_ 子どもが好きなぬいぐるみは、オレンジ色のクマ、キリン、カメ、機内でもらった小さいパンダである。このぬいぐるみたちは、他のぬいぐるみとは別格のようで、保育園に行くときなどは、自分の遊び場にこのぬいぐるみを寝かせて、ハンカチやタオルをそれぞれにかけて、「まっちちね(待っててね)、ねんねんこしちちね(寝ててね)」と声をかけて出て行く。そして帰ってきたら、「まっちちくれたの(待っててくれたの)、ねんねんこしちちの(ねんねしていたの)」と言いながら、布団にみたてたハンカチなどを払いのけて、全部を抱っこして、ミルクをあげるまねをしたり、おやつを食べさせるまねをしたりする。ある夜、寝ていた子どもが起きて、突然大声で泣き出した。何かをあわあわと話しているのだが、よくわからない。あやしながらよく話を聞いてみると、今日はぬいぐるみさんたちにおやつを食べさせるのを忘れたという。かわいそうだから、今、アンパンマンせんべいを食べさせたいという。もう仕方ないかなと思って、夜の夜中におやつの用意をしたのだが、みんなに食べさせながら、最後は全部自分で食べている。おなかが減っていたんでしょうねえ。。さすがわたしの子ども、悪知恵というのかなんというのか、絶対に食べたいと思ったら、なんとかして食べるんだという意思が表れているようで、笑ってしまった。
別格四人組以外の犬やクマなどのすべてのぬいぐるみさんたちも、ときどきみんなで食べるおやつにかり出されることがある。テーブルに見立てた座布団の周りにみなをぎゅうぎゅうに並べ、座布団にありったけの器に見立てたブロックなどを並べ、「みんなでいただきます」というのだが、すぐに「ちょっとまっちね(ちょっと待ってね)」というのも好きなようです。新喜劇だと、全員がずっこけるような場面かと思われる。一体、どこでそんなことを学んでくるのだろう。。よくわからないけど、ずいぶんと笑わせてもらっています。
_ 図書館に続く商店街の中の、小さい小さい一角に、「貸し鉄」という看板を掲げたお店ができたのは、一年くらい前のことだっただろうか。鉄を貸すってなんじゃいなと思っていたのだけど、店内の様子は、近づいてドアからのぞき込まないと見えないので、気になりつつもずっと通り過ぎるだけだった。ところがある日、ドアが大きく開かれていたので、乳母車を押しながら、ぐっと近づいてのぞいてみたら、なんと鉄道模型が狭い店内一杯にセッティングされていたのだった。ここに自分のコレクションの鉄道模型を持ってきて走らせるから、「貸し鉄」なんかな?それともとにかく全部借り物で、好きなように走らせることができるということなんかな?と、詳細はわからないのだけど、とにかくそういう感じのお店なんだということがわかった。で、どんな人が入るのか気になりつつも、そういえば今まで人の出入りなんてみたことなかったなあということを思い返してみたりもしていた。で、その一週間後、図書館に行くときにまたそのお店をチェックしてみたらば、なんともう閉店してしまって、なにもかも撤収された後のような様子である。「貸しスペース」という張り紙があったのだ。なるほど、閉店するからドアが開いていて、なにか運んだりしていたのかなと、今更のように合点がいった。しかし、なんか一抹の寂しさを感じたのは、子どもが鉄道好きだからなのかもです。。どこかの街に移転したとかだったらいいなあ、なんて思ったりもした。