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lost luggages ねぶくろ 書簡
--sleeping bag・g-ism/ist--

08-05-2003 / Thursday

_ 雨の日に家にいるのが好き。今日みたいにひんやりしている雨の日がちょうどよい。窓を開けていると家の中でも雨が降っているように、音が一杯に飛び込んでくる。

ということで、明日の休日を今日に取った。

_ 生産性上がらず。焦った方がいいように思うのだけど、焦ることができなくなったような気がする…。よくないなあ。国際シンポも、原稿の準備が間に合わない。オーディエンスとしてだけ、わざわざ出かける?それが今後の起爆剤になるのであれば、行くのだけど。。。よくない。このままでは。。。


08-05-2004 / Saturday

_ メールボックスのところで某先生に久しぶりにお会いした。立ち話ながら、痛いところを指摘される。ずっと店ざらしにしている件とか、公募をもっと出さないといけないという件とか。わかりすぎているつもりなのだけど、某先生が仰るのが正しいのかもしれない。いつまでも悲劇の主人公でいるのは、ナルシスト気分を味わっているだけだという指摘。そうかもしれないなと、封印していたことを考え始める。(研究を続けていきたいのか?)。

_ 別件のメールも来た。機が熟しているというのは、こういうことをいうのだろうか。動かないといけない。


08-05-2006 / Monday

_ 淡々と毎日を過ごしているけれど、明日のことは誰にもなにもわからないからなあ。だからこそ、後悔しないように、全部自分の責任で行きたい。他人には絶対に迷惑をかけない覚悟で、淡々と過ごしたいと思う。四六時中、つるむ友だちはいないけれど、心底困ったときに、すがりつくことのできる友だちはいる。絶対に、受け入れてくれる友だちがいる。そういう人がいるという気持ちを支えに、淡々と行きたい/生きたい。

_ なぜそこで家を買うという選択肢がでてくるねんなー、と一喝されてしまった。もっと違う選択肢はないのか、たとえば結婚相談所に行くとかー、と。家に投資するほうが、絶対、後悔しないような気がするものな。あと、基本的におうち人間なので、のんびりできる家があったら、あとはなんでも我慢できるような気がしている。それに、仕事だってはかどりそう(嘘かもしれない)。


08-05-2007 / Tuesday

_ なんかしらんがいつの間にか某国へ電話などかけていたりする。相手の声はばかでかく聞こえるのに、わたしの声が小さいと言われる。声が小さいと言われると、なぜか全人格否定されたようにどきっとしてしまうのは、幼少の頃からの人見知りの激しさ故のことかなとか。幼稚園の時から今日に至るまで、誰になんと言われようと、引っ込み思案で人見知り街道を走ってきたので、わかっちゃいるのだが、もっと大きな声で話せといわれると、がーんとショックを受ける。この人が語学教師だからというのもあるのだろうか。滑舌の悪い舌足らずな話し方しかできないので、今でも、「おかあさんいる?いたら代わってくれる?」などと、電話勧誘員に言われるものな。まあええですけど。

_ フィードバック返ってきて、はは。絶望の極み。欲が深いとも言われる。あはは。

_ 素麺ばかり食べ続ける。鯖寿司もちょっと。ばあちゃんのちらし寿司は甘みの強い酢飯で、ちりめんじゃこが入っていた。凸凹の古い町家に共通する土間と床下の埃の匂い。裏庭の苔生した流し場の冷たい井戸水とか、素麺食べながら思い出す。申請書、このまま出してもいいかなという気がするけど、まあがんばる。がんばってみる。

_ 某申請書のたたき台をあちこちにばらまく。かなりとほほな内容なので、本人の満足度とは裏腹に、読む者を困惑させる書類である。正味半日で書いたものであるため、勢いだけはある。中身はない。

