言ではないのだが、そういうのが後生の人たちにはおもしろいのだ。羊を食べている回数が多いこと、魚がロブスター以外ほとんど出てこないことに注目しています。ロブスターは保養先のバースで食べていた。あと絹の靴下です!どんなのかぜひとも見てみたいし、手触りを確かめてみたいと思った。
_ 本読んだり、音楽聴いたり。残暑が厳しいのをやり過ごす。音楽は、実は夏前からずっと、空気公団のCDが入ったまま。こんなこともめずらしい。ステレオでは聴けないDVD入り? Pet Sounds /the beach boys をときどきパソコンで聴くけど、これも5月以来聴いていないような気がする。昨日、生協でエレコムさんの「木のスピーカーシリーズ」を見て以来、音楽を聴くという行為が再燃焼し始めている予兆。これ、なんとなくいいんですよね。
とかいいつつ、やっぱり今日も空気公団なんだけど。
_ 岩波文庫の『ジェイン・オースティンの手紙』を読書中。とてもおもしろい!翻訳がとても素晴らしいからというのもあるだろうけど、彼女の小説を読んでいるよりも面白いんじゃないかとさえ思うくらいだ。旅行、手紙、日々の出来事、舞踏会、病気、お料理、家族のあれこれ、近所の人のあれこれ。当時の手紙は、今のメールに相当するのだろう。姉に宛てた手紙の頻度に驚かされる。ジェーンの没後、姉のキャサンドラが「検閲」をしたものだけが現存するらしいが、検閲をくぐり抜けたものでさえ、これほどに面白いのだから、くぐり抜けられなかったものやいかにと想像が刺激される。
メールは手紙の比ではないくらいに、簡単にたくさんのことを書き残すことができるけど、自分と相手との間にだけ存在するようなもので、なかなか第三者の目には触れられない。書簡文学というジャンルがあるのかもしれないけど、これからはどんな形でそれが残されていくのだろうかと考えたりした。
_ 雪見 [ああ、そうだ! メールばかりのやりとりになると、当然それが後世 発表されにくくなりますよね。 鋭いです! 後世、自分..]
_ ね [手紙とメールの最大の違いは、引用文があるかどうかみたいですねえ。 オースティンによれば、前にもらった手紙について話す..]