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lost luggages ねぶくろ 書簡
--sleeping bag・g-ism/ist--

21-11-2013 / Thursday [長年日記]

_ 文学部は、全17学部の中で、教員一人あたりの研究活動の成果および競争的研究資金の獲得のランキングが、もうずっと最下位なのだという。その理由が、個人研究室がないからだということに求められたこと、だからひとりあたりの学術的生産性を上げるために、今年度中にいずれ個人研究室が与えられるという話は聞いていた。で、既存の使われていない平屋の一棟が、日本語学科に割り当てられた。壁を設置して個人研究室を工事するということで、それが完了次第、引っ越しがおこなわれるといのことだった。そしていよいよ来月あたりという声が聞こえてきたのが、先月の末のこと。いつでも引っ越しできるようにと、荷物をまとめる人も出始めた。わたしはというと、もともと荷物がまだほとんどなかったということに加えて、いつも机の中は空っぽにしておくようにしていたので、ほとんど荷物は皆無であった。プリント類はどんどん処分していたし、書類箱がひとつとファイルが3つほど。でも引っ越し用の段ボール箱に一応いれて、用意はしていた。

今週の月曜日、朝、学校に来たら、部屋がもうからっぽになっていた。なにもない。もう引っ越したのかと思って、新しい部屋に来てみたら、共用スペースの小さな物置部屋に段ボール箱が天井まで山積みになっている。え。わたしの箱は、大きな模造紙の箱を入れたので、箱の上を閉じないでいたために、段ボール山の山頂に据えられていた。そしてその山頂部は、天井部と接しているのであった。しかし荷物が詰め込まれているその部屋は、他の三方はせいぜい段ボールが一段か二段積まれているだけである。段ボール山の部分は、裾野の直径が2メートルほど、高さが4メートルという、曲芸的な積み方によって造山されていた。どうしたらこうなるのか。まったく不明。わたしはしかし、いかにもこちらの人のやりそうなことだなあと思って、楽しくみていた。そう、楽しくないと、段ボールを運ぶ作業なんかできないのである。辛い仕事の中に、楽しい要素を見いだしたからこそ、雨が降る日曜日に、工事の人たちはこんな仕事が出来たのであろう。楽しく、わたしは感心もしていた。

しかし。他の先生たちは大ブーイング。なまじ日本経験が長い先生ばかりなので、こういうことは日本ではありえないという反応が先に立ってしまったようでもある。まあまあ、とわたしがなぜか取りなして、片付け作業を始めた。

床だってほこりだらけ、煙草の吸い殻だらけである。気の早い先生は、掃除の人を待たずに、たわしやモップでこすり始めた。みんながなんとなく落ち着きを取り戻した矢先、なんと今度は、部屋のペンキを塗り替えるという。ここに至って、さすがのわたしもなんじゃそりゃ?という反応を示したのだが、その次のことばを聞いてさらにどひゃーとこけてしまった。ペンキを塗ったあと、新しく窓を付けるので、壁をぶち抜く工事をするとのこと。段取りとか工事計画とか、そういうものが全くない国だとはよく知っていたけれど、もう笑うしかない。。無駄を省くとか、エコとか、そういう発想がゼロ。。そこでアカデミックな生産性を上げる活動をせよというのは、ちょっと無理な話ではないのだろうか。インターネットが開通するのはどうやら来年初頭とのこと。電話だって、まだ電話線が引かれていないとのこと。すごいなあ、すごいよなあと、ひたすら感心して、おもしろがっています。「センセイ、こんなことになって、スミマセン」などと謝ってくれる先生もいらっしゃるのだが、思えば、わたしはずっとこういう不思議な世界を観察してきたから、別に驚くべきことでもないと受け止めているのである。日本がやはり突出して変な国だと思えば、別に何事もどうということではないのである。


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