_ 北村薫の「円紫さんとわたし」シリーズの第二集(といってよいのか)『夜の蝉』の中に「六月の花嫁」という巻がある。軽井沢にある友だちの別荘の冬支度をするために、水道栓を閉じたりするついでにみんなで遊びに行くという話。ついでにカップルも誕生するのだが、その経緯をめぐる円紫さんの手品のような推理がすばらしい一品。この中で、語り手である「わたし」さんはジャム屋さんで<ルバーブ>のジャムを買う。説明によれば、ルバーブは「西洋フキ」なんだそうである。「ロシアンティーにぴったり」でもあるそう。スカンポは西洋フキとどれくらい親戚なんだろうか。
ルバーブのコンポートが安売りになっているのを買ったことがある。ヨーグルトにかけて食べたのだけど、小さい頃から憧れていた味って、ほろ苦いんだなあと思った。見たことも聞いたこともない素晴らしい味がするように思っていたので、とても素朴で「へえ?」と思うような淡泊な味がして、すこしがっかりしたのかもしれなかった。そういえば、漢字で書くと「大黄」なのでしたっけ。
そして今、近所のケーキ屋さんでは、「ルバーブのなんとか」というケーキが売り出されている。食べてみたい気持ち半分、憧れの味は取っておきたい気持ち半分。
しかし、やはり気になっている人は多かったのだなとうれしいです。調べてみたら、タデ科の植物で、見た目はやはりフキでした。お母さんの表情がとてもよいと思いました。
_ 今日はよう仕事したー。