_ 今の下宿には台所がないので、毎回、外食ということになる。朝食は、果物やパンなどだから、日本にいるときと変わらないといえば変わらない。わたしの昼食については、とにかく安く適当なものをぱぱっと食べるということにしているので、それほど高くも付かない。問題は子どもの晩ご飯。ベジタリアンのお店でいつもテイクアウトしているのだが、それも子どもの好きな味付けや材料とは限らなかったりする。昨日は大型モールに行ったので、日本風と韓国風の料理を出すお弁当やで食べた。わたしとしては、こういうお店はほとんどが揚げ物なので、あまり食べたくはなかったのだが、子どもは、重箱のお弁当に里心のようなものを覚えたみたいで、しきりに食べたがったのだった。果たしてやってきたものは、ほとんどこちらの料理が日本風の器に入っているだけというようなものであった。和風とか和食とかではなく、こちらの人が「これが日本」「これが韓国」と思うようなものが出てくるのである。ちなみに韓国はチヂミならばまだいいのだけど、焼き肉なのであった。
子どももちょっと戸惑ったみたいだったが、自分の責任で、全部食べたのがえらかった。
近所には巻き寿司専門の屋台もあるが、こちらも、「これが日本のスシだ」とこちらの人が思っているようなものが出てくる。なので、巻き寿司の中身はソーセージとかこちらのカマボコである。巻き寿司にパン粉をまぶして揚げたものもある。新しい食べ物だと思って食べると、悪くはないけれど、日本食が食べたくて行くような店ではない。
日本食が食べたいときは、逆説的であるが、中華に限る。ほぼ外れがないし、スチームボートがある店ならば、ほとんど鍋料理とおなじだからである。
食べ物には本当に苦労しています。でもかわいそうなのは子ども。
なので、ときどき白いご飯だけ買ってきて、寿司太郎みたいなのと合わせて、海苔で巻いておにぎりを作っている。子どももうれしいし、わたしもうれしい。