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lost luggages ねぶくろ 書簡
--sleeping bag・g-ism/ist--

03-12-2003 / Wednesday

_ 家のパソコンがしょっちゅうおかしくなるので、ちょっと辟易する。壊滅的に壊れてくれたら、それはそれで割り切れるのだが、所有者とおなじで、ひじょうに中途半端にあちこちがおかしくなる。買ってからまだ一年と少しなのに、OSの入れ替えを何回したことやら。。。去年の秋まで使っていたIBMのデスクトップは、そういう意味ではとても頑丈だったと思う。叩いても壊れなかったし。

ちなみに今のパソコンの最大の問題は、定期的にブラウザが真っ白(=ブックマークが完全に消えたり、あらゆる設定が初期化される)になる、Becky!が使えなくなった、USBがいつもいつも「新しい大容量なんとかを発見しました!」とうれしそうに報告してくれる(毎日差しっぱなしなのに)、ウィルススキャンを始めると平気で3時間くらい掛かった挙げ句そこでクラッシュする、など。

_ 要するに、壊れているということなのかもしれない。


03-12-2005 / Saturday

_ 明日のくるり、ちょっと覗いてみようかなとか。

くるりは密かに好きなバンドだ。鉄道マニアで、眼鏡かけていて、ギターがうまいなんて。無愛想な声も好きだ。

まだ20世紀だったある日、別れて一年くらいたった先輩が東京で就職することになった。結婚しようという話も出ていたからか、少なくともわたしは、なぜそういう結果になったのかわからなかった。まだまだ相当に引きずっていたのだろう。引っ越しの最中のざわついている研究室にそっと入って、赤いリボンを掛けただけの「東京」を、机の上に置いた。なんだか若いね(笑)。

その人が上京して以来、会っていない。共通の恩師のお通夜でちらりと後ろ姿を見たし、そのとき遠くからこちらを見ていることも知っていたけど、もうそういう関係ではなかった。あの人はあのCDを一度でも聴いただろうか。

_ この日記を書くとき、文章を推敲することは、ほぼない。心中穏やかではいられないほどにミスタイプが多い人間なので、その修正はこまめにおこなうが、見落とすこともまた多い。さらには、読者を意識することもまったくなくなったので、読みやすい文章を書くということにも、注意を払わなくなった。その結果、文章を書くのがいっそう下手になったような気がしている。

なにを書くにせよ、メモ書きのように自分にだけわかればよいと割り切り過ぎると、だんだんと書く技術のレベルが下がってくるのだろう。

普段、メモを取るときは、わたしの場合はほとんどセンテンスで取っている(とかえらそうに書きますけど、同業の人、結構、キーワードで取っている人がおおいことを、つい最近知ったので)。単語やキーワードで取ると、あとからどうしても思い出せないことがあるからだ。センテンスで話を書き取るためには、最低限の目的語と動詞だけは押さえて、あとは割愛することになる。単語やキーワードで取るのとなにが違うのだといわれそうだが、少なくとも、わたし自身があとから読み返す段においては、まったく違う。掘り起こされる記憶の深さが違うとでもいおうか。

ときどき、たとえばお風呂で髪を洗っているときなどに、ある単語がフラッシュバックしてくることがある。昨日は「ペイガン」という単語だった。これはPaganのこと。英語で、「異教徒」「多神教徒」を意味する。別の言い方をすれば、一神教(キリスト教、イスラーム、ユダヤ教)以外の宗教を信仰するひとのことをさす。わたしはパガンという読み方で覚えていた。1ヶ月ほど前に、『結婚のアマチュア』(アン・タイラー)という小説を読んだ。少し不良ぶっていた長女が家出をしてヒッピーとなり、カリフォルニアのヨガ道場に身を寄せたと言う連絡を受け、夫婦が様子を見に行く。そこで娘が子どもにあらゆる体制から自由な名前をつけた聞かされる。それが「ペイガン」だった。そういう一連の記憶は、この1ヶ月の間に、すっかり忘れていたはずだった。それが、突然、わたしはそのあたりの記述を文章で思い出した。記憶の塊がぼろりとどこからか、剥がれ落ちてきたようだった。

そのあたりのくだりを読んだとき、リバー・フェニックスたち兄弟の両親もヒッピーだったなということを思い出したりした。兄弟の名前は、レインボー、エイプリル、リーフ…などがあるということも、何かの記述で読んだのだと思う。そういえばアヴリル・ラヴィーンも、フランス語の4月だな、ご両親はヒッピーだったのだろうか…というような、記憶の連鎖掘り起こし作業があった。その一方で、小説は読み続けていたので、すぐにそんなことも忘れてしまっていた。

それが昨日、なぜお風呂で思い出したのか。先日の出張の間、わたしはいくつかの宗教寺院を訪れた。歩いていて見つけたときは、かならず中に入ったし、写真も撮った。周囲の環境もすべてチェックした。移動中に見つけたときは、かならず地図で場所や環境を確認した。そういう作業をおこなっていて、一度ならず、頭の中に浮かんできたことばが、パガンだった。これは悪い意味ではない。とてもポジティブな意味で、多神教世界のことを語ることを考えていた。ちょっと楽しいことが書けるのではないか、と思ったのである。だから、旅の間の数日間は、妙に気分も高揚して、とにかく宗教寺院を探すことにエネルギーを注いでいた。

帰路にタイに寄ったとき、やはり似たような高揚感を得たわけだが、観光寺院をいくつか訪れたとき、そういう研究はもうすでに山のようにあるはずだという確信めいたネガティブな気持ちがわいたきた。欧米人の観光客に埋め尽くされた寺院の敷地の風景が、そう思わせたのかもしれなかった。さらにはわたしが思いつくくらいなのだから、といういつもの自虐的な気持ちになった。その途端に、すっかりとパガンをめぐる妄想は忘れてしまったのである。

それから10日余り。昨日、ハリー・ポッターをテレビで見ながら、ふと何かが頭の中で疼いた。途中でお風呂に入ったときに、やっとなにが引っかかっていたのかわかった。魔法界における宗教の位置づけ、である。冗長に書きつづるだけになりそうなので、割愛するけれど、きっとわたしの頭の中のどこかには、いまだ「パガン」ということばが残されていたのだろう。わたしはこのことばを、宗教の中で位置づけて解釈したいと思ったのではなかった。ネガティブな意味を付与されたことばとおもっていたけれども、別の角度からみれば、ことばの背景がちがってみえるのではないか。たとえば、魔法と宗教とを結びつけて考えることは、荒唐無稽かもしれない。しかし、あり得ない組み合わせをしてみることが、研究のおもしろいところのはずだ。。とまあ、ことばに書き起こしてみれば、大体、そのようなことを思いつくことになった。ちなみに、わたしは今まで宗教寺院の研究なんて、一度もしたことがないのである。況や、先月の旅先には人生で初めて足を踏み入れたのである。次にまた行くとも思えないのである、今のところは。

頭を洗い終えて、湯船に浸かりながら、大学にいなくても研究はできるのだから、自分のおもしろいと思ったことを調べるのは、なんだか楽しそうだなと思った次第。暗く鬱々としていたけれど、ありえない組み合わせの妙は、人を楽しい気分にさせるものだなと思った。

とまあ、久しぶりに意味のありそうな長い文章を書いてみたけれど、落ちなし、だなー。もうちょっと気合いをいれて、日記を書くように努めてみよう。


03-12-2008 / Wednesday

_ 受け入れられないようなことでも、受け入れるべきときがある。

_ 自分の存在意義は、誰かが決めるようなものではないし、誰かに決められてそうかと納得すべきようなものではない。でもそれが揺らぐとき、意義を見失ったり必要以上に低く見てしまったりすると、人はもう誰の言うことも耳に入らなくなり、即座に四面の壁を立ててしまう。とんとんと、壁をノックする人がかならずいるはずなのに、壁は内側に向かってどんどんと厚みをまし、ノックの音に比例して、中の面積が狭くなるように、迫ってくる。その感覚をよく知っているから、怒ることも責めることもわたしはしないよ。かわいそうにと、思うばかりだ。畑仕事が好きだったこと、ずっと覚えていようと思う。


03-12-2009 / Thursday

_ 周りに咳をしている人が多いからか、夜などわたしも咳をするようになった。が、熱は出ないし、それ以外に体調が悪いということもないので、とりあえず元気にしている。が、やらないといけないこと、考えないといけないことなどが山積み。あと、やはり将来に対する漠然とした不安を考え始めると、こんなときに子どもを生んでよいのだろうかという「本質的」な迷いがやはり襲いかかってくる。こんなときだからこそという励ましというのか、そういうことばをかけてもらうこともあれば、結婚・出産の機会をいつのまにか逸してしまった周囲からは、なにを贅沢なと言われることも多い。どうやって生きていけばよいのか、いまだに考えあぐねているような母親の元に、子が生まれようとしている。なかなか逆子から戻ってくれないことを合わせて考えると、子なりの意思表明なのだろうか。ちゃんと育ててくださいよというような。


03-12-2010 / Friday

_ J-PopとかK-Popとか、世間のヒットチャートに疎くなって久しいです。聞いたところで多分、JとKの区別もつかないと思う。ゲゲゲの主題歌は辛うじてわかるくらいなわけです。西洋音楽も全然もうわからんようになった。土曜日のお昼にFMのベストテン番組なんかを楽しみに聴いていたのはまだ制服を着ていた頃だったのだろうか。とくに最近はCD屋にすら足を踏み入れなくなってしまっていた。大体、CD屋なんてどんどんなくなっているしね。何度もここに書いたことがあったけど、BALに入っていたヴァージン・レコードが閉店してしまって、わたしの音楽時代はそこで一旦、中休みに入ったように思っている。そんなわけで先日、100円ショップで掃除グッズを物色していたときにかかっていたJ-Popな歌がえらく琴線に触れたことに自分でも驚き、その歌が終わるまでコロコロの詰め替え品を選ぶふりをしながら耳を欹てていたのであった。とにかく韻をよく踏んでいるし、三連符みたいに歌っているし、英語みたいな日本語の歌い方だし、若者の歌なのだろうけど、妙に懐かしく感じたのだった。帰宅してから、どうやってさっきの歌手と曲名を捜索しようかとしばし思案してから、有線放送のサイトをチェックしてみた。探したかったのはその時間帯に掛かっていた曲の情報なのだけど、そんなのをさがさなくてもベストテンの一覧が出ていた。歌詞の内容から見当をつけた曲名をiTunesで検索してみたところ、よかった、ありました。早速試聴してみたところ、大当たりだった。TEEというひとの歌だった。ベイビー・アイラブユーという曲だった。ヒット曲をダウンロードしたのなんて、初めてのことではなかろうか。それ以来、ヘビーローテーションしています。耳に心地よく感じた理由はきっと、サビの部分がきちんとある曲で、歌詞がはっきりと聞き取れたことなのだろうなと思います。

懐かしさの理由はまだわからないけれど、なかなかの名曲だと思います。

午前中はコーヒー飲みつつ、「子どもが描く世界」の続き。「若草物語」は父親不在の物語、その父親の視点から南北戦争と当時のアメリカ社会を描いたピューリッツァー賞受賞作品があるということを知る。「マーチ家の父 もうひとつの若草物語」(ジェラルディン・ブルックス、2010年)という本。読みたい!それからもう何年も繰り延べにしている書評の本をちょっと眺めた。眺めただけで読みませんでした。おしまい。


03-12-2012 / Monday

_ 保育園の前の通りの銀杏の黄色が美しい。朝は青い空に映えて、夕べは真っ暗な空を背景にまるで灯りのようにきらきらと光っている。銀杏の美しさは、その立ち姿の凛々しさと関係があるようだ。桜や紅葉が一期一会的な美しい絵画のようなドラマ性のある姿でわれわれにさあこれでもか、これでもかと攻めてくるのに比べると、あっけらかんとした風情がある。桜も紅葉も好きなのだけど、銀杏のこの凛々しさについては、なんともいえない清々しい気持を感じるほどである。桜や紅葉とは違って、街中の景観の一部として存在する銀杏並木。何十年も生きてきて、今さらのようにこの美しさに感じ入っているのは、たぶん、自分もそうありたいとか自分の姿と重なるところがあるとか、その手の陳腐な感想が基底にあるのである。所用で大阪の南の方に出かけた帰り、ふと思い付いて御堂筋を歩いた。ああここにも、林立するビル群に映える凛々しい銀杏があるのだ。ひとり空を見上げながら、寂しいような楽しいような、そんな気持がしたのだった。


03-12-2021 / Friday

_ Spotifyさんが、今年わたしがよく聞いた曲ベスト100を作ってくれたので、さっそく💛マークをつける。個人的に今年のヒットは、①居眠り/Grapevineの新アルバム「新しい果実」、②GOD SAVE THE わーるど/銀杏BOYZ これはMVが好きなのでYouTubeでよく聞いた、③EDO RIVER/カーネーション、④旅路/藤井風。カーネーションは新曲ではないけれど、ずっとヘビーローテーションしていたのだった。作業中はもっぱらビル・エバンス。来年も多分、おなじのを聞いているだろう。

朝は子どもの授業参観へ。昼前、職場へ。来週の授業準備。年内に有給をあと二日取らねばならぬとのことで、その申請など。

今日は18時ごろ帰宅。12月に入って初めて駅ビルのスーパーで買い物をしたら、なんとあらゆるものが値上げされていた。で、回れ右をして何も買わずに家にある食材を使ってポトフにした。


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