_ ○時×分の電車に乗ると、かならず乗り換え駅で待機している新型車両。その時間帯は、ちょうど会社帰りの第一波も落ち着き、まだ塾帰りの子どもたちも見えず、若人はまだ楽しい時間を過ごしているという隙間時間のよう。ちょっと不思議な時間。先頭車両に乗ったのは、私ともう一人だけだった。新しい車両の中は、新しい匂いがする。クッションの深緑もぴかぴかしている。腰掛けると、まだ弾力があって、背もたれもヘッドレストも高めなので、深く腰掛けると眠たくなってしまった。電車は静かに走り始めた。外には細く尖った月が見える。横を向いて窓ガラスに映った車内を見ると、私しかいないように見えた。いろいろ考え事。夜の川は、水のあるところがいっそう暗く見える。山もそう。銀河鉄道ってこんなのかなとぼんやりしていると、知らない駅に着いた。ひさしぶりに乗り過ごしてしまった模様。寝ていなくても乗り過ごすのは初めてではないので、慌てずに電車を降りて、反対側のホームに向かった。
_ 昨日、私を絶望のどん底に突き落としてくれた某大学の教務から連絡があって、全面的に非を認めてきた。いわく、専任教師からもクレームがきたので、非常勤講師の方々にもわかりにくいシステムであったのだと反省したとのこと。そこに至るまでに、私は久しぶりに怒っていることを相手に正確に伝えるメールを一度だけ書いた。そのあとは事務的に処理したけど、結局、その最初のメールが効いたようだった。怒るべき時には、きちんと怒らないといけないのだと思う。私は悪くないという論調で怒ったのでは、もちろんない。そんなことをしたら、大学と学生さんと私の間の信頼関係がゼロになるということを指摘しただけである。その意図を即座に理解してくれたので、助かった。助かったけど、変更された点については、もうどうにもならないとのこと。残念。
ずっと我慢し続けたり、とにかくまず謝罪するメールを書いてばかりしてきたので、正直なところ、某大学の教務の高圧的な内容のメールには驚いた。こんなメール、書いてもよいのだなと思ったくらいに。
世の中を渡っていこうと思えば、こんなことくらいで、いちいちショックを受けていてはいけないのだろうとはわかっている。でも、今は、そういう感覚の方を大事にしたいなと思う。おかしいこと、だめなこと、よいこと、たのしいこと。日々の生活では、まあいいやと諦めてしまったり、無感情に受け入れてしまったりすることのほうが多いし、楽なのは確か。でも、まあいいや。