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  1. ね (10-09)
  2. ぜぶら (09-26)
lost luggages ねぶくろ 書簡
--sleeping bag・g-ism/ist--

01-09-2013 / Sunday [長年日記]

_ 子どもが持って行ったオリーブの苗木は、みんなが植樹祭をしてくれて、クラスの花壇に植えてくれたという。子どもはまだ訳が分からないだろうけれど、かあちゃんは自己満足的にうれしかった。

わたしが就職できたということはみなとても喜んでくれているのだろうけれど、いつまで続くだろうか…と思っているところはあると思う。それはことばの端々から感じられる。悲観的な見方をしているとかシニカルに見ているからそうなのではなく、わたしに関してはみなそれぞれに不安を感じているのだろうと思う。ここには一度も書いたことはなかったけれど、数年前に父の会社が倒産した。夢にも思わないような出来事であったため、家族だけではなく親戚も含めて、みなたいへんな時期を過ごした。バブル時代もその後の低成長の時代も、ずっと盤石の態勢で来ていた会社だったのがなくなるなんて、誰も思わなかった。それで文字通り、なにもかもなくした。家族も離散した。その後、縁あって結婚して、子どもが生まれて、人並みの生活のようなものができるようになった。それでもずっとたいへんだった。細々と大学の研究を続けてきたけれど、それももう無理になって、新しい方向転換をして、びっくりするくらいの薄給だけど、なんとか仕事も見つかった。これからもずっとたいへんだと思う。なくしたいろいろなものも、もう二度とは手に入らないだろうし、人との距離感も決定的に変わってしまった。

明日、わたしは日本を後にする。もう帰って来られないかも知れない。でも今日で一旦、死んだつもりになろうと思っている。明日の朝、起きたら、また新しい人生を始めようと思っている。今度はもう少し幸せになろう。そう思っている。

行ってきます。


08-09-2013 / Sunday [長年日記]

_ 明日から授業。新入生は年々、減少していて、今年は31名。すでに検定試験の中級レベルに合格している人も数名いる一方で、まったくのゼロ初級もかなりいる。ガイダンスのときに、「親に、文学部の日本語専攻なんかに入って、いったい将来、なにをするつもりだといわれた。就職できますか」と質問する人もいた。こちらの先生は、実に鮮やかにその質問に対応されていたので本当に感心した。その回答を一言で書くとしたら、「大学で勉強するのは自分自身」。もともと、こちらの筆頭大学の哲学科を出ている先生なので、とても明快に、論理的に答えておられた。こういうやりとりを、新入生との顔合わせの場で聞けたことは、とてもよかったと思う。もうあまり日本ではみられなくなったような、厳しさをベースとした信頼関係みたいなものがこちらにはまだ濃厚にあって、とくに日本語専攻は寺子屋的な雰囲気が漂う。学生は、職員室に入ってきたら、全員の先生にひとりずつ握手していき、用事のある先生のところへは最後に回る。週に一回、専攻会議があり、翌週、各回生で何を学習するか、先週、どんなところで授業がうまくいったか、躓いたかを発表する。

授業中に飲み物を飲むのはOK、食べ物はだめ、でもあめちゃんくらいならよい、机に突っ伏して寝るのはアウト、携帯電話は教室に入る前に電源を切る!とか、そういったことは徹底させるようにと、同僚の先生たちから言われている。こういったことに厳しいのは、日本の大学で教えた経験がある先生たち。

わたしは本当に、これから必死で勉強していかないといけない立場なのだけど、そういうことも含めて、同僚の先生方が、わたしがやりやすいように、まずはやりながら考えてみましょうと言ってくださる。本当にありがたい。

今学期は日本語だけ教える予定だけれど、来学期からはわたしの専門を大学院で担当することになっている。これも不安で仕方がないというのが正直なところ。

昨今の学部to学部レベルのMOU締結の流行で、日本の大学の夏休み期間は、ほとんど毎週のように、短期交換留学や研修の大学生たちがきていたそうだ。今もふたつの大学から来ている。来週はもうひとつ。先週は、一番親しい大学の先輩がMOU締結準備のために来ておられた。来週は、短期調査で大学院の同期が、連続特別講義として某国研究の重鎮先生がお見えになる。来月は客員教授の特別講義として、恩師が来られるとのこと。そういう際の、要員として動くことも求められているので、きちんとこなしつつ、授業準備も手を抜かないというのを堅実に進めていかねばならぬ。。がんばるしかない。


13-09-2013 / Friday [長年日記]

_ 日本の大学からの先生の特別講義で通訳。某国語力が低下していることを痛感。遅ればせながら、昨日から新聞を毎朝買ってから大学に行き、気になる記事をクリッピングして速読しながら訳していき、単語チェックするのを始めた。全盛期とおなじくらいのレベルに戻したい。

アパートに移るまで、学部が所有するゲストハウスに住んでいる。ゲストハウスは構内にある。この区画は大学創設の際に貢献した名誉教授のかたがたに年金代わりに用意された住宅区で、緑が多く、道幅も広く、とにかくびっくりするくらい空気が澄んで静かな場所だ。朝夕、散歩しながら子どもを保育園に送ったり、構内のフードコートへ夕食を食べに行ったりしている。今日の夕方、フードコートに行ったとき、男女二人ずつの4人組みがあいだにひとつおいたテーブルに座っていた。一番大きな声で日本語を話している若い男性は、どこから見てもこちらの人の顔。ところが、完璧な東京方言の若者言葉を操っていた。あとの3名は同世代の若い人たちだけど、この人たちの話し方と決定的に違っていたのが語彙の豊富さ。どんなバックグラウンドの人なのかまったく想像もつかないけれど、これだけ外国語が話せたら、夢は広がるだろうなあ…とうらやましい思いがした。というか、本人にとってはもはや日本語は母語なのだろうけれど。

この季節は右を向いても左を向いても、日本人ばかり。大学院の同期も来ていて、いろいろ話す。

子どもは最初こそ、ほんとうにたいへんだったけれど、保育園では仲良くしてくれる年上の友だちがふたりいて、この頃は喜んで出かけるようになった。それでも、先生にお願いしますと子どもを預けるときは、泣いたり暴れたりでたいへんなのだが。そして涙で顔をぐちゃぐちゃにしつつも、「ママ、おやつお迎えしてね(3時頃に迎えに来て欲しいの意)」と言って、わたしを送り出してくれるのである。。えらいなあ、ありがとう〜といって子どもに手を振って階段を下りていく。子どももわたしも、新しい環境でとにかくなんとかがんばっている。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

_ ぜぶら [落ち着くべきところに落ち着いたようですね。 何よりです。 here and nowの幸せを祈ります。 お暇なときに..]

_  [ぜぶらさん、ありがとうございます! まだばたばたしていますので、時間見つけて、お便りします。]


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