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lost luggages ねぶくろ 書簡
--sleeping bag・g-ism/ist--

15-09-2004 / Wednesday

_ なんでフランツ・カフカなのかは、われながら不明。

_ 帰り、『余白の愛』『ホテル・アイリス』『刺繍する少女』(全部、小川洋子)。

ようするに官能的なんだろうな。アダルト・ビデオにはなりえないけど、日活映画にはなるというひじょうに高度な官能なのではないかと思う。で問題は、何故今、私的小川洋子ブームが訪れているのか、である。何故に、官能などと口走ったりするのだろうか。それはひとえに、秋だから、ということにしておこう。そして、「薬指の標本」はフランスで映画化されたそうだ。日本でも公開されるだろうから、ぜひ観に行きたい。音楽で言えば、おとなしいケイト・ブッシュ、という感じだ。もう少し低音の。あるいは大貫妙子。

_ 子どもを持つ親が、他人の子どもを殺すということ。生き残った子どもたちにどのような影響を与えるのだろうか。たまらないなあ。

こんなに早く刑が執行されるとは思わなかった。思う壷としかいいようがないように思う。謝罪のことばを待っていた遺族にとっても、無念さが募る一方のような気がする。殺してしまえばそれで終わる、死んでしまえばそれで終わる、と考えているのかもしれないが、罰するということは、それでは終わらないということを教えるためのものでないといけないのではないか。

_ 自分の中では密かに小川洋子がブームになっている。立て続けに2冊。中でも、『薬指の標本』がとてもよかった。中編が2本、所収されているが、どちらも素晴らしかった。

思うに、この人は女・村上春樹ではなかろうかと。そんなむちゃくちゃな…という設定、話の流れが、この人の手にかかるとそれはそうとしかなりようのない事実として納得させられてしまうのである。村上春樹といっても、その初期の頃、である。せいぜい、ダンスまでの村上春樹。

医大病院で秘書をしていたことがあるという経験が、あちらこちらにちりばめられていて、ものすごく「ボディ・コンシャス」な小説が多いような気がする。肉体としての身体というよりも、物質としての身体、「精神的に存在する」身体、というかんじで。

小川洋子のあとにフランツ・カフカを読むといいのかもしれないなと思った。読書の秋は、残暑厳しい中で密かに進行中。ほかにやらんならんことがあるっちゅうことは、この際、適度にごまかす。


15-09-2005 / Thursday

_ 街へ。

水不足、寝不足、儀礼続き、会議続きで最高に疲れた。ゆうべはほぼ一時間おきにご不浄へ駆け込む。雪見さんへのお返事としては、日本でいうところの洋式と和式とふたつのスタイルのお便所がある。戸はアメリカとは違って、日本式に足元は見えないようになっているけれど、しゃがんだりこしかけたときに中に人がいるのがわかるように、顔がぽっかりと出るようになっているものもおおい。男性もしゃがんで用を足しているようである(ちぇっくしたことはないけれど、小さい子は立っているが大人は女性とおなじように顔だけが見えることがおおい)。用を足したあとは手動で手桶で流す。ときどき、前の人のぶつを見ることもあり、そんなときは、おみくじで大凶を引いた時よりもさらにげんなりする。これ、こちらで暮らしているひとならわかるのだが、経験的にありえないことである。わざとそうするへんな人がいるということ。おとし紙を使う人はいない。手桶であらいながす手動うぉしゅれっと。慣れるまでちょっと時間がかかるけれど、おなかをこわしているときなどは、こちら式のほうが、清潔だなと思う。尾篭ですが。

もちろん、ホテルとか、レストランのトイレは、きちんとしたウェスタン・スタイル。だけど、あとからといれだけ改築したようなところでは、洋式便器が空間におおさまらず、人は、トイレそのものに入ることができず、やむをえず、横向きにこしかけるしかないようになっている場合もある。戸は閉められるときもあれば、そうでないときもある。このあたり、実用性ということばが日本語にしかないんじゃないかと思う瞬間。

ホテルで知り合った学生さんが調査のやり方を勉強させてくださいとついてきたのはよいのだけど、体調がまだ万全でなかったからかなりしんどそうだった。それでもとてもよい経験になったとのことで、元気に帰っていった。私もそんなときがあったので、こういうことは苦にならない。

あといろいろ。


15-09-2006 / Friday

_ ロング・タイム、ノー・シー、っていうんですっけ?

