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lost luggages ねぶくろ 書簡
--sleeping bag・g-ism/ist--

17-08-2014 / Sunday [長年日記]

_ 高校では夏休みに作文とか創作物(小説・詩・戯曲など)とか小論文などなどを書く課題が、現代文の宿題として出された。わたしは一年生と三年生のときに、課題が選ばれて掲載された。選ばれるのは基本的に各クラス一名だったと思う。なので、毎年、30数編のさまざまな散文やら創作物を編集した文集が出されるのであった。一年生のとき、ひとつ上のサッカー部の人のエッセーがわたしの文の隣に掲載されていた。映画に関するものである。ジョージ・ロイ・ヒルという映画監督の作品についての、短いけれど、とても気の利いた素敵なエッセーだった。わたしはこのとき初めて、映画監督について書かれたエッセーを読んだのではないかと思う。とにかく格好いい文章で、文体だった。「スローター・ハウス5」、「リトル・ロマンス」そして「ガープの世界」について書かれていた。わたしは全部、映画を観たいと思った。しばらくして本屋に行くと、たまたまなのかどうなのか、ジョン・アーヴィングのスペシャル・コーナーが設えてあった。そこで、わたしは「ガープの世界」を買ったのだった。

それからいつ映画を観たのだったか、もうはっきりとは覚えていない。でも、とにかくT.S.ガープ役を演じたロビン・ウィリアムズの、愛嬌があるのに、どこかしら少し寂しげなあの口角をきゅっと上げた笑顔というのか悲しい顔が好きになったのだった。彼の出演した映画を全てみた訳ではない。でも、それ以来、ジョン・アーヴィングを読むたびに、妄想の登場人物の誰かひとりに、かならずロビン・ウィリアムズを配置したものだった。頭の中のBGMはいつもどんなときも、When I'm 64(ビートルズ)。「ガープの世界」の主題歌だった。彼がいなくなって、本当に寂しい。

「私一人」。ベティ・バーカル/ローレン・バコールの自伝を買った日のことも、とてもよく覚えている。6月のある大雨の日、文字通り、本当に貯金箱を割って小銭を掻き集めて、夕方、ひとり電車に乗って大きな本屋まで行った。映画コーナーで見つけて、背伸びしてその本に手を伸ばした指の感触まで覚えている。白地に青で書店名が入った、今では考えられないくらい洒落たカバーを付けてもらい、我慢しきれずに電車のなかで読み始めた。何度も何度も読んだ。ボギーとローレン・バコールには特別な思い出があった。ローレン・バコールには100歳くらいまで、生きていて欲しかった。でも今頃は、ボギーに再開して、ふたりで楽しく素敵な時間を過ごしていることだろう。胸が締め付けられるような死が続いて、少し寂しい8月となった。


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