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  1. 寝 (01-21)
  2. ムラサキ (01-21)
lost luggages ねぶくろ 書簡
--sleeping bag・g-ism/ist--

21-01-2004 / Wednesday

_ わたわたと走り回る。伝票の翻訳とか。寒いながらもこの峠を越せば春なんだなという気持ちになる瞬間は、夕方。5時を回っても、もう外は暗くない。

_ 今日のお洋服:焦げ茶ツイードのハイウェストジャンパースカート/焦げ茶七分袖カーディガン/オートミール色半袖セーター/茶色のブーツ

感想:夕べ、頂き物のチョコレートケーキを食べた影響と思われる。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

_ ムラサキ [爆笑してしまいました。チョコレイト色のお姿、拝見したかったです。]

_  [会う人みなに笑われました。「あまりにも茶色過ぎる」とのこと。鞄も手袋も茶色だったことはヒミツです♪]


21-01-2006 / Saturday

_ 大雨の暴風雨の中、深夜に地方から戻る。ただ畑と田んぼを見に行ったようなものだけど、ものすごくよい旅だった。ここで調査してみようかと真剣に考える。

私がいつも使っている言葉の、すさまじく乱暴かつ下品であることに、いまさらながら気づいたのは、こういう地方に行ったときの、村の人の私への接し方の丁寧さに心が洗われるような思いがするからだろうか。外国人だからとか、学校の先生だからとかそんなのではなく、よく知らない旅の人に会ったときの接し方なのだろう。試みに連れて行った同じ村の娘さんたちの、いい意味での下町加減が、目に付いて、これも驚いた。私は話している相手の方言にすぐにつられるので、すぐに言い回しを覚えられたのだけど、娘さんたちは、そんな私を見て、けたけた笑う。吉本新喜劇をみているおばちゃんのように、がはがはと笑う娘さんたち。ことばを作るのはいったい、どんな要素なのだろうか。私ももうちょっと、こちらの国営放送のアナウンサーの使うことばを意識したほうがよいかもしれない。

ところで。今回のドライバーは、いつもの人とは違った。いつものドライバーは「永遠の友だち」という名前の人で、正直に打ち明けると私はこの人がものすごく好きになっている。なにがよいかというと、何人外国人を乗せたとかいう自慢を一切しない、運転がうまい、歴史をよく知っている、話がおもしろい、機知に富んでいる、という私にとってのあらまほしき美徳を全部を備えている。そして、こういった情報を持っているのに、おしつけがましくない。そこがものすごくよいなあと思っている。そしてまた、人の心を読むのにも長けている。昨日のドライバーは、これまで何人外国人を乗せたかという一覧表を持っており、別荘地に土地があるからちょっと見に行こう、こういう事業は日本では受けないだろうか、今度くるときも必ず俺を使えとか、そんなのばかりで、歴史とかぜんぜん知らなかった。複数の地方語を使いこなしてはいたが、私が村の人に質問すると、その人が答える前にドライバー氏が先に応えるという、典型的に私に嫌われるタイプの人だった。「永遠の友だち」氏は、筋骨隆々で、落ち着いていてかつ挑戦者であり、今だけでなく、先のことが読める。小学校しか出ていない。それでもその歴史とか土地に関する理解力の深さには本当に毎回驚かされる。知識の量ならば、私のほうが上かもしれない。なにしろ本をよんでいるのだから。しかし、それらのばらばらの知識が、どういう関連性を持っているかについて、こちらの地元の人の理解力は、そういう本を書く人の理解力を完全に凌駕する構築力を持っている(変な日本語やねえ)。これがものすごくおもしろい。歴史的に間違っているような事実でも、こちらの人の言説で組みなおすと、とたんにわたしの目の前で、明確な輪郭をともなって再構成されてくるのである。こういうやりとりのできるドライバーならば、誰しも自分の助手にしたいと思うのは当然である。そういう薀蓄はさておき、人柄がものすごく気に入っている。

そして、私と恋に落ちるような野暮はしないだろう。だから私も遠慮なく、実らぬ恋を楽しんでいるのだろう。ま、場所が場所だし、土地柄、未婚の男女が仲良く手をつないだりしたら、双方、打ち首の国である。その危険を冒すほどには、私も「永遠の友だち」氏も愚かではないのだろう。そのものわかりの良さが、なんとも哀しいのではあるが。


