_ 大好きな11月が始まる。
なぜミステリー小説しか読めなくなったんだろうと考えていたら、思い切り膝を打つような、我が意を得たりな説明を読んだ。「到底ありえないような出来事には感情移入する必要もなく、純粋にエンターテインメントとして楽しむことができるから」というもの。わかる、わかる。そういうわけで、ミステリー小説⑨割、その他の小説①割という感じで、読書をしてきたこの一年だった。
この一ヶ月で一番楽しかったのは、『陸軍士官学校の死』(ルイス・ベイヤード)。10年前に発売された翻訳もの。ついでにいうと、翻訳もののほうが物理的に距離がある分、感情移入への抵抗も高くなり、ちょうどいい塩梅に楽しんで読める気がする。
音楽では、もっぱらSonic Youthのカーペンターズのカバー曲「Super Star」を聞いていた。完全にストライクゾーンに投げ込まれた曲。出だしから襟元をぐっと鷲掴みにされたような気持ちになって、曲が終わっても元に戻れないくらいに、完全にノックアウトされてしまっている。それとサニーデイ・サービス「春の風」。不惑を超えてもこのエネルギー、である。クラクラしてしまう。ビデオの主演の男の子もまた、とてもいい。