ひさしぶりに大都会に戻ってきました。ギャートルズ並に、何を見ても、感激する。蛇口をひねったら、水が出たよ。煮沸したお水が飲みたいと思ったら、コンビニ屋があった。なんかおいしいものを食べたいと思ったら、スーパーでスシを売っていた。。現金が底をついたので、銀行に言ったら、小汚い格好をしていたので、入っちゃだめと言われたよ。やむなく、怪しい人影におびえながら、ATM機の前に立ったら、長旅ゆえに、カードが曲がっていて、お金が取り出せませんでした。。虎の子の円を酔うやっと換えて、友達に当座のお金を借りる。予備の国際キャッシュカードをどこにしまったか思い出せなかったのだ。

小汚い格好といえば、郡役場で郡長に話を聞いていたとき、「おじょうさん、今、大学の何年生?」と聞かれた。いえいえ、名刺に書いてあるとおり、もう博士なんです、とがんばっていってみた。すると、うそをつくのはよくないことだよ、悪い大人になるよと言われる。ホントなんです、郡長さん、と、同行の知人が再度やんわりと説明してくれると、郡長さんまだいぶかしげに、「だったらなんでそんなへんな格好をしているんだ」といわれる。こっちの大学の先生って、みんなすばらしい格好をするからなあ。

テレビにも出たし、ラジオにも出た。新聞にも出た。高校で、全校生徒に講義もした。でもこういうの、全然、評価されない。わたしはたのしかったからそれでいいんだけど、寂しいのは事実だな。

というわけで、元気です!


15-09-2012 / Saturday

_ どういうわけか、子どもが急に乙女路線をまっしぐら!になっています(笑)。

発端はディズニー映画。保育園の図書コーナーで、ディズニー本を何冊か借りたのがよほどに面白かったようで、Youtubeでロマンス諸語に吹き替えられたバージョンを見せている内に、「おひめさま」や「おうじさま」ということばが最重要単語になった模様。毎日、そればっかり言うようになりました。少し前までトトロのメイちゃん大好きだったのに。ピンクしか着ない宣言をしていたのに、ディズニーのシンデレラが水色のドレスを着ているため、今は水色が大好きなんだそうです。。

で、毎日、妄想の王子様の話もしています(笑)。オタクさんになったりするかな〜と、ちょっと手に汗握っています。でも今日は、朝から鼻紙の空き箱で、おとうさんスウィッチを一緒に工作しました。主としてもちろん、わたしが作るんですが、偉そうに、ここんところはうさこちゃんのおりがみをはってねよろしくとか、あんてないろはみずいろでねよろしくとか、注文がうるさかったりしました。夫と電話をするときは、はろーはろーとか、一丁前に外国語を使ってみたり、小さい子の毎日も結構、充実していて忙しくて新しいことが一杯なんだなあと改めて思っています。

子どもは今日、久方ぶりに外食のため、おうどん屋さんに行きました。もっと小さい時と違って、ちゃんと椅子に座って、子ども用のお椀に取り分けたおうどんを、それはそれはきれいに食べることができて、ほんとうにびっくりしました。家では相変わらず、がさごそ動き回りながら食事するのがやめられないのですが。おっきくなったな〜と、目を細めたりなんかしました。おしまい。


15-09-2017 / Friday

_ 今月の初め、用事があって、久しぶりにバンコクへ行った(たまには「実名」で書いてみることにします♪)。バンコクへは12年ぶり。この間、トランジットとかなんやらで通過したことすらなかったから、前の古くて暗い空港(ドンムアン)しか知らなかった。新しい(もう開港から何年も経っているけれど)空港は、膨大な広さだった。膨大過ぎて、歩くのがしんどいくらいである。これくらいの大きさだったら、空港ビル内の移動に使うような電車があってもよいくらい。デューティーフリーショップも延々と1.5キロくらいも続く。動く歩道はあるとはいえ、本当にたいへんなところだと思った。歩くのがしんどいくらいに広い。でも、お店なんかも、別になにか目新しいとかそういうことは全然なくて、ただのブランド品とありとあらゆる銘柄の化粧品ばかりである。本屋はあったかな・・・なかったような気がする。東南アジアだと、やはりシンガポールの空港が一番だなあと思った。お金のある人、お金のない人、のんびり休みたい人、精力的に飛行機の待ち時間を過ごしたい人・・・。すべての人が快適に過ごせるような工夫にあふれている。広くて移動に大変なところもあるけれど、それぞれのターミナルをつなぐスカイトレインがあって、空港って本当にいろいろな人がいろいろなところへ飛びだっていくところなのだなと、実感できる場所でもある。シンガポールは長くいるところではないけれど、ちょっと行く分には、楽しいところだと毎回、思う。とくに、帰る直前の空港にいるときに、そのように実感できる工夫がされているのではないかとも思う。

それで、バンコクの話。今回、用事がある場所のすぐとなりにホテルを予約したつもりが、なんと系列ホテルではあるけれど、BTS(電車)でいうと2駅も離れたところから、また少し歩いたところにあるホテルを予約してしまっていた。さすがにチェックインの前にそれに気がついて、慌ててキャンセルできるかとか調べてみたけれど、もうどこもホテルが満室。そのうえ、わたしの予約ステータスがキャンセル不可能というものだったので、南無三。。仕方がなく、予約したホテルへ。下町だけれど、どことなく風情があり、そこに住んでいる人たちの生活も少し垣間見えるような場所だった。病院の前ということもあり、果物やが多かった。さて、翌日は午後まで時間があったので、かのロビンソンデパートの地下スーパーへ。ロビンソンといえば、スピッツなわけです。草野マサムネ氏は、ロビンソンデパートのイメージからあの名曲を作ったとか。地下では目的のものを買い物。今回、一泊二日なわけで、キャリーも持たず、普通の大きめのカバンだけで国際線に乗ってきたわたしです。なので、液体ものとか微妙なものは買わず、タイ名物のハーブ石鹸各種を購入した。それから隣のフードコートで、バンコクらしからぬさっぱりとした茹で野菜(膨大な種類:ヘチマ、きゅうり、トマト、キャベツ、ササゲ、ハヤトウリ、なにかの白い花、ナス、カボチャなどなど)とアジのスパイス揚げ、ほうれん草の入った卵とご飯、それになにやら辛味ペースト。これで150円!現在の居住地だとコーヒーすら飲めない値段だ)を食べた。おいしい。美味しすぎる。食後にホットタイティー。おいしい。美味しすぎる。それでちびちびとティーを飲んでいたら、隣に小太りのおじさんが腰を下ろした。このフードコート、狭くはないが広くもない。とは言え、時刻はまだ午前11時過ぎ。空いているテーブルは山ほどある。なぜにわたしの隣に?それで落ち着かなくなって、すぐに席を立ち、用事の場所へ。おかげで紅茶も最後はぐっと急いで飲むことになってしまった。

夕方、用事が終わって、慌てて空港へ。電車を2回乗り継いで、空港。この時点でボーディングまでまだ1時間半あった。ちょっとご飯でも軽く食べてゆっくり飛行機を待つつもりが、入国審査に行くと、ここはインドか!と思うくらいインド人のグループがいる。もうほかの外国人が完全にマイノリティ-。どこまでもインド人である。その彼らが、少し進んでは、列を替え、もうあと一人か二人で入国審査となると、なにか書類に不備があるのがわかったかで、ボールペンを探して、あっちの列こっちの列に移動する。それでなんとここで一時間も過ぎてしまっていた。一体、これはなんだったのか。それで慌ててゲートへ走る。上で述べたように、この空港は膨大な広さである。わたしの搭乗口は、一番端っこにあった。それでどれだけ急いだことか。ほとんどギリギリ、ほぼラストパッセンジャーとなって、着席。安全ベルトを占めたらすぐに飛行機が動き出した。広すぎるけれど、あまりその良さがわからない空港という印象だけが残った。バンコクは楽しいけれど、この空港はなあ。。。前の古くて暗い空港のほうがまだ良かったかもしれない。走らなくてもよいから。。。

そんなこんなで、夜半、帰宅。寝ている子どもを受け取って、我が家へ。あー、疲れました。でも一人で外国を歩く楽しさを久しぶりに経験する機会となって、なんだか楽しかった。なんだかんだで、わたしは飛行機に乗るのが好きというのもある。帰りの飛行機では「3月のライオン」を見た。今や世界のどこでも見られる日本映画だ。またひとりで飛行機に乗って、どこかへ行ってみたいなあ。


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