_ 院生3年目あたりから、いろいろな助成金や研究奨励金をもらえるようになって、長年の夢だった、本屋で好きな本を好きなだけ買うことを実現できるようになった。そうやって買い集めた本の半分以上は、まだ読んでいない。勉強の本だから。いつか役に立つと思っていたから、後ろめたい気持ちはなかった。長じて、なんのお金もなくなり、給料はないけれど、研究調査費だけはなんとか自力で当てられるようになったものの、往事の勢いで本を買うということはできなくなってしまった。長らく、学術書など買っていない。

昔の本棚を眺めていたら、思わぬ感慨に浸ってしまった。そのときのわたしは、今現在のわたしの関心を予見していたのだろうか。本来の自分の調査対象ではなかったはずのタイトルが、ずらりと並んでいた。いまならば、とても買うことができなかったであろう(高価かつ絶版)になっている本がある。当時のわたしが一体、なぜこれらの本を蒐集していたのか、今となってはわからないが、不思議なことだなと思った。おかげで、苦労しなくても必要な文献が、手が届くところにある。無駄な買い物をしていると思わないわけでもなかったけど、こうして役立つとは思わなかった。亡くなられた恩師の蔵書もまた、その蔵書整理を担当したということもあって、膨大な貴重書・稀覯本を譲り受けてもいる。それも役に立ちそうな気配を見せていて、いろいろなところで、すべてのものがつながっていく不思議のようなものを感じている。


08-05-2010 / Saturday

_ 蹴上まで革製製本展を見に行く。偶然、製本の歴史に関する説明が始まったところで、思いがけず興味深い話を聞くことができた。ヨーロッパの市民革命あたりまでは、本といえば製本前の印刷した紙の状態で売られており、それを各「家」(メディチ家とかナポレオン家とかそういう単位)の決まった色や背表紙の文字の色などを入れて完成させたものを、本屋が届けること、それが本を買うということであったそうだ。だからどんな分野の本でも、色や装丁の素材は統一されており、本の内容が装丁に反映されることはなかったという。よく天小口などに金箔などを貼っている本があるが、あれは金持ちの現れとかそういうことではなく、本を丈夫に長持ちさせるための処置なのだそうだ。虫が入りにくい上に小口のところが全体に非常になめらかに処理されているため、ほこりもたまりにくいという。元は、迫害されていたような宗教の啓典など、地下やら洞窟やらそういうところで読むにあたっての措置だったらしい。モロッコ皮はいまではインドで生産されるようになっているとも聞いた。

本の内容に即したような装丁がなされるようになったのは、印刷された本が書店に並ぶような時代になってからのことだとか。それまでは何々家蔵書とわかるような装丁が中心だったため、個性的な装丁というのはあまりなかったらしい。そういう細かい、そしてなにかあらゆる想像力を駆使することを刺激されるような話を聞いた。

欧州では革装丁の本の修復職人がいて、そのギルドで訓練を受けた人が、昔、図書館にいた。ギルドということばの響き。手に職があるというのは素晴らしいことよなあと思いつつ、帰宅。よいお天気だった。緑の葉や花の芳香とともに、新しい本の扉を開いたときの匂いがどこからともなく漂ってくるような気がした。


08-05-2011 / Sunday

_ どうにも煮詰まってしまって、でも日本語で話したかったので、先輩に電話をかけてしまった。こんな中学生みたいなことで、こどもがふたりいる人に電話なんてしてはいけないと思っていたのだけど、「そういうふうにいってもらいたかった」ことばずばりで、慰めてもらった。そのことばがおとなの付き合いから出されたものであることは重々承知…なんて、かわいくないことは思ったりすまい。なにをあほなことをゆうてんねん、などと弾き飛ばさずに、きちんと話を聞いてくれた度量の大きさに、感謝した。もう煮詰まって煮詰まって、頭が高野豆腐みたいになっていた。今もまだ決して落ち着いてはいないけれど、ほんとうにどうしようもなくなったら、まだ少なくとも一人は、話を聞いてくれる人がいるのだから。そう思って、がんばることにしよう。一度、どこかで思いっきり、泣いてみたい。そしたらすっきり晴れるんじゃないかと、そのことだけを考えて乗り切るしかない。


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