_ 意外なことに、朝起きたときは、まだ雨が降っていなかった。だけど洗濯はせずに、まずは掃除。図書館で借りている本を眺めて、リモート授業の準備。早く読みたい気持ちを抑える。最近読み漁っているのは、現代韓国文学。といっても借りてきたものの、読んだのはまだ2冊だけだ。しかしその2冊は、とてもおもしろかった。『フィフティ・ピープル』(チョン・セラン)は、ただのオムニバスものではない。まるで万華鏡で、まるで木の根っこハウスのようだ。人は一人で生きているのではないということばを聞くことがある。でも、ほんとかな。この本を読むと、ふとすれ違っていたり、通りすがりに見たとかだけでも、なにか小さな「作用」があることもあれば、そうでないこともあるのだ、そういうことがあるかもしれないのだなあと思えるのだった。そんな、ハッピーエンドを期待して毎日生きているわけではないけれど、ふと、気持ちが元気になるような気がしたのだった。とてもいい本だった。