_ 国土地理院のとてもすてきな先生、公文書館のおしゃれな司書さんと話。国土地理院の先生、先生とわたしは呼んでいるけど、雲の上の人である。この先生は、昔から、わたしの研究に関心を持ってくださっていて、昨日も早速会うなり、その話になった。そして今の研究の話にもなった。先生もまたその古い街のご出身であったということを知る。その街の話をしているときに、先生が、「彼女、T先生によく似ているね」と、同席していた別の先生にささやいた。わたしのことである。T先生が亡くなられてからもう十三回忌ではなかったか。T先生は男性だから、外観が似ているということではないようで、その古い街に関するわたしの考え方とか意見が似ているということであるようだった。そのようなことをいわれたのは初めてのこと。恐れ多いという気持ちで一杯だが、せっかく古い街に住むのだから、T先生の足跡に触れるような時間があればいいなと思ったのは本当のこと。あれこれ訪れたり繙いたりしたおかげなのかなと思った。そのおかげで、いつのまにか、T先生の旧知の方々とも知り合うこととなった。
今回、首都に出てきている理由は、純粋な休息。古い街で過ごしてもよかったし、ざくざく友だちのいる村に帰ってもよかった。が、とにかく休みたかった。それだけ疲れていた。首都で過ごしてよかったと思うのは、離れているからこそ、すぐそこにいるように届いてくるさまざまな声。耳をすませて、よく聞き分けられるよう、十分な時間が取れた。