_ 先週の土曜日、子どもを保育園に迎えに行って、簡単に夕ご飯を食べてから夏祭りへ行った。こどもの頃の記憶とはまったく違って、山ほど人がいる。真ん中にある櫓の上には子供会や町内会の女性ばかりが浴衣姿にたすき掛けで陣取り、バチを握って太鼓のをリズミカルに叩いている。なんて幻想的な雰囲気なのだろうと思うほどに、提灯の明かりがよい感じの温かい色を放っていた。
子どもはスーパーボールやら金魚すくいやらいろいろな夜店にも心惹かれていた様子で、楽しんでもいたのだが、一番関心を持っていたのは、やはり盆踊りだった。子連れの人も、子どもを抱っこした状態で踊っている人もたくさんいた。
我慢しきれなくなって、子どもは両手を上にかざしながら円陣に加わっていこうとする。わたしも後を追って、子どもと一緒に円陣に加わった。
面白いなあと思った。どうしても踊りたい気持ちになる子ども。まだまだ小さいのに、音と太鼓のリズムに誘われると、すーっと体が動いて、手足が踊り出すのである。わたしは今も昔も踊りがとても苦手である。だからどうして自分の子どもがこんな自然に踊り出すのか、不思議な気持ちになる。結局、たどり着くのは、某国の血筋なんだろうなあということだ。子どもにはやはりやはり、夫の国の血が流れているからなのだろうか。とはいえ、夫も実は踊りが得手ではない。だから、遺伝というわけではないのだろう。盆踊りから帰るとき、子どもは泣いていやがった。もっと踊っていたかったのだろうけれど、あっという間にもう午後9時。また来年、来ようねといって、子どもを抱っこして、盆踊りの音楽を背中で聞きながら暗い家路を歩いた。