_ 夕べは演劇鑑賞。昨日は、日本でいうところの大衆演劇のようなもの。伝統的な庶民の着る衣装を身につけて、現地語で、現地音楽の生演奏のもとに演じられる喜劇である。二分に一回は、爆笑がわき起こるか喝采の拍手が鳴り響く。歌舞伎のかけ声のように、俳優の名前を呼びかけたりもする。昨日の演目は、時代設定が古いタイプのコスチュームプレイであったが、ものすごくおもしろかったらしい。。というのは、ことばがまーったくわからなかったから。
語彙数が少ないからという理由で、わたしは最上級の敬語とその下の通常の敬語しかうまく習得できていない。昨日の演劇は、日常口語、常体が9割。王様が出てくるのであるが、王様が下々に者に向かって話すのは、常体。下々のものは、ぺらぺらと王様に話したりしないものなので、敬体はほんのちょっぴり。でも雰囲気はとてもよかった。昨日の俳優は、現役の市長とか現役の大学の先生とかが、かなり重要な役所を演じていて、それがまたほんとうに上手だったから。話の内容は皆目検討はつかないのだけど、演じている雰囲気や常にわき上がる笑いや拍手、合いの手などから判断するに、素人の芸ではなかったようだった。
案の定、今日の地元紙の一面は、その写真が大写しで掲載されていた。午後8時に始まって、幕が下りたのが深夜零時。4時間もの間、休憩もなかったわけだが、観客の集中力もすごかったと思う。夕食を家で食べたあと、気軽に家族で普段着で会場に来て、食べたり飲んだり携帯電話で話をしながら、楽しく文化と親しむ。なかなか楽しい経験であった。
で、冒頭に大衆演劇と書いたけれども、吉本新喜劇という雰囲気もある。ただし、社会風刺とか歴史的な内容をかなり援用して、地域性を打ち出している点をみれば、うーん、なかなか大衆演劇という枠にも収まりがたいか。でもとにかく下ネタとか馬鹿ネタ、まさに吉本新喜劇としかいいようのないまさに絶妙なぼけとつっこみの会話のオンパレードは、関西には実に親しみ深いものであり、話がまったくわからない分、かってにあの人は中山美穂(新喜劇のね)、あの人は内場くんとか勝手に見立て、楽しみました。もっと勉強しないとなー。とまた本業からどんどん遠ざかっていく今日この頃です。