_ 電車の中で小川洋子。たぶん、ブルーノ・ガンツかマルチェロ・マストロヤンニが男性役で、女性役は石田ゆり子もしくはウィノナ・ライダー。イザベラ・ロッセリーニでもよい。なんてことを想像しながら。少年役は「Au revoir, les enfants」の写真の男の子か、「鬼畜」の男の子(最後に「とうちゃんじゃないよー!」と叫ぶ子)、女の子は…いろいろたくさんいそうだな。監督はアンゲロプロスか、思い切って市川崑。林海象はあまりにぴったり過ぎるか…、などと考えつつ読む。
_ 博物館へ。きれいなものをたくさんみて、いわゆる心の洗濯。どちらかというと静寂とか安寧ではなく、パッションを得る。サブコンチネンタルに行きたいという旅心がかき立てられた。
おいしいものも食べる。たくさん歩く。直筆原稿を見る。熊野のサンマ寿司を食べる。美味。昨日は鯖寿司。こちらも美味。おいしかったなー。
母校(高校)近くの明治時代から続く老舗書店も、看板を下ろしていた。○×銀座という小さな商店街の入り口にあった木彫りの大看板は、どこへ行ったのだろうか。跡地には99円ショップがあった。全然、似合わない。明治以来の女学校だった母校の校舎は、多くの人々が保存することを嘆願して、かなりの規模の人々を動員したにもかかわらず、解体された。時計台の下にあった戦中の爆撃痕も、もう今はない。地方都市であっても、新しいものがどんどんとパズルを埋めていくように、古い地図を蚕食している。そんな風景をみながら、次にここを歩くときはなにが残っているだろうかとか、考える。記憶の修正作業は、これからもっと忙しくなるのだろうか。