21-01-2008 / Monday

_ 夜中の12時に水浴びするような人は、なにかたくらんでいるものである。そういうわけで、わたしは聖油がふりかけられて、萎まずにらんらんと輝いている花を浮かべた水桶から、静かに水をくみ上げて、真夜中に水浴びをした。水は思ったほど冷たくなかった。浴場から部屋にもどり十分にタオルでふき取ったと思ったのだけど、朝、起きるとシーツの上に、花弁が丸まっているのが見つかった。別に宗教的な行為でもなんでもなく、日常生活の延長線上にある小さな祈りである。叶うとか叶わないとかではなく、それで落ち着くことができるのであればというふうに考えている。

すとんと眠りに落ちた翌朝は、少し頭が重く、体がだるい。しばらくして、突然の大雨。低気圧のせいにすぎなかったのだろう。なにかよいことがあればうれしいし、なくてもよい。静かな生活を送ることができれば、それでよし、である。


21-01-2010 / Thursday

_ 時計の針よりも正確に時を告げてくれるカルガモさんの体内時計のおかげで、みな規則正しい寝不足生活を送っている。諸先輩方からすでに聞いてはいたのだが、実際、最初の一ヶ月くらいの生活の不規則さというか不慣れさとか不測の事態の入り交じる何が起きるかわからない生活というのは、すごいもんだなと思った。某国界隈だと、複数世代という縦の時系列、わけのわからんキョウダイやらイトコやらといった横の時系列のダイナミズムに揉まれる大家族の生活が基本だから、新生児の面倒を見る大人は山ほど周りにいるわけだ。知らない人が子どもを沐浴させて、知らない人が子どもを受け取って着替えさせてくれて、知らない人が寝かせつけてくれていたりする。新生児の母と、その母あたりだけがむちゃくちゃしんどそうな日本の家族環境と比べると、母の回復のスピードなどもかなり異なりそうである。わたしも不規則にしか睡眠が取れなかったりするので、今頃なぜか目がらんらんと冴えていたりするのである。あと、自分に対する新しい二人称とか新生児の三人称にも不慣れで、「え?」と聞き返す局面も多い。自分に対しては、「お母さん」とか「ママ」とか呼ばれているのが自分のことだと気がつかなくて、「は?」とか「誰のことですか」と聞き返してしまったことが何度かあった。「ベビーちゃん」という呼び方もどこの病院でも共通のようである。名前がついていないときの子どもの病院の診察券は、「寝袋ベビー」と印字されていた。大学病院のNICUに入るとき、インタフォンで、「お世話になっています寝袋ベビーの母ですが」といって、電動ドアを解錠してもらうのである。知らない世界の言語を、わたしも日々習得しているようである。


21-01-2016 / Thursday

_ デビッド・ボウイがいなくなったという空っぽ感があって、ボーッと過ごしていたら、某グループが解散するとかしないとかという話題が、西出陽關無故人である当地にまで伝えられてきた。うんと初期の頃のいくつかの曲がものすごくカッコよかったので、思い出して、初めてYouTubeで彼のグループの歌を聞いたりしていた。青いイナズマとかダイナマイトとかシェイクとか…。誰でも歌えるというわけではないだろうが、ほんとによく出来た素晴らしい音楽である。みな楽しそうに歌っている。踊りだって、上手だ。当地に住んでいると、NHKの歌謡ショーとかのど自慢は見る機会も多い。だからつい先日も彼の人々が出演していたのど自慢を見たところであった。中には、彼らよりもはるかに歌が上手な素人の出演者もいたりしたかもしれないけれど、その褒め方とか人々との接し方がほんとうに上手で、みていて気持ちがよかったのである。ところがたいへんな難局に瀕していたというのは、ただただ驚くべきことであった。「謝罪」で本当によい方向へ舵を切り替えることができたのかどうか、未だ判然としない様子である。でも、いい歌は残るのである。それを歌った人たちの姿とともに。何にせよ、よい方向へ針路を取ることができたのであれかしと思っている。

ところで、学期末試験の採点も済んで、追試も終わって、やっと短い休暇が取れるようになった。週末から少しだけ豪勢に、プールのあるホテルへ泊まりに行く。本当は五つ星ホテル一泊というのを考えていたのだけど、質より量ということで、知る人ぞ知る小さなホテルで3泊する予定。ひたすら泳ぐ予定。


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