_ 身軽でいたいなとおもうだけど、身の周りにものが多すぎる。一番多いのは本、次いでCDとか音楽関係、最後に洋服関係。よく無人島に一冊持って行くとしたらとか、一枚持って行くとしたらという質問があるが、私の場合、無人島に持って行くとしたら今ところ、なんとなく白川静先生の漢字辞書関係がいいなあと思っている。辞書好きはつとに知られているのだが、なんといっても新しいページの手触りと匂いがよい。そういうわけで、今、絶賛発売中の新しい辞書を欲しいなと思っている。装幀も白黒できれいだし。
_ 本棚の整理をしていて、笑ってしまった。『ベルリンの瞬間』とか『カフカのプラハ』とか。どちらもいつも目線の高さにあったのに、旅行に行く前は全然気がつかなかったみたい。二冊とも今みたいに寒い時期に、お気に入りの本屋で買ったもの。積ん読ではなく、本棚に並べたきり、読むのを忘れていた本のよう。何を考えていたのやら。平出隆は読み始めると止まらない。たそがれ清兵衛がコマーシャルになると、慌てて読みふけり、コマーシャルが終わっても気がつかないでいる。藤沢周平の原作を読んでいるからいいや…などと、もったいない時間の使い方。しかし、こんな中途半端な時間にしたことがいつまでも記憶に残ったりするもので、正座して本を読んだりするとつまらないものである。転がったり、なにかしながら読むのが一番好き。もちろん、そんなことをする余地のない読書の時間に溺れることもある。明日も本棚の整理をしよう。何が出てくるかわかったものではない。