«前の日(02-18) 最新 次の日(02-20)» 追記
2002|05|09|10|11|
2003|02|03|04|05|06|08|09|10|11|12|
2004|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2005|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2006|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2007|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2008|01|02|03|06|07|10|11|12|
2009|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2010|01|02|03|04|05|06|07|08|10|11|12|
2011|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2012|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2013|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2014|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2015|01|02|03|04|05|06|07|09|10|11|12|
2016|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2017|01|02|03|05|06|07|08|09|10|11|12|
2018|01|05|
2019|01|03|04|
2020|01|

  1. ね (02-20)
  2. ラギ (02-20)
lost luggages ねぶくろ 書簡
--sleeping bag・g-ism/ist--

19-02-2004 / Thursday

_ 夕方、うちの周りを歩いているとどこからかふんわりと花の香りが風に乗ってやってくる。をを、もうとっくに梅が咲いているんだ。夕方は少しずつ長くなっているし、このくらいの季節はほんとにいいなと思う。別になにかうれしいこととかがあったわけでもないのに、足取りも軽くなる。

期待していて小説は、ちょっと冗長で、途中を少しだけ飛ばしてしまった。高野文子は『黄色い本』とは全然違う作風で、ちょっととまどい気味。そういえば、『チボー家のジャック』、函入りのを買ってある。これも読まなくては。映画もどんどん、行こう。

_ てっきり今日は金曜日と思っていたので、三連休とか勝手に思いこんでいたら、まだ今日は木曜日なんだ…。

_ ううーん。唸るしかないメールが来て、慰めるとも気晴らしともいえないことしか返事には書けないまま、送信。一緒に喜ぶことは簡単なのだけど、哀しみを一緒に受け止めることはやっぱり難しいものだ。こういうとき、私は「健康第一で」としか言えない。あとは「たっぷりと泣く」ことを勧めることだけ。泣けばお腹も減るし、眠くもなる。我慢するのが一番よくないのだけど、我慢しないという誘惑に打ち勝つのは実は難しい。ぎゅっと抱いてくれる人がいると一番いい。しかし、そういう人がいてもいなくても、泣くのは悪いことではない。我慢しないで、とだけ書いて送ったけど、我慢強い人にはますますプレッシャーとなってしまうだろうか。ままならないなあ。


19-02-2005 / Saturday

_ 久しぶりに夜更かしもできるようになった。

入院中の最後の方では、ひとりで売店まで歩いて行ってもよくなった。リフトに乗って、売店のある階までよたよた歩いて行った。先生からも、「病院ライフを楽しむように」と言われていたのである。売店のある階には、本屋、化粧品店、コンビニ、入院グッズ売り場、美容室、庭園などがあった。私はほとんど食事ができなかったのだが、先生が「おやつを食べるように」というので、ハーゲンダッツのアイスクリームを買って、休憩室でもさもさと食べたりもした。食べている途中で、寒くなったり気持ち悪くなったりすることもあったが、やっぱりクッキーアンドクリームっておいしい。元気になるかな、と思って震えながら食べたりしていたのであった(だめじゃないか)。

休憩室には見舞いに来た家族の人がお弁当を遣ったりもしていた。この小さな遠征は2回しか行わなかったのだが、その間、偶然にも同じ人に出会った。車いすの男の子。どうやら病院食だけでは足りないのか、口に合わないのかそんな様子であった。母親らしい女性が、マクドナルドのセットメニューを運んできている。男の子は、がぶりとハンバーガーにかぶりつき、一気に食べてしまう。お母さんも目を細めている。食欲ナッシングの私も、退院したらハンバーガーを食べるぞ、と思ったりした。

ずっと個室だったので、看護師さんや先生、お掃除のおばちゃんたち、そして御見舞いに来てくれる家族や友人以外にはほとんど他の入院患者の人とは接触はなかった。それでも、入院中のルーティンの合間に、だんだんと同じ階の人びとの顔も見知ってくる。サナトリウムって、こんな感じなのかなとか、トーマス・マンもやはり入院生活を送ったことがあったのだろうかとか、ときどきちらりと思ったが、ほとんどの時間を私はなにも考えずに過ごした。病室の窓からは、きれいな夜景が見えた。夜中に目が覚めても、こわいことは何もなかった。病院にいるという安心感のようなものがあったのかもしれない。それになんといっても、日本にいるのだから。帰ってこられてよかった、それだけは何度も繰り返し、思ったような気がする。

_ 本2冊。昨日、ブックファーストで『魔法』(クリストファー・プリースト)と『箱庭』(内田康夫)を文庫で購入していたので、一気に読む。『魔法』は…。翻訳のスタイルが好みではなかったということが大いに影響したようで、全体的についていけないままに、うやむやな展開に飲み込まれてしまった感がある。おもしろかった…のかにゃ。内田康夫は、いままでまったく自分の守備範囲になかった作家なのだが、入院中に読んでいた週刊文春の連載小説(長崎の軍艦島が舞台)がおもしろかったので、ふと手にとってしまった。一見、なんの共通点もなさげな二冊の本だが、思わぬ共通点があって、その意外さに驚く。浅見光彦(内田康夫の作中の名探偵)は、ピーター・ウィムジィだな。

_ 記憶喪失とまでは言わないけど、いろいろなことを断片的にしか覚えていない時間があって、今、記憶発掘作業に取り組んでいる。38度台の熱が一番、しんどいらしい。40度台になると、体がしんどいとかそういうことはもはやどうでもよくなって、ものすごく思考が途切れる。経験済みなので、熱が出ている間、(うかつなことは口にしないようにしよう…)という気をしっかり持っていたつもり(と思っているが、そんなことをとても考えていたとも思えず。記憶の美化がここにある)。なのに今、断片的に残されている記憶を拾い集めてみれば、

No thank you! Let me alone, please.

I'm not an ordinary Japanese!

今のお給料でも一人だったら食べていけます。

足を洗うのが難しいです。

などなど。

誰と何を話していたのか気になる。


19-02-2006 / Sunday

_ 公園の鳥小屋で、鳥が二羽、仲良く並んでいた。

_ 今回の出張の眼目のひとつ、あるいは課せられた役割のひとつは、研究図書の買い付けだと理解していたのだが、年度末にそんなふうにものを買うのはよろしくないから、調査してきて下さい、という指示が出た。はい。でも、そういうお金の使い方として、ぱわーぶっく、研究室で買っているよ。これはどうなるのだ。

なんといってもわたしは、気持ちを切り替えねば。むすっとしたままでは、某国に帰られない。どういう経緯にせよ、他に調査に行きそうな人がいるなかで、わたしが行かせてもらえることになったのは、ありがたいこと。しっかりと、元気にすごしてこないと。それに今まで振り返ってみると、わたしはこの時期に出張していたことがあんまりない。年度末はかならず日本に戻って、学振の会計締めをしなさいといわれていたからなのだけど、最近の人はいちいち帰ってこなくてもよいみたいだ。一度だけ、春先に日本に帰ってきて、桜が咲いているのを見たとき、なぜだか急に、イスカンダルかどこかから無事に帰還できたような万感迫る思いで一杯になったことがあった。今回、わたしはどんな気持ちで帰ってくるのだろう。なんにせよ、元気に帰ってこようと思う。


19-02-2012 / Sunday

_ 某日。子どもの耳のこととかの相談のため、ご自身が難聴である臨床児童心理学の先生のところへ行った。数少ないわたしの知り合いの方々がその場をセッティングしてくださったのだった。もう喜寿を迎えられているとのことだが、たいへん矍鑠とされており、ひじょうに若々しい先生だった。先生は母堂にたいへん感謝していると、一番最初に仰った。どんな場合でも母の愛情がこどもを救うのだということ、こどもを伸ばすのだということ、そういう話が中心であった。難聴というのは、聞こえないのではないこと、いろいろとはいってくる音の識別が困難だということ、そういう話を伺った。しつけなんてしなくてよい、過保護という特権はほ乳類だけのもの、存分に甘やかすようにとも話された。先週、子どもがイチゴ味のジュースを飲みたい飲みたいと訴えたとき、わたしは虫歯になるからだめといって、公衆の面前(スーパーの店内)で子どもを叱ったりして、なんて聞き分けがないんだ、、なんて思ったりした。そういうのが一番だめなんだそうです。三つ子の魂百までということばを間違って解釈しているということ。三歳まで厳しくとかではなく、三歳まであるいはずっとそれからもずっと、こどもをかわいがりさえすればいいのだということ、それが母親の仕事だということを教えられた。

保育園に迎えに行くと、ママ、ママ—!と満面の笑顔で全速力で走ってきてバン!と抱きついてくれるこどもをもっともっともっと大事にしてあげなければ。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

_ ラギ [うー。そうですよね。もう、反省ばっかりしてます。でも、また怒っちゃう。まだ6歳ですが、2さいのとき、3さいのとき、4..]

_  [そっかー、「イチゴジュース飲んじゃダメ」は、やっぱりどこのおかーさんもやってるんだ!(笑)。とっても気持ちが楽になり..]


19-02-2014 / Wednesday

_ あっという間に、一か月が過ぎてしまった。先月末にオファーがあって、昨日と今日、とある地方自治体の首長が訪問、いろいろな打ち合わせや調印式の通訳を務めることになった。で、いろいろ準備したりなんだかんだであっという間に二月が半分過ぎていた。で、昨日と今日が本番。あ”〜〜、ほんとに頭真っ白になって死にかけました。反射神経で通訳出来る部分と出来なかった部分があった。緊張するということは、不思議となかった。なぜだろう。それよりも、もう単語がひとっつも出てこなくて、ずっと頭にかすみがかかっている感じがした。30点の出来。赤点以下だ。こんなにできなかったっけできなかったっけ、、、と落ち込む余裕すらなく、通訳の先輩に電話してちょっと元気出して、夜は友人たちにおいしいものをたくさん食べに連れていってもらって元気出してがんばろうと思っているところ。今回の出張中、子どもは夫と留守番。初日はおやつもごはんも食べられないほど泣いて泣いて、たいへんだったそう。今日も泣きながら電話してきた。電話で話しても話しても、泣き止むどころかますます悲しみが深くなってどうしようもない様相であることが見えるようなほどになる。かわいそうなことをした。子どもがもう少し大きくなるまで、遠出の出稼ぎは控えたほうがいいだろうとも思いつつ、でもそうしないといろいろ困るのも事実。明日の午後には戻るので、子どもとたくさん遊ぼう。


«前の日(02-18) 最新 次の日(02-20)» 追記
2002|05|09|10|11|
2003|02|03|04|05|06|08|09|10|11|12|
2004|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2005|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2006|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2007|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2008|01|02|03|06|07|10|11|12|
2009|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2010|01|02|03|04|05|06|07|08|10|11|12|
2011|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2012|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2013|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2014|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2015|01|02|03|04|05|06|07|09|10|11|12|
2016|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2017|01|02|03|05|06|07|08|09|10|11|12|
2018|01|05|
2019|01|03|04|
2020|01|