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lost luggages ねぶくろ 書簡
--sleeping bag・g-ism/ist--

13-03-2011 / Sunday [長年日記]

_ 自然災害の現場を歩き続けてきたからということもあるから、今回の巨大地震津波災害の様子を主としてテレビで見ていて、既視感を覚えたりしながらも、全体的に冷静なテレビの報道(ほとんどNHKしか観ていないのだけど)に、ああ日本だなと思ったりもした。だけど、実際は、ツイッターとかがたいへんなことになっている模様。仕事の関連で、最近、読み終えた本、「災害ユートピア」をまたばらばらと繙いている。この本が出版されたのは2009年だけれど、それから2年が過ぎた今ならば、状況はもう少し変わっていて、きっとこのツイッターがらみで新しい一章が付け加えられるようなことになるのだろう。

現場での経験から言えることでもあるのだが、「今できること」を一番効率的にできるのは、やはり緊急援助のプロだけである。自衛隊、警察、医療関係者、被災地の行政の人たち、それからこれから入ってくるだろう国際援助機関の人たちだけだ。被災地の外にいて、被災地に親族や知人がいない人は、ツイッター以外にもできることもある。大体、一ヶ月後くらいを目処に、長期化した避難所暮らしの人のためにできることを考えること。本とか子どものおもちゃを差し入れるとか、女性のためにクリームや化粧品、いい匂いのするリップやハンドクリームを、ちょっとした小袋にいれて用意する。清潔な入れ物に用意した生理用品と下着類を配るというのもある。男性にはひげ剃りセット。被災地にももうすぐ春が来る。花の種や苗を送るというのもある。(もし本当になにかをしてあげたいと考えるのであれば)もう今もポスト巨大震災の日常を生き始めている人びとのことを、ずっと気にかけていくことも大事。自分の日常と被災地の非日常が、今はまったくクロスしなくても、それがいつか平行走行するようになったり立体走行するようになるように、寄り添っていくこと、それを続けていくこと。それが大事。被災地を見守っていくこと、共同体の再生として捉えるのではなくて、むしろ新しい共同体を作って、生きて行く人を支えていくこと。。

今日のためにこれまでこういう研究をしてきたということではないのだけど、自分の経験が何かの役に立つとしたらこういう方面のことだけ。今は失職しているから、ほそぼそとこうしてつぶやくくらいしかできないんだけど。。(わたしはまずは自分の日常を再建すること!)

_ ものを送るということについて。

ちょっと上に書いたけれど、実際にそれを送るということを意味しているのではない。たとえば、そういう活動をしているボランティアNGOに募金するとかそういうこと。というのは、安易にものを送るのは、むしろ迷惑になる可能性があるという事例を数多みてきたため。ロジスティックという役割は、ほんとにたいへんなのだ。たとえば非常用のインスタント麺。救援物資用のテントに入りきらず、ロジスティックの役場の職員が困り果てて闇に流して小遣いを稼いでしまったとか、雨露に濡れてしまい廃棄せざるをえなくなったとか、急性の生活習慣病を発症する人が急増したとか、たくさんある。自分でものを用意して送りたいという場合は、自分が直接持って行くことを前提として、用意してみたらいいと思う。そうすれば、誰にどうやって届けて分配するかを考えることがすでに、ものすごくたいへんだということがわかってくるからだ。どうしてもなにかしたい人は、ひとまず一万円くらい赤十字に募金して、コミットしたいという気持ちを落ち着かせてから考えるのがよい。今回の巨大自然災害は国家的なプロジェクト事業としてしか、復興はあり得ないのだから。国家的あるいは地方行政の枠組みで進められる事業だけではカバーできない問題にこそ、市民としての力を注ぐ場面がある。直接、力を注ぐ人もいれば、間接的に注ぐ人もいるだろう。さまざまな段階で、さまざまな関わり方ができる。自分の日常の延長線上で、他者の災難を考えること